1956 Chevrolet No.25
1956 Chevrolet Bel Airの中で、最も分かりやすく特別なBODYがあります。
Convertible。
Model 2434。
Fisher Style 56-1067DTX。
一見すれば簡単です。
「屋根のないBel Air」。
しかしMUDIMUでは、そうは見ません。
HardtopのRoofを切り取ればConvertibleになるわけではない。
Roofがない。
固定B-Pillarもない。
Door Glassの上には通常のRoof Railもない。
そしてSoft Topを格納しなければならない。
つまりConvertibleとは、
RoofをなくしたBODYではなく、Roofなしで成立するように作られたBODY。
1956年の1067DTXを、そこから見ていきます。
FACTORY IDENTITY|2434 / 56-1067DTX
まずIdentityを固定します。
1956 Chevrolet Factory Specificationsでは、ConvertibleはBel Air Seriesに設定されたModel 2434として独立して記載されています。内装仕様についてもConvertible専用項目が用意されています。
現存車のFisher Body Tagでも、
STYLE 56-1067DTX
が繰り返し確認できます。
整理すると、
| 項目 | 1956 Bel Air Convertible |
|---|---|
| Series | Bel Air / 2400 |
| Model | 2434 |
| Fisher Style | 56-1067DTX |
| Factory Name | Convertible |
| Doors | 2-Door |
| Wheelbase | 115 in. |
| Roof | Folding Convertible Top |
ここで重要なのは、
2434
と、
1067DTX
です。
中古車市場では「1956 Bel Air Convertible」で十分通じます。
しかしBODYを研究するなら、1067DTXまで降りる必要があります。
BEL AIRだけに存在したConvertible
1956 Chevrolet Passenger Carには150、210、Bel Airがあります。
しかしConvertibleは各Seriesに一台ずつあったわけではありません。
Bel Airに設定されたBODYです。
150 Convertibleはない。
210 Convertibleもない。
Bel Airの2434。
つまりConvertibleというBODY自体が、1956 Chevroletでは上級Series側へ置かれていました。
これだけでもHandymanやUtility Sedanとは正反対の位置にいます。
同じ1956 Chevroletでも、
仕事をするBODY。
人を運ぶBODY。
Stylingを楽しむBODY。
ChevroletはそこまでBODYを分けていました。
1067DTX|この文字列を軽く扱わない
ここまで1956 Chevroletを追ってきた人なら、
1062F。
1062FC。
1062DFC。
1064DF。
1037D。
1039D。
などを見てきました。
Convertibleは、
1067DTX。
かなり特徴的です。
ただし、ここでやってはいけないのがSuffixの想像です。
DはBel Airなのか。
Tは何なのか。
Xは何なのか。
規則性から推測することはできます。
しかしFisher Body自身による定義資料を確保していない段階では、
DTXを勝手に分解して意味を作りません。
確実なのは、
1956 Bel Air ConvertibleのFisher Styleとして56-1067DTXが実際に使われていた。
ここまでです。
現存車のCowl Tagでも56-1067DTXが複数確認できるため、これは非常に強いIdentityです。
HARDTOPとは何が違うのか
前回まで追っていたSport CoupeはHardtopでした。
Bel Air Sport Coupeなら、
2454 / 1037D。
Convertibleは、
2434 / 1067DTX。
どちらも2-Door。
どちらもBel Air。
どちらも開放感を重視したBODYです。
しかし決定的に違います。
Hardtopには、
固定Roofがあります。
Convertibleにはありません。
ここからBODY設計が大きく分かれます。
ROOF|1067DTXには固定屋根がない
通常のBODYではRoofは単なる雨よけではありません。
BODY Structureの一部です。
Convertibleでは、その固定Roofを持たない。
その代わり、
Folding Top。
Top Frame。
Top Mechanism。
Top Storage Area。
Weather Sealing。
Windshield Headerとの接続。
など、Convertible特有の構成が必要になります。
したがって、
Convertible=Sport CoupeからRoofを切ったもの
とは考えません。
1067DTXという独立したFisher Styleが与えられていること自体が、BODYとして別に扱うべき強い手掛かりです。
WINDSHIELD|Roofの入口ではなくTopの固定点になる
HardtopではWindshield Headerから固定RoofへBODYが続きます。
Convertibleではその先がSoft Topになります。
つまりWindshield上端は、
固定Roofへつながる場所ではなく、
Convertible Topを閉じたときの前側固定・Sealing Area
になります。
見た目が似た1956 Chevroletでも、この部分の役割は違います。
Windshield Frame、Header、Top Latch周辺はConvertible研究で重要な場所です。
正確なHardtopとのPart Number共通性については、Parts Book確認前には断定しません。
SIDE VIEW|柱どころかRoofまで消える
1037D Sport CoupeではSide Glassを下げると固定B-Pillarが見えなくなります。
しかしRoofは残ります。
1067DTXではTopを下げると、
Roofそのものが消える。
これによってSide Profileは大きく変わります。
【画像予定:1956 Bel Air Sport CoupeとConvertibleのSide比較】
ここはMUDIMUで将来、必ず比較図を作りたいところです。
SPORT COUPE / 1037D
Windshield ───── Fixed Roof
│ │
│ Open Side │
│ │
─────┴─────────────────
CONVERTIBLE / 1067DTX
Windshield
│
│
│ Open Cabin
│
─────┴─────────────────
同じ「Pillarless系の開放感」でも、BODYとしての作り方はまったく違います。
DOOR|2-DoorだからSport Coupeと同じ、ではない
ConvertibleもSport Coupeも2-Doorです。
だからDoorまで同じと考えたくなります。
しかし、ここも調査対象です。
Door Shell。
Door Glass。
Window Frameの有無。
Weatherstrip。
Door Opening。
Latch。
Beltline。
Quarterとの接続。
これらをParts Bookで照合するまでは、
「1956 Bel Air 2-Doorだから同じDoor」
とは断定しません。
BODY Styleが違えば、同じように見える部品でも違う可能性があります。
QUARTER AREA|Convertible特有の仕事が増える
ConvertibleではRear Quarter Areaにも別の役割があります。
Soft Topを開く。
折り畳む。
格納する。
Rear Seatを確保する。
BODY外形も成立させる。
つまりSport CoupeのQuarter Areaとは要求される仕事が違います。
ここは将来的に、
1037D Sport Coupe vs 1067DTX Convertible
でParts Bookを使って掘る価値があります。
特に、
Quarter Inner。
Top Well。
Rear Seat周辺。
Rear Quarter Glass。
Top Mechanism。
この辺りはConvertible BODYの核心です。
BODY STRENGTH|Roofがないなら、どこで支えるのか
Convertible研究で避けて通れない問題です。
固定Roofを持たないBODYは、HardtopやSedanとは構造条件が違います。
ただし、
「ConvertibleだからFrameが○○だけ補強されている」
「Rockerが○mm厚い」
などと、一般的なConvertible知識を1956 Chevroletへそのまま当てはめるのは危険です。
MUDIMUでは、
Convertible固有のFrame / Body Reinforcementがどこにあり、何が違うのか
をParts BookやEngineering資料で確認してから確定します。
ここは今後の重要調査項目です。
CONVERTIBLE TOP|BODYの一部として見る
Soft TopをAccessoriesのように扱ってはいけません。
1067DTXでは、
Top Frame。
Fabric。
Rear Window。
Header。
Latch。
Weatherstrip。
Mechanism。
Storage。
これらがConvertible BODYを成立させる一つのSystemです。
Topを閉めた状態。
Topを開けた状態。
両方で車として成立しなければならない。
だからConvertibleは、
Roofless BODY + Top System
として見る必要があります。
POWER TOP|現存車でも確認できる
現存する1956 Bel Air ConvertibleではPower-operated Folding Topを備えた個体が複数確認できます。
ただし現存車は70年近く修理・改造されている可能性があります。
したがって、
「この個体についているから1956年の全Convertibleがこの仕様」
とはしません。
Factory Option / Standard Equipmentの区別はPeriod資料で別途確認します。
INTERIOR|Factory SpecificationsにConvertible専用項目がある
ここは面白いところです。
1956 Chevrolet Factory Specificationsでは、Interior Trimの説明に、
CONVERTIBLE — MODEL 2434
という専用項目があります。
Seat。
Sidewall。
Arm Rest。
Material。
Color Combination。
Convertible用として細かく指定されています。
つまり1067DTXは、単にExterior BODYだけが特殊だったわけではありません。
InteriorまでConvertibleとして設計された商品。
これはNo.30 Interior & Trimでかなり深く掘れます。
REAR SEAT|Open Carでも実用性を残した
Convertibleは2-Seater Sports Carではありません。
Bel Air ConvertibleはRear Seatを持つFull-size Chevroletです。
ここがCorvetteとの大きな違いでもあります。
同じ1956 ChevroletのOpen Carでも、
Bel Air ConvertibleとCorvetteは別世界です。
Bel Air Convertibleは、
家族や友人を乗せられるOpen Chevrolet。
Corvetteは2-seat Sports Car。
「屋根が開く」という一点だけで同じカテゴリーに入れてはいけません。
CORVETTEとはまったく別のOPEN BODY
1956 Chevroletにはもう一つOpen Carがあります。
Corvetteです。
しかし、
Bel Air Convertible=2434 / 1067DTX。
Corvette=独自のSports Car BODY。
WheelbaseもBel Airの115 inchesに対してCorvetteは102 inches。
ChassisもBody Conceptも違います。
つまり1956 Chevroletには、
Full-size Convertible
と、
Sports Car Roadster
という二つのOpen Chevroletが存在したことになります。
これはNo.26 Corvette完全ガイドへの良い入口になります。
PAINT|ConvertibleはCOLORでも非常に面白い
Factory SpecificationsにはModel 2434 Convertible用Interior Colorの組み合わせが具体的に記録されています。
Ivory / Charcoal。
Dark Turquoise。
Red。
Green系。
Blue系。
Yellow / Charcoal。
Tan / Copper。
Cream / Charcoal。
などが確認できます。
さらにSurvivor Tagでは実際に、
Paint 700 — Adobe Beige / Sierra Gold
Trim 621 — Copper / Tan
という1067DTXが確認できます。
別の現存車では、
Paint 757 — Imperial Ivory / Inca Silver
Trim 602 — Charcoal / Ivory
が記録されています。
BODY・COLOR・TRIMが一気につながってきます。
SURVIVOR TAG|1067DTXは実車でも強く確認できる
1956 Bel Air Convertibleは、現存車のFisher Body Tag資料が比較的豊富です。
たとえば一台では、
STYLE 56-1067DTX
BODY L161133
TRIM 621
PAINT 700
が確認されています。
別の個体でも、
STYLE 56-1067DTX
BODY L38660
TRIM 602
PAINT 757
が確認できます。
さらに別個体でも56-1067DTXが確認されています。
これはかなり良いCorroborationです。
1067DTXは資料の表にだけ存在する番号ではない。実際のFisher Body Tagに残っている。
ORIGINALかどうかを見るならBODYから始める
1956 Bel Air ConvertibleはCollector人気が高いため、RestorationやModificationを受けた個体が多い。
Engine Swap。
Transmission変更。
Disc Brake化。
Paint変更。
Interior張り替え。
Accessory追加。
だから実車を見るとき、
「265 V8だから本物」
ではありません。
最初に見るのは、
STYLE 56-1067DTX。
その次にBODY、TRIM、PAINT。
さらにVIN。
Engine。
Transmission。
この順です。
ENGINE|Convertible BODYとV8を混同しない
現存するBel Air ConvertibleではV8車が非常に目立ちます。
しかし、
1067DTXはEngine Codeではありません。
BODY Styleです。
BODYをEngineから切り離して考える。
これはMUDIMU全体で徹底します。
Six / V8の設定、Engine Production、Power Pack等はNo.41以降で整理します。
PRODUCTION|数字が割れている
ここは重要です。
1956 Bel Air ConvertibleのProductionについては、Secondary Sourcesに異なる数字があります。
Ataman Museumは、
41,268台
としています。
一方、別のSecondary Sourceでは、
41,883台
という数字が掲載されています。
したがって現段階では、
1956 Bel Air Convertible Production = 約4.1万台。ただし正確な数字はConflictあり。
とします。
No.32 Production Numbersで一次資料系統を追って最終判断します。
数字を綺麗にするために、どちらかを選びません。
PRICE|V8 Convertible $2,443という資料
Secondary資料では、V8 Bel Air ConvertibleのOriginal Priceとして、
$2,443
という数字が確認できます。
これはBel Airの中でも高価なBODYだったことを示す手掛かりになります。
ただしPriceはNo.31で全BODYを同じ資料系列から比較します。
ここでは確定値として横展開しません。
CONVERTIBLEは「高級装備」ではなくBODY
ここを間違えないことが重要です。
Convertible Topがある。
Chromeが多い。
Bel Air。
高価。
だから「豪華仕様」。
それだけではBODY図鑑になりません。
Convertibleの本質は、
1067DTXというBODYそのもの。
固定Roofを持たない。
2-Door。
Open Cabin。
専用Top System。
専用Interior specification。
Rear Seatを持つ。
Full-size Chevrolet。
ここです。
1956 BEL AIR BODY MAPで見る1067DTX
Bel Air全体へ戻します。
1956 CHEVROLET BEL AIR
1011D
2-Door Sedan
1019D
4-Door Sedan
1037D
Sport Coupe
2-Door Hardtop
1039D
Sport Sedan
4-Door Hardtop
1067DTX
Convertible
2-Door Open BODY
1062DFC
Beauville
4-Door 9-Passenger Wagon
1064DF
Nomad
2-Door 6-Passenger Wagon
すごいBODY Variationです。
Sedan。
Hardtop Coupe。
Hardtop Sedan。
Convertible。
4-Door Wagon。
2-Door Wagon。
これが全部、
1956 Bel Air
の中にあります。
「Bel Air」という名前だけ覚えても、1956 Chevroletの半分も見えてきません。
1037D vs 1067DTX|次に比較したい二つの2-Door
MUDIMUとして非常に面白い比較があります。
1037D Sport Coupe
と、
1067DTX Convertible。
両方とも、
Bel Air。
2-Door。
6人乗りFull-size系。
Styling重視。
しかし一方には固定Roofがあり、もう一方にはない。
ここをParts Bookまで追えば、
Door。
Windshield。
Floor。
Rocker。
Quarter。
Rear Seat。
Glass。
Frame。
Weatherstrip。
の違いが見えてくる可能性があります。
これは将来、独立したBODY比較記事にする価値があります。
IDENTIFICATION|1067DTXを見る順番
実車なら、こう見ます。
1. 1956 Chevroletか
↓
2. Full-size Convertibleか
↓
3. Bel Airか
↓
4. Model 2434か
↓
5. Fisher Body Tag
↓
6. STYLE 56-1067DTX
↓
7. BODY Number
↓
8. TRIM Code
↓
9. PAINT Code
↓
10. VIN
↓
11. Engine / Transmission
です。
Badgeから始めない。
Engineから始めない。
まず1067DTXを見る。
MUDIMU VIEW|Roofがないことより、Roofなしで成立していることを見る
Convertibleを見ると、多くの人は、
「屋根が開く」。
そこに目が行きます。
もちろん、それが魅力です。
でもBODY研究では、その一歩先を見る。
Roofがないのに、
Doorが閉まる。
Glassが合う。
Soft Topが閉まる。
雨を防ぐ。
Rear Seatがある。
BODY Shapeが成立する。
走れる。
つまり1067DTXの面白さは、
Roofがないことではありません。
Roofがない状態を前提に、一台のChevroletとして成立させたこと。
そこにあります。
CONCLUSION|1067DTXは「屋根を切ったBel Air」ではない
1956 Chevrolet Bel Air Convertible。
Model 2434。
Fisher Style 56-1067DTX。
1956 Factory SpecificationsにはModel 2434専用のConvertible Interior specificationが記録され、現存車のFisher Body Tagでも56-1067DTXが繰り返し確認できます。
これは単なるBel AirのOpen Versionではありません。
固定Roofを持たない。
Soft Topを持つ。
専用のSide、Quarter、Interior、Sealing、Top Mechanismを必要とする。
そしてFull-size ChevroletとしてRear Seatも残す。
1067DTXは、Roofを取り去ったBODYではない。RoofなしでChevroletを成立させるためのBODYだった。
Hardtopの1037D、1039Dまで追ってきたからこそ、1067DTXの特殊さが見えてきます。
そして次はいよいよ、Full-size Chevroletから完全に離れます。
Corvetteです。
MUDIMU Research Note
A|Factory Identity
1956 Factory SpecificationsでBel Air ConvertibleはModel 2434として確認。Convertible専用Interior specificationも存在します。
B|Fisher Style 56-1067DTX
複数のSurvivor Fisher Body TagsでSTYLE 56-1067DTXを確認。
B|BODY / COLOR / TRIM
Survivor例として56-1067DTX / Paint 700 / Trim 621、別個体では56-1067DTX / Paint 757 / Trim 602を確認。Factory SpecificationsにもConvertible専用Interior Color specificationがあります。
?|DTXの公式Suffix定義
56-1067DTXがConvertibleを示すこと自体は強く確認できます。ただしD・T・XそれぞれのFisher公式定義文は未確保。推測で展開しません。
?|Production
Secondary Sourcesで41,268台と41,883台が存在。現段階ではConflictとして保存し、No.32で再検証します。
?|Convertible専用BODY Parts
Sport CoupeとのDoor Shell、Windshield、Floor、Rocker、Quarter、Frame、Rear Seat Structure、Glass、Weatherstrip等のPart Number比較は未完。Parts Book確認まで共通性を断定しません。
これでNo.25本文完成です。
次の26|1956 Chevrolet Corvette 完全ガイドはかなり重要です。1956 Corvetteは単なる1955年型の続きではなく、BODYそのものが大きく変わった年として掘ります。

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