1955 Chevrolet No.47
1955 Chevrolet Task Forceの中で、現在まで続く名前があります。
Suburban。
しかし1955年当時の正式な呼び方を追うと、
Suburban Carryall。
そしてFactory Modelは一つではありません。
3106。
3116。
この二つです。
前回のPanel 3105と外形はよく似ています。
長いRoof。
大きなSide Body。
Truck Chassis。
しかしSuburbanにはSide Windowがあり、Seatがあり、人を運ぶことまで最初から考えられていました。
そして3106と3116を分ける決定的なポイントは、単なるTrimではありません。
Rear Openingの構造です。
3106=Panel Type Rear Doors。
3116=End Gate。
ここを曖昧にすると、1955 SuburbanのBODY Variationは見えてきません。
まず3106と3116を分ける
1955 2nd SeriesのSuburban Carryallを最初に整理します。
1955 CHEVROLET SUBURBAN CARRYALL
3106
│
└─ Panel Type Rear Doors
3116
│
└─ End Gate
├─ Upper Liftgate
└─ Lower Tailgate
どちらも3100 Series。
どちらも1/2-Ton系。
2nd Seriesでは114-inch Wheelbaseです。
Secondary specification dataでも1955 2nd Seriesの3106・3116はいずれも114-inch Wheelbaseとして整理されています。
しかしRear Bodyが違います。
これがModel Numberを二つに分けるほど重要だったわけです。
3106|PANEL TYPE REAR DOORS
3106の後ろには、
Panel Type Rear Doors
があります。
左右に開くRear Door方式です。
これはPanel Truckに近いCommercial Vehicleらしい構成。
大きな荷物を後ろから出し入れする。
Doorを開けばRear Openingが現れる。
構造も使い方も分かりやすい。
Factory Model一覧でも3106は、
Carryall Suburban with panel type rear doors
として区別されています。
つまり3106という番号には、
Rear Door BODY
という意味が含まれています。
3116|END GATE
もう一台が、
3116。
Factory表記では、
Carryall Suburban with End Gate。
こちらはPanel Type Rear Doorsではありません。
上下に分かれるRear Openingを使います。
上側は、
Liftgate。
下側は、
Tailgate。
現在のSUVやStation Wagonにも通じる考え方です。
そして1955 Task Forceでは、このEnd Gateが新しく設計されました。
3116の新しいWIDE END GATE
1955 Chevrolet Truck Engineering Featuresは、3116についてかなり具体的に説明しています。
新しいEnd Gateは、
Wide Design。
開口を広くし、荷物の積み下ろしをしやすくしました。
さらにLower TailgateのInner PanelにはSkid Strip形状が入り、開いたときにはInterior Floorと同じLevelになるよう設計されています。
これは単なる「後ろのドア」ではありません。
開いたTailgateまでCargo Floorとして使う。
Truck由来のSuburbanらしい設計です。
TAILGATEだけを開けられる
さらに面白い。
1955の新しい3116では、TailgateがLiftgateへ重なるように閉じる構造となりました。
その結果、
Upper Liftgateを閉じたままLower Tailgateだけを下げる
ことができます。
これはかなり実用的です。
荷物を少し載せたい。
Tailgateを作業台のように使いたい。
Rear Window側まで全部開ける必要はない。
3106のPanel Doorとは、後ろの使い方そのものが違います。
一つのLOCKでTAILGATEを開ける
Factory Engineering資料では、Tailgate中央に一つのLockを配置。
そこからLinkageを使って左右のRemote Control Locksを操作する構造が説明されています。
Tailgateを下げるとCable-operated Reelsによって水平位置に保持されます。
こういう部分こそBODY図鑑では面白い。
3106と3116は、
「後ろのDoor形状が違います」
だけでは終わりません。
Rear OpeningのMechanismそのものが違う。
3106 vs 3116|後ろから見れば別のCHEVROLET
二台を後ろから並べると違いは明確です。
3106
┌─────────────┐
│ REAR │
│ DOOR│DOOR │
│ │ │
└──────┴──────┘
左右開き
3116
┌─────────────┐
│ LIFTGATE │
├─────────────┤
│ TAILGATE │
└─────────────┘
上下分割
同じSuburban Carryall。
同じ114-inch Wheelbase。
しかしRear BODYは二種類。
これこそBODY Variationです。
【画像予定:1955 Chevrolet Suburban 3106と3116 Rear View比較】
PANEL 3105とSUBURBAN|まずSIDE WINDOWを見る
前回の3105 PanelとSuburbanを横から並べてみます。
最大の違いとして目に入るのは、
Side Glass。
PanelはClosed Side。
SuburbanにはPassenger AreaのSide Windowがあります。
3105 PANEL
[CAB][████████ CARGO ████████]
3106 / 3116 SUBURBAN
[CAB][□ WINDOW □ WINDOW □]
Panelは荷物を外から見せず、守るBODY。
Suburbanは人を乗せるため、LightとVisibilityが必要です。
Glassの有無は装飾ではありません。
BODYの目的そのものを表しています。
1955ではSIDE WINDOWの組み立ても変更された
1955 Engineering資料にはSuburban Side Windowについても記述があります。
Side Windowsを個々の部品としてBODY上で組み立てるのではなく、Unitとして事前にAssemblyしてからWindow Openingへ取り付ける方式へ変更。
目的の一つはWeather Sealingの改善でした。
細かい話に見えます。
しかしSuburbanでは重要です。
Panelなら大きなClosed Steel Side。
Suburbanならそこへ大きなGlass Openingを作る。
当然、水や風をどう防ぐかという別のBODY問題が生まれます。
SUBURBANは「窓付きPANEL」ではない
外板だけを見ればPanelとの共通性は大きい。
しかしSuburbanには、
Side Glass。
Passenger Seats。
Passenger access。
Interior trim。
Rear opening。
Visibility。
が必要です。
だから、
Panelに窓を開けただけ。
では足りません。
PanelはCargo Vehicle。
Suburban Carryallは、
Passenger+Cargo Vehicle。
BODYの目的が違います。
CARRYALL|名前がこの車をよく表している
「Suburban」という名前は現在あまりにも有名です。
しかし1955年の記事では、
Carryall
という言葉も大切にしたい。
人を運ぶ。
荷物を運ぶ。
Seatを外せばCargo Spaceを増やせる。
つまり一台でいろいろ運ぶ。
Carry All。
当時のSuburbanが何のための車だったのか、非常に分かりやすい名前です。
SEAT|ここからPANELとは決定的に違う
Suburban CarryallにはPassenger Seatingがあります。
これはBODY研究でも重要です。
古いSuburbanではFrontだけでなくCenter、RearまでSeatを配置し、後方へ乗員が移動できるようSeat arrangementそのものが工夫されていました。
1955 1st SeriesのChevrolet Factory specificationでは、Auxiliary Seatが前方へ移動してCenter / Rear SeatへのAccessを確保し、Center / Rear Seatは取り外し可能だったことが明記されています。
2nd Seriesについて細かなSeat寸法をそのまま流用してはいけませんが、Suburbanが最初からPassengerとCargoを切り替えて使うCarryallだったという系譜は重要です。
SEATを外せば荷物を積める
ここがSuburbanの面白さです。
人を乗せるだけならPassenger Wagonがあります。
荷物だけならPanelがあります。
Suburbanはその中間にいる。
PANEL
荷物 ─────────── 100%
SUBURBAN
人 ────────┐
├─ 状況で使い分ける
荷物 ──────┘
PASSENGER WAGON
人を中心に設計
もちろん実際の用途はもっと幅広い。
しかしBODY思想を理解するには、この位置関係が分かりやすい。
STATION WAGONとは何が違うのか
1955 ChevroletにはPassenger Car側にもWagonがたくさんあります。
Handyman。
Townsman。
Beauville。
Nomad。
ではSuburbanもWagonなのか。
現在の感覚ならSUVやLarge Wagonのように見えます。
しかしFactory Familyは違います。
Passenger WagonはPassenger Car architecture。
Suburban CarryallはTruck Family。
つまり、
1955 CHEVROLET
PASSENGER CAR
└─ Station Wagon Family
TRUCK
└─ Suburban Carryall
です。
用途が似ていても、BODYの出発点が違う。
1955 CHEVROLETには「人と荷物」の答えが何種類もあった
ここまで1955 Chevroletを調べてきたからこそ、面白い比較ができます。
Passenger側には、
2-Door Wagon。
4-Door Wagon。
6-Passenger。
9-Passenger。
Nomad。
Commercial寄りにはSedan Delivery。
Truck側にはPanel。
そしてSuburban Carryall。
つまり1955 Chevroletは、
人と荷物を運ぶ
という一つの目的に対して、何種類ものBODYを用意していました。
これはMUDIMUが1955年を深く追う価値そのものです。
SUBURBANとBEAUVILLE|同じ大人数でも別世界
Passenger ChevroletではBeauvilleに9-Passenger Wagonがありました。
一方Suburbanも複数列Seatによって人を運べます。
しかし同じ「大人数を運べるChevrolet」でも考え方が違います。
BeauvilleはPassenger Car。
SuburbanはTruck。
Ride。
Chassis。
Floor。
Cargo use。
Rear opening。
BODY construction。
すべて出発点が違います。
Seat数だけで車の性格は決まりません。
SUBURBANとNOMAD|同じ1955年とは思えないほど違う
さらに極端なのがNomadです。
Nomadは、
Styleを強く意識した2-Door Wagon。
Suburbanは、
Utilityを強く意識したTruck-based Carryall。
同じChevrolet。
同じ1955年。
どちらもRoofがあり、人と荷物を運べる。
しかしBODY思想は対極に近い。
これは1955 Chevrolet BODY MAPを作るとき、ぜひ横並びにしたい二台です。
3106と3116|どちらが上級という話ではない
ここも注意したい。
3106と3116を、
StandardとDeluxe。
廉価版と高級版。
のように単純化しない。
中心的な違いは、
Rear Opening方式。
Panel Type Rear Doorsを使いたいか。
End Gateを使いたいか。
用途によるBODY Variationです。
Factory Model Numberが違うからといって、必ず上下関係とは限りません。
3116は「TAILGATE付きSUBURBAN」
現存車市場では、
Barn Door Suburban。
Clamshell。
Tailgate Suburban。
など、さまざまな呼び方を目にします。
しかしMUDIMUでは1955 Factory terminologyを優先します。
Factory Model一覧では、
3106=Carryall Suburban with panel type rear doors
3116=Carryall Suburban with end-gate
です。
だから記事でもまずこの呼び方を基準にします。
現代の通称は補助です。
1955 1ST SERIESにも3106・3116がある
ここは絶対に忘れてはいけません。
1955は二つのTruck世代が存在します。
1st Seriesにも、
3106。
3116。
があります。
Factoryの1955 1st Series資料にも両Modelが独立して掲載されています。
しかし1st SeriesはAdvance-Design系。
Wheelbaseは116 inches。
2nd Series Task Forceでは114 inchesへ変わります。
つまり、
1955 3106というModel Numberだけでは、BODY世代は確定しない。
3104 Pickupと同じ問題です。
1955 SUBURBANを見たら最初にSERIESを確認する
実車を見る順番はこうです。
1955 SUBURBAN
↓
1st Series?
2nd Series?
↓
3106?
3116?
↓
BODY / CHASSIS / ENGINE / TRIM
1955という年だけ見てTask Forceと決めない。
3106という番号だけ見てTask Forceと決めない。
Series判定を最初にする。
1955 Truck共通の鉄則です。
ENGINE|235 SIXと265 V8
1955 2nd Series Suburbanでは、235.5 cu.in. Inline Sixに加え、265 cu.in. V8の仕様もSecondary specification tablesで確認できます。
ここでも、
SuburbanだからSix。
とは限りません。
Task Force登場によってSmall Block V8はこうしたUtility Vehicleにも広がっていきます。
ただし現在V8が載っているからFactory V8とは限らない。
Engine Identificationは別に行います。
BODYを見ればSUBURBANの使われ方が見える
SuburbanにはPickupのようなOpen Bedがありません。
Panelのような完全Closed Cargo Sideでもありません。
Side Glassがある。
Seatがある。
Rear Gateが選べる。
それはつまり、
人と荷物の比率を固定しないBODY
だったということです。
家族。
商店。
Hotel。
Airport transport。
Work crew。
さまざまな用途へ使える。
後のSuburbanが長く生き残る理由を考えると、この基本思想はかなり早い段階から見えています。
現存車ではSIDE WINDOWを鵜呑みにしない
No.46でも触れましたが、古いPanelには後付けSide Windowを持つ車があります。
だから、
窓がある=Factory Suburban
とは断定できません。
逆にSuburbanでも長い年月の間にBODY modificationを受けている可能性があります。
見るべきなのは、
Window Opening。
Inner structure。
Rear Body。
Seat mounting。
Model identification。
Chassis。
これらの整合性です。
REAR DOORだけ交換されていないか
3106と3116の最大の違いがRear Openingなら、Restorationではそこも重要になります。
70年以上経った車です。
事故。
Rust。
Customizing。
Parts availability。
によってRear Bodyが修理・変更されている可能性があります。
したがって、
今Barn Doorだから3106。
だけで終わらせない。
Factory Model evidenceとBODY structureを照合します。
1955 SUBURBAN IDENTIFICATION
実車なら次を確認します。
- 1st Series / 2nd Series
- 3106 / 3116
- 114-inch Wheelbaseか
- Side Window configuration
- Panel Type Rear Doors / End Gate
- Rear Body structure
- Seat mountingとInterior
- Chassis / Serial information
- 235 / 265とEngine identification
- Paint / Trim
- 後年のConversion・Restoration
特に1955は、
年式 → Series → Model → BODY
の順番が重要です。
MUDIMU BODY MAP|3105・3106・3116
PanelとSuburbanを一枚にすると分かりやすい。
1955 TASK FORCE ENCLOSED BODY
3105 PANEL
│
├─ Closed Side
├─ Cargo
└─ Panel Rear Doors
3106 SUBURBAN CARRYALL
│
├─ Side Windows
├─ Passenger + Cargo
└─ Panel Type Rear Doors
3116 SUBURBAN CARRYALL
│
├─ Side Windows
├─ Passenger + Cargo
└─ End Gate
├─ Liftgate
└─ Tailgate
たった三つでも、これだけBODYの役割が違います。
「PANELに窓を付けたらSUBURBAN」では見えないもの
外観だけなら、その説明でも大まかには通じます。
しかし、それでは、
3106と3116の違い。
Seat。
Passenger access。
Side Window sealing。
End Gate mechanism。
Cargo / Passenger conversion。
が全部消えてしまいます。
MUDIMUはそこまで追います。
似たBODYほど、違いを追う。
これがBODY Variation図鑑です。
MUDIMU VIEW|SUBURBANは現在のSUVとして見ると面白さを失う
現在のSuburbanは巨大なSUVとして知られています。
しかし1955年型を現代のSUVの物差しだけで見る必要はありません。
当時の姿へ戻す。
Truck Chassis。
Commercial VehicleのPanelに近いBODY。
複数列Seat。
Removable Seating。
Cargo Space。
Rear DoorまたはEnd Gate。
ここから見れば、
「TruckとWagonの間にいたCarryall」
という1955年のSuburbanが見えてきます。
それが面白い。
CONCLUSION|3106と3116は「後ろ」が違う
1955 Chevrolet Suburban Carryall。
3106。
3116。
同じ3100 Series。
同じ1/2-Ton系。
2nd Seriesなら114-inch Wheelbase。
Side Windowを持ち、人と荷物を運ぶEnclosed BODY。
しかし二台は同じではありません。
3106はPanel Type Rear Doors。
3116はEnd Gate。
しかも3116の新しいWide End Gateは、Lower Tailgateだけを開けられ、Cargo Floorにつながるよう設計されていました。
これはTrim Variationではありません。
BODYの使い方そのもののVariationです。
そして1955 Chevrolet全体を見ると、もっと面白い。
Wagon。
Nomad。
Sedan Delivery。
Panel。
Suburban。
同じ「人と荷物を運ぶ」という目的だけでも、Chevroletはこれだけ違う形を持っていました。
だからBODYを追う価値があります。
これで1955 Truck増補の主役、
Pickup・Cameo・Panel・Suburban
は揃いました。
次はTruckを細かく一台ずつ増やしません。
No.48|1955 Chevrolet Working Bodies|Platform・Stake・Forward Control。
1955 Truckの仕事BODYを一本にまとめ、ここで1955 Truck増補を終わらせます。

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