1955 Chevrolet Nomad|1064DF、Handymanとは違う2ドアワゴン

第12回|1955 Chevrolet Nomad

目次

1064DFは、なぜHandymanとは別BODYなのか

1955 Chevrolet Nomad|1064DF、Handymanとは違う2ドアワゴン

基本データ

項目内容
SeriesBel Air / 2400
Model2429
Fisher Style55-1064DF
Body2-Door Station Wagon
NameNomad
Seating6 passenger
Wheelbase115 in
Production8,386 / 8,530 ※資料差あり

この記事の核心です。

Nomadは「豪華なHandyman」ではない。Fisher Style 1064DFとして、Handymanの63F系とは分けて考えるべき2-Door Wagonだった。


INTRODUCTION|有名だから、一度名前を外してみる

1955 Chevrolet Nomad。

説明する必要がないほど有名なChevroletです。

Tri-Fiveを代表するStation Wagonであり、現在でも1955 Chevroletの象徴的な一台として扱われます。

しかしMUDIMUでは、まずNomadという名前を外します。

残るのは、

Model 2429

Fisher Style 55-1064DF

というBODYの情報です。

ここからNomadを見直すと、単なる高級2ドアワゴンではないことが見えてきます。


THREE 2-DOOR WAGONS|まず3台の中へ戻す

1955 Chevroletには3種類の2-Door Wagonがありました。

SeriesModelFisher StyleName
15015291263FHandyman
21021291063FHandyman
Bel Air24291064DFNomad

Nomadだけを見ると特別な一台。

しかしBODY MAPへ戻すと、

63F系 Handyman

64DF Nomad

という違いが見えてきます。

同じ年。同じChevrolet。同じ2ドアWagon。それでもBODYは同じではない。


1064DF|数字が教えてくれること

150 Handymanは1263F

210 Handymanは1063F

Nomadは1064DF

Fisher資料を追うと、Nomad 1064DFはHandymanとは別に扱われる箇所がいくつもあります。

たとえば、

Door

Rear Quarter

Headlining

Rear Floor

Seat関連

Exterior Molding

など。

これは非常に重要です。

単にBel AirのTrimをHandymanへ載せただけなら、このようなBODY周辺の違いを説明できません。

したがって、

1064DFは63F Handymanとは別のBODY branchとして見る。

これがMUDIMUの現段階での判断です。


DOOR|2ドアだから同じ、ではない

ここは特に注意したいところです。

HandymanもNomadも2ドア。

だから現代の簡単な説明では、同じ2-Door Wagonの豪華版・廉価版のように扱われることがあります。

しかしFisher Service資料では、1064DFのDoor Partsが専用に扱われる箇所があります。

つまり、

ドアの枚数が同じことと、同じDoor/BODYであることは別問題。

MUDIMUでは「2ドア」という分類だけでBODYをまとめません。


ROOF & GLASS|Nomadらしさは上半分にもある

NomadをSide Viewで見ると、Handymanとの差は装飾だけではありません。

Roof。

Glass。

Pillar。

Rear Quarter。

Headlining。

こうした上部BODY構成にも専用性が見えてきます。

Handymanは実用的な2-Door Wagon profile。

Nomadは同じ2ドアWagonでも、異なるStylingとBODY構成を持つ。

だからこそ、Chromeを全部外して考えてもNomadはNomadなのです。

装飾を外しても違う。それがBODYの違いです。


REAR QUARTER|63Fと64DFを分ける場所

Station Wagon研究でRear Quarterは重要です。

Fisher Service資料ではHandyman系と1064DFでRear Quarter関連の扱いが分かれています。

Rear Quarterは単なる外板一枚ではありません。

Glass。

Pillar。

Roofとの接続。

Rear Opening。

Interior Trim。

こうした部分と関係するBODY領域です。

NomadがHandymanと違うことを確認するなら、Front FenderよりRear Halfを見た方が分かりやすい。

これは実車を見るときにも使える視点です。


INTERIOR|Nomadは中も別に見る

NomadはInteriorについても専用項目が多い。

Fisher Trim Manualでは、Nomad 1064DFについて、

Seat

Pillar

Rear Quarter

Rear Floor

などを個別に追うことができます。

つまりNomadの違いはExterior Stylingだけではありません。

BODYとInteriorが連動して専用化されている。

ここまで見て初めて、

「Nomadは特別だった」

という言葉に具体的な意味が出てきます。


TRIM|Nomad専用のInterior Color

現在整理している1955 Trim資料では、Nomadに次のTrim Codeが確認できます。

541 — Beige / Green

542 — Beige / Blue

543 — Beige / Brown

544 — Beige / Red

545 — Ivory / Turquoise

546 — Gray / Coral

552 — Gray / Ivory

資料ではLeather表記が見られますが、MUDIMUではOriginal Master Parts Catalogの該当ページを直接確認してから、材質について最終確定します。

ここも「Nomadだから当然Leatherだった」と推測では書きません。


COLOR|Nomadに使えた色を調べる

NomadはTwo-Toneも重要です。

現在確認しているPaint資料では、1064DFへの適用が明示されるCombinationとして、

627 — Shadow Gray / Coral

682 — India Ivory / Cashmere Blue

684 — India Ivory / Navajo Tan

685 — India Ivory / Dusk Rose

などがあります。

ここでも、

1955 Chevroletに存在したColor

と、

Nomad 1064DFに適用されたColor Combination

を区別します。

そして現存車の色だけを見てFactory Originalとは判断しません。


PRICE|NomadはWagonの頂点だった

現在確認している価格資料では、

150 Handyman — $2,030

210 Handyman — $2,079

210 Townsman — $2,127

Bel Air Beauville — $2,262

そして、

Nomad — $2,472

というI6価格表があります。

210 Handymanとの差は、

+$393

Beauvilleとの差でも、

+$210

です。

ただし、ここには重要な未解決点があります。

NomadのI6設定問題

資料によってはNomadについてI6価格を掲載しています。

一方で、V8を標準とする説明も見られます。

したがってMUDIMUでは現段階で、

「1955 NomadはI6を普通に選択できた」

とは断定しません。

価格表の存在と、実際のPowertrain applicabilityは別に確認します。


PRODUCTION|8,386か8,530か

1955 NomadのProduction Numberにも差があります。

主要候補は、

8,386

8,530

です。

ここでもMUDIMUは一方を勝手に採用しません。

なお、調査途中で見つかることのある6,103台という数字は重要です。

これは1955年ではなく、1957 NomadのProduction Numberとして知られる数字です。

したがって1955年の候補からは外します。

数字が検索で出てきたことと、その数字がその年式のものだということは別。

Production研究では特に重要です。


MID-YEAR|Nomadは最初からいたのか

1955年のBODY MAPにはもう一つ面白い問題があります。

MotorCitiesのRobert Tateによる1955 Chevroletの記事では、Nomadは1955年2月にラインへ追加されたとされています。

つまり1955 ChevroletのBODY体系は、モデルイヤー開始時から最後まで完全に固定されていたわけではない可能性があります。

これはかなり面白い。

ただし現段階では二次資料による情報なので、

「1955年2月追加とされる」

という表現に留めます。

今後GM側の一次資料で時期を確認します。


NOMAD vs HANDYMAN|高級版という説明では足りない

ここまでを整理します。

Handyman

1263F / 1063F

実用的な2-Door Wagon architecture。

Nomad

1064DF

Door、Rear Quarter、Headlining、Rear Floor、Seat、Exterior Moldingなどに専用性が確認できる。

したがって、

Handyman → 豪華にする → Nomad

ではない。

より正確には、

1955 ChevroletにはHandyman系とNomadという、異なる方向の2-Door Wagonが同時に存在した。

と見る方がBODYの実態に近い。


WHY NOMAD|有名だからこそBODYへ戻す

Nomadを褒めるのは簡単です。

Rare。

Beautiful。

Iconic。

Collectible。

しかし、それだけならMUDIMUがやる必要はありません。

MUDIMUが知りたいのは、

なぜNomadはNomadなのか。

名前なのか。

Chromeなのか。

Bel Airだからなのか。

BODYなのか。

Fisher資料を追っていくと答えはかなり明確になります。

Nomadは、装飾だけで特別になったWagonではない。1064DFというBODYから特別だった。

だからこそ、150 Handymanも210 Handymanも調べる意味がある。

3台を並べて初めてNomadの本当の違いが見えるからです。

1955 Chevrolet Nomad

有名だからではない。BODYが違うから面白い。


MUDIMU Research Note

Model 2429 / Fisher Style 55-1064DF

現段階でFisher資料から、1064DFにはHandyman系63Fとは別に扱われるDoor、Rear Quarter、Headlining、Rear Floor、Seat、Exterior Molding等が確認できます。

Productionは8,386 / 8,530の資料差を保留。6,103は1957年の数字として1955候補から除外します。

NomadのI6 applicability、Interior materialの正確な表記、1955年2月追加の一次資料確認は継続課題です。

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この記事を書いた人

1959、1960、1962、1968年式Chevroletの所有経験を持つ。現在、当時のChevrolet資料をもとにBODY、COLOR、TRIMを中心とした日本語アーカイブを構築中。

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