第14回|1955 Chevrolet Sedan Delivery
1271、窓を捨てて荷物を選んだChevy
1955 Chevrolet Sedan Delivery|1271、2人と荷物のためのChevy
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Series | One-Fifty系 |
| Model | 1508 |
| Fisher Style | 55-1271 |
| Official Name | Sedan Delivery |
| Doors | 3 ※左右2+Rear Cargo Door |
| Seating | 2 passenger |
| Side Windows | Frontのみ/Rear QuarterはPanel |
| Rear Opening | One-piece top-hinged Cargo Door |
| Wheelbase | 115 in |
| Base Price | 約 $1,699 |
| Production | 複数資料で大きな差あり |
今回の核心はこれです。
Sedan Deliveryは「後部座席のないWagon」ではない。Rear Quarterを窓ではなくPanelにし、後部まで荷物のために作った専用Delivery BODYだった。
INTRODUCTION|人を乗せることをやめたChevrolet
1955 Chevroletには、実にいろいろな「荷物を運ぶBODY」がありました。
Handyman。
Utility Sedan。
Pickup。
Panel Truck。
そして、
Sedan Delivery。
Model 1508。
Fisher Style 55-1271。
前席には2人。
その後ろは、ほぼ完全にCargo Spaceです。
ここまで来ると「乗用車の便利仕様」ではありません。
Passenger Carの姿を使いながら、目的をDeliveryへ振り切ったChevrolet。
それが1271です。
1271|数字からBODYを見る
1955 Sedan Deliveryを調べるとき、まず確認したいのが、
Model 1508
Fisher Style 55-1271
です。
150 Seriesとの関係が強い一台ですが、普通の150 2-Door SedanとはBODY用途が大きく異なります。
さらに、前回のUtility Sedanとも違います。
Utility Sedan
1512 / 1211B
Sedan Delivery
1508 / 1271
どちらも荷物を重視している。
しかし、その方法が違います。
SOLID REAR QUARTER|窓をなくした理由
Sedan Deliveryを横から見れば、違いはすぐ分かります。
Handymanには大きなRear Quarter Glassがある。
Utility SedanにもRear Quarter Windowがある。
しかしSedan Deliveryでは、
Rear QuarterがSolid Panel
になります。
つまり後部をPassenger Compartmentとして見せる必要がない。
GlassよりもCargo Bodyとしての構成を優先した。
これによって、横から見た姿も独特になります。
窓がないことが欠点ではない。窓を必要としないBODYだった。
THREE-DOOR|3ドアの意味
資料ではSedan Deliveryを3-doorとして扱う場合があります。
ただし、現在のHatchbackでいう3-Doorとは意味が違います。
左右のFront Doorが2枚。
そして後部のCargo Doorが1枚。
合計3枚。
したがってMUDIMUでは、
3-Door Panel Delivery
と書く場合も、必ずRear Cargo Doorを含めた数だと分かるようにします。
REAR DOOR|Handymanとは全く違う
ここは第14回で非常に重要です。
HandymanのRear Openingは、
Upper Liftgate
+
Lower Tailgate
です。
ところがSedan Delivery 1271は、
One-piece Top-Hinged Rear Cargo Door
を持ちます。
つまり大きな一枚のDoorを上へ開く。
同じように荷物を積むChevroletでも、Rear BODYの作り方が違う。
Handymanの後席を外せばSedan Deliveryになるわけではない。
Rear Openingそのものから別物です。
TWO PASSENGERS|後ろは完全に荷物へ
Utility Sedanは3-passenger。
Sedan Deliveryは基本的に2-passengerとして整理されます。
Driver。
Passenger。
そして、その後ろはCargo。
二次資料ではPassenger Seatをoptionalとする記述も見られるため、標準Seat構成の細部については当時の装備資料でさらに確認します。
重要なのは、
後部に人を乗せることを前提としたBODYではない
ということです。
CARGO AREA|本気の荷室
現在確認している資料では、Sedan DeliveryのCargo Areaについて、おおよそ、
Cargo Length:約81.8 in
Maximum Width:約62 in
Height:約36 in
Capacity:約91 cu.ft.
とする数値があります。
ただし、これらは現段階では二次資料ベースを含むため、MUDIMUではFactory Specificationとの照合を続けます。
FloorについてもPlywood Load Floor、Cargo AreaのFiberboard Protectionなどを示す資料があります。
ここは今後、1271専用のFactory/Fisher資料で確定させたいところです。
UTILITY SEDAN vs SEDAN DELIVERY|似ているようで違う
第13回と第14回を並べると非常に面白い。
| Utility Sedan | Sedan Delivery | |
|---|---|---|
| Model | 1512 | 1508 |
| Fisher Style | 1211B | 1271 |
| Passengers | 3 | 2 |
| Rear Quarter | Glass | Solid Panel |
| Rear Access | Trunk | Cargo Door |
| Rear Area | Raised Cargo Floor | Large Cargo Compartment |
| Character | Sedan-based Utility | Delivery Body |
つまり、
1211Bと1271は「後席がない」という一点だけで同じカテゴリーに入れてはいけない。
用途の深さが違う。
BODYも違う。
HANDYMAN vs SEDAN DELIVERY|同じ荷物でも違う
さらにHandymanと比べます。
Handyman 1263F
6人乗り。
Rear SeatをFold。
大きなRear Quarter Glass。
Split Rear Opening。
Sedan Delivery 1271
2人乗り。
Solid Rear Quarter。
Cargo専用後部。
One-piece Rear Cargo Door。
Handymanは、
人 ↔ 荷物
を切り替えるBODY。
Sedan Deliveryは、
最初から荷物
へ振ったBODY。
この違いです。
SHARED PARTS|Wagonとの関係はあるのか
ここも重要な研究ポイントです。
現在の資料からは、Sedan Deliveryが2-Door Wagon系と、
Front Sheet Metal
Windshield
Door周辺
Front Floor Pan
などに共通性を持つことを示す情報があります。
一方で、
Rear Quarter
Rear Floor
Cargo Door
など後部はDeliveryとして独自性が強い。
つまり、
前を見るとWagon familyとの関係が見える。後ろを見ると1271の専用性が見える。
この境界をParts Bookまで追う価値があります。
現段階では、共通部品の範囲を完全確定したとはしません。
1955 CHANGE|Rear Doorが変わった?
1955 Sedan Deliveryについては、前年までのSide-Hinged Rear Doorから、Top-Hinged One-Piece Cargo Doorへ変更されたとする資料があります。
これはBODY史としてかなり重要です。
ただし、MUDIMUではこの変更年について一次資料確認を続けます。
確定できれば、
1955年はSedan DeliveryのRear BODYにも大きな変化があった。
という1954→1955比較記事につながります。
PRICE|仕事用だから安い、とは限らない
現在確認している資料では、1955 Sedan DeliveryのBase Priceはおよそ、
$1,699
とされています。
ここが面白い。
前回の150 Utility Sedanは、
$1,593
150 2-Door Sedanは、
$1,685
でした。
つまりSedan Deliveryは、乗員や装飾を減らしたから単純に最安というわけではない。
Cargo BODYを作るための専用構造がある。
価格は豪華さだけでは決まらない。BODYが価格を作る。
1955 Chevroletを調べていると、何度もこの関係が出てきます。
PRODUCTION|今回は特に数字が危ない
1955 Sedan DeliveryのProduction Numberは、これまで以上に注意が必要です。
現在確認している候補だけでも、
8,135
8,255
8,811
10,639
などがあります。
これは単純な誤差として片付けるには幅が大きい。
したがってMUDIMUでは、
Production:UNRESOLVED
とします。
数字を一つ選んで本文に固定するより、
何を数えている数字なのか
を確認する方が先です。
No.24 Production Numbersで重要な研究対象になります。
COMMERCIAL OR PASSENGER?|分類にも注意する
Sedan Deliveryは、Passenger CarのBODYとの関係が非常に強い一方、用途は明確にCommercialです。
そのため資料によって、Passenger系の表の中に現れたり、Commercial系として扱われたりすることがあります。
これがProduction Numberの食い違いにも関係している可能性があります。
現段階では原因と断定しません。
しかしMUDIMUでは、
「どの数字が正しいか」だけでなく、「なぜ資料によって分類が違うのか」
まで追います。
BODY MAP|荷物を運ぶChevyは一種類ではない
ここまで調べると、1955 Chevroletの「働くBODY」が面白くなってきます。
Utility Sedan — 1211B
3人+荷物
Handyman — 1263F / 1063F
6人+可変Cargo
Sedan Delivery — 1271
2人+Cargo専用
そしてTruck側には、
Panel
Suburban
Pickup
Cameo Carrier
まである。
つまり、
1955 Chevroletは「人を乗せる車」と「Truck」の二択ではなかった。
その間に、用途の違うBODYが何段階も存在した。
これは1955 BODY MAPの大きな魅力です。
WHY SEDAN DELIVERY|こういうChevyが一番面白い
Nomadは残る。
Bel Air Sport Coupeも残る。
Corvetteも残る。
では、仕事で毎日荷物を積まれたSedan Deliveryはどうか。
使い倒される。
改造される。
壊れる。
捨てられる。
結果として、こうした実用BODYほど当時の姿を追うのが難しくなる。
だからこそMUDIMUでは重要です。
名車を保存するだけでは、その時代のChevroletは保存できない。
荷物を運んだChevy。
仕事をしたChevy。
カタログの端に載っていたChevy。
そこまで残して、初めてBODY図鑑になります。
1955 Chevrolet Sedan Delivery
窓を捨てたのではない。荷物を選んだ。
MUDIMU Research Note
Model 1508 / Fisher Style 55-1271
Sedan Deliveryは2-passengerを基本とするPanel Delivery BODYで、Rear QuarterはSolid Panel、Rear OpeningはHandymanのLiftgate+TailgateではなくOne-piece Top-Hinged Cargo Doorとして整理します。
Wagon系とのFront Body・Door・Windshield等の共通範囲についてはParts資料で追加確認を続けます。
Cargo寸法・Floor材・Passenger Seat標準/optionalの細部も一次資料確認対象です。
Production Numberは8,135 / 8,255 / 8,811 / 10,639など大きな食い違いがあるため、現段階では確定しません。

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