53|1956 Chevrolet Low Cab Forward|5100・5400・5700、街で働いたCab-Over型Chevy

1956 Chevrolet No.53

1956 Chevrolet Task ForceをPickupだけで見ていると、Chevrolet Truckのもう一つの顔を見落とします。

Low Cab Forward。

略してLCF

長いHoodを前に出したConventional Truckとは違い、DriverとCabを前方へ移し、限られた車体寸法を仕事のために使うCommercial Chevroletです。

1956年にはさらに大型のLow Cab Forward系も存在しました。

しかしMUDIMUで主役にするのは、巨大なHeavy-duty Truckの型式一覧ではありません。

今回見るのは、

5100 Series

5400 Series

5700 Series

です。

特に5400 Seriesには、

5403 Cab & Chassis

5408 Platform

5409 Stake

という、MUDIMUが追い続けているBODY Variationが見えてきます。

Low Cab Forwardの面白さは「顔が変わったTruck」ではない。Cabを前へ動かしたことで、仕事BODYの作り方そのものが変わったことにある。


目次

LOW CAB FORWARD|普通のTask ForceとはCabの位置が違う

1956 Chevroletの一般的なPickupを横から見れば、

Engine。

Hood。

Cab。

Cargo Body。

という順番が分かりやすく並びます。

Low Cab Forwardでは、Driver compartmentを前方へ移します。

概念的には、

CONVENTIONAL

[ENGINE][CAB]────────[BODY]


LOW CAB FORWARD

[CAB]
[ENGINE]─────────────[BODY]

実際の機械配置はこれほど単純ではありませんが、重要なのはCabとDriverの位置です。

前方空間の使い方を変えることで、Commercial BODYへ使えるChassis上の空間を確保する。

それがLCFの大きな特徴です。


FORWARD CONTROLとは分けて考える

ここは重要です。

すでにMUDIMUでは、

3442

3542

3742

というForward Control Chassisを扱いました。

そして今回のLow Cab Forward。

どちらもDriverを前へ移動させる思想を持っています。

しかし、

Forward ControlとLow Cab Forwardを同じFactory Familyとして一括りにしない。

1956 ChevroletのFactory資料では、それぞれのSeries・Chassis体系として追う必要があります。

MUDIMUでは、見た目が似ているから同じ、とは判断しません。


5100・5400・5700|まず3つのSeriesを見る

1956年のLCFを日常的なCommercial Chevroletという視点から見るなら、まず注目したいのがこの3 Seriesです。

Series代表ModelWheelbase
51005103112.6 in.
54005403 / 5408 / 5409136.6 in.
57005703160.6 in.

112.6インチ。

136.6インチ。

160.6インチ。

きれいに一種類ではありません。

5100から5400へ24インチ。

5400から5700へさらに24インチ。

5100から5700では、

48インチ。

約1.22mものWheelbase差になります。

同じLow Cab Forwardでも、載せるBODYや仕事に合わせてChassisの大きさを選べたわけです。


5103|112.6インチの短いLCF

最初が、

5103。

5100 SeriesのLow Cab Forward Cab & Chassisとして確認できるModelです。

Wheelbaseは、

112.6インチ。

ここが面白い。

3104 Pickupの114インチより、わずかに短い。

つまり、

Wheelbaseが短い=小さなCargo Vehicle

とは限りません。

Cabを前へ移したLCFでは、同じWheelbaseでもConventional TruckとはBODYを載せる空間の使い方が違います。

これは3442 Forward Controlでも見えてきた考え方です。

WheelbaseだけではCommercial BODYの大きさは分からない。


5103は完成BODYではない

5103で注意したいのは、Cab & Chassisであることです。

つまりFactoryから出た時点で、

「この荷台で完成」

というTruckではありません。

その先に、

Body Builder。

Equipment manufacturer。

Fleet specification。

などが存在します。

現在5103に何らかのCargo Bodyが付いていても、そのBODYだけを見てFactory configurationを決めてはいけません。

No.50で扱ったCab & Chassisの考え方が、LCFにもそのままつながります。


5400 SERIES|MUDIMUではここが主役

3 Seriesの中でもBODY Variationとして特に面白いのが、

5400 Series。

確認できる主要Modelには、

5403 — Cab & Chassis

5408 — Platform

5409 — Stake

があります。

これを見た瞬間、以前の記事を思い出します。

3600 Seriesです。

3603 Cab & Chassis。

3608 Platform。

3609 Stake。

そして5400では、

5403。

5408。

5409。

同じようなBODYの枝分かれが、Low Cab Forward側にも現れます。


5403|BODYを決めずに渡す

5403はCab & Chassis。

Wheelbaseは、

136.6インチ。

Chevrolet側でCabとChassisを用意し、Rear Bodyの完成を次の工程へ残す。

つまり、

5403

[LCF CAB]────────────
                     ↓
                BODY BUILDER

です。

仕事によって必要なBODYが違うCommercial Vehicleでは、この「何を載せるか決めない」という商品そのものに意味があります。


5408|LCFにPlatformを載せる

次が、

5408 Platform。

ここでFactory BODYの方向が決まります。

PlatformはPickupとは違います。

Pickup Boxのように固定された側面を持つCargo Boxではなく、荷物を載せるためのPlatformを主体とするBODYです。

MUDIMUでは、現代的な呼び方だけで「Flatbed」とまとめず、Period Chevroletが使ったPlatformという分類を優先します。

5403との違いは明確です。

5403はCab & Chassis。

5408はPlatform。

BODYがまだ決まっていないModelと、FactoryがPlatformという仕事BODYを与えたModelは別物です。


5409|Low Cab ForwardのStake Truck

さらに面白いのが、

5409。

Stake Truckです。

Platformを基礎に、Stake Sideを持つ仕事BODY。

3609で見た世界がLCFにも現れます。

5400 SERIES

5403
Cab & Chassis
     │
     ├── BODY BUILDERへ
     │
5408
Platform
     │
5409
Stake

この3 Modelを並べると、LCFを「Cabの形が変わったTruck」とだけ説明できない理由が分かります。

Cab architectureとRear BODY Variationが組み合わされている。


5408 vs 5409|囲わないBODYと、必要な範囲だけ囲うBODY

PlatformとStakeは似ています。

しかし同じではありません。

5408 Platformは、荷物を載せる平面を主体にする。

5409 Stakeは、そのPlatformへStake構造を加える。

つまりCargoの考え方が違います。

PickupはBoxで囲う。

Panelは完全に囲う。

Platformは大きく開く。

Stakeは開放性を残しながら荷物を保持する。

Commercial BODYは、

何をどこまで囲うか

という視点で見ると非常に分かりやすくなります。


3609と5409|同じStakeでもTruckそのものが違う

ここもMUDIMUらしい比較です。

3609 Stake Truck

と、

5409 Stake Truck。

どちらも末尾09。

どちらもStake。

しかし同じTruckではありません。

3609はConventional側。

5409はLow Cab Forward側。

つまり、

BODY TYPEが同じでもCab architectureが違う。

Stakeという言葉だけで一括りにすると、この違いが消えてしまいます。

同じBODY名 ≠ 同じBODY構成 ≠ 同じChassis。


5703|160.6インチまで伸びる

そして、

5703。

5700 SeriesのCab & Chassis。

Wheelbaseは、

160.6インチ。

5103より48インチ長い。

5403より24インチ長い。

Rear BodyをFactoryで固定せず、より長いChassisをBody Builderへ渡せるModelです。

ここまで来ると、LCFの目的がさらに分かりやすくなります。

Cabを前へ。

Chassisを後ろへ。

そして仕事に必要なBODYを載せる。

BODYを作るための空間を確保する設計です。


5103・5403・5703|24インチ刻みで見る

3台を並べると面白い。

5103   112.6"
       ├──────────────┤

5403   136.6"
       ├──────────────────┤

5703   160.6"
       ├────────────────────────┤

差はそれぞれ24インチ。

これを単なる数字として終わらせない。

Body Builderから見れば、Chassis lengthの違いは、

載せられるBODY。

Axleとの位置関係。

Weight distribution。

Overall length。

用途。

に関係してきます。

同じLCF Cabでも、後ろに作れる世界が変わるわけです。


BODY BUILDER|LCFでも二つのメーカーを見る

5103。

5403。

5703。

こうしたCab & Chassisから完成した現存車を調べるなら、Chevroletだけを見ても終わりません。

確認したいのは、

Chevrolet Model Number

Wheelbase

Chassis specification

そして、

Body Builder

です。

最終BODYを誰が作ったのか。

いつ作ったのか。

新車時からそのBODYだったのか。

後年載せ替えられたのか。

ここまで追います。


5408・5409ではFactory Modelを先に確認する

一方、現在PlatformやStake Bodyが載っているからといって、

「5408だ」

「5409だ」

と判断するのも危険です。

たとえば5403 Cab & Chassisへ、後からPlatform-type Bodyを架装した可能性があります。

あるいはPeriod Body BuilderによるStake Bodyかもしれない。

だから、

現在のBODY → Model Numberを推測

ではなく、

Model Number → Factory configuration → 現在のBODYを検証

の順です。


LOW CAB FORWARDのStyling

BODY研究が中心ですが、LCFのStylingも無視できません。

普通のTask Force Pickupとは、Cabの置かれ方そのものが違う。

長いHoodを見せるConventional Truckとは違い、前方にDriver compartmentが集約されます。

その結果、

「1956 Chevroletらしさ」は残っていても、プロポーションは完全に仕事車

になります。

これがLCFの魅力です。

華やかなBel Airとも違う。

Cameoとも違う。

しかし1956年のChevroletが「Work Styling」をCommercial Vehicleへどう落とし込んだかを見るには非常に面白い存在です。


街で働くChevroletを見る

MUDIMUでは、ここから巨大なHeavy-duty Model Numberを際限なく追いません。

1956 Chevroletには、さらに大きなCommercial Truck Seriesも存在します。

それ自体はFactory BODY MAPに記録します。

しかし主役にするのは、

Pickup。

Panel。

Suburban。

Platform。

Stake。

Delivery。

Forward Control。

そして今回の5100・5400・5700のようなLCF。

人が当時の街や道路、商店、農場、配送現場などで「働くChevrolet」として接した世界です。

大型Truckの型式を全部並べることが目的ではありません。


WORK STYLED|1956 ChevroletのCommercial思想

1956 Chevrolet Task ForceのFactory広告には、

WORK STYLED FOR EVERY HAULING JOB

という考え方が強く出ています。

これは単なる広告コピー以上に、今回追ってきたBODY Variationをよく表しています。

Pickup。

Panel。

Carryall Suburban。

Platform。

Stake。

Forward Control。

Cab & Chassis。

Cowl。

School Bus Chassis。

Low Cab Forward。

Chevroletは一台の万能Truckを作ったのではありません。

仕事ごとにChassisとBODYを変えた。


MUDIMU BODY MAP|LCFはこう整理する

1956 LCFの中心部分は、まずこう整理できます。

1956 CHEVROLET
LOW CAB FORWARD

5100 SERIES
└─ 5103 Cab & Chassis
   112.6"

5400 SERIES
├─ 5403 Cab & Chassis
├─ 5408 Platform
└─ 5409 Stake
   136.6"

5700 SERIES
└─ 5703 Cab & Chassis
   160.6"

これなら単なるSeries一覧ではありません。

Chassis length × Factory completion × BODY type

の関係が見えます。


5400 SERIESは独立して見る価値がある

今回調べた中で、特にMUDIMUらしいのは5400 Seriesです。

5403。

5408。

5409。

同じ136.6インチFamilyから、

BODYなし。

Platform。

Stake。

へ分かれる。

しかもConventional 3600側にも似た、

3603。

3608。

3609。

があります。

将来的には、

3600 Conventional vs 5400 Low Cab Forward

を同じ縮尺で比較すると非常に面白い資料になります。

【画像予定:3603/3608/3609と5403/5408/5409のBODY Family比較図】

これはMUDIMU独自図版にする価値があります。


現存LCFを見るときのCHECK

古い1956 Chevrolet LCFを見つけたら、まず次を確認します。

Series / Model Number

5103・5403・5408・5409・5703のどれか。

Wheelbase

112.6 / 136.6 / 160.6インチとの整合。

Factory configuration

Cab & Chassis / Platform / Stake。

Current Rear BODY

Factory BODYなのか、Body Builder BODYなのか。

Body Builder Plate

残っていれば重要資料。

Frame

延長・短縮・補強・BODY mountingの痕跡。

Commercial history

何の仕事に使われていたのか。

Paint / lettering

古いFleet nameや会社名が残っていないか。

Later conversion

Dump、Tow、Camperなど後年仕様とPeriod configurationを分離する。


古い仕事車は「きれいに直す」だけが価値ではない

LCFのようなCommercial Chevroletでは、古い会社名や塗装跡が残っている個体があります。

それを全部消してShow Truckにすることだけが正解とは限りません。

古いLettering。

Fleet color。

Body Builder plate。

荷台の補修跡。

仕事で付いた傷。

これらが、そのTruckがどこで何をしていたのかを示す証拠になることがあります。

BODYだけでなく、

使われ方そのものが資料

です。


MUDIMU VIEW|Pickupの隣にいたChevrolet

Low Cab Forwardは、Bel Airほど有名ではありません。

CameoほどCollector marketで語られることもない。

しかし1956 Chevroletの世界を理解するには面白い存在です。

なぜなら、

Chevroletが「車を格好よくする」だけでなく、「仕事に合わせて形を変える」ことにも本気だった

と分かるからです。

5103。

5403。

5408。

5409。

5703。

こういうModelを拾っていくと、1956年のChevroletが急に立体的になります。


CONCLUSION|LCFは巨大Truckの話ではなく、仕事のためにBODYを変えたChevyの話

1956 Chevrolet Low Cab Forward。

MUDIMUで中心に見るのは、

5103 — 112.6″ Cab & Chassis

5403 — 136.6″ Cab & Chassis

5408 — 136.6″ Platform

5409 — 136.6″ Stake

5703 — 160.6″ Cab & Chassis

です。

特に5400 Seriesは重要です。

同じ136.6インチFamilyから、

Cab & Chassis。

Platform。

Stake。

という異なる仕事BODYへ分かれる。

Low Cab Forwardは「変わった顔のChevrolet」ではない。
Cabを前へ動かし、その後ろを仕事のために使い切るChevroletだった。

大型Heavy-dutyまで一台ずつ追う必要はありません。

しかし、こうした街で働いていたChevroletは落とさない。

Pickupだけでもない。

乗用車だけでもない。

1956年の道路には、こんなChevyもいた。

それを残すのがMUDIMUです。

MUDIMU Research Note

A|5100・5400・5700 Series
1956 Chevrolet Truck Factory資料でSeriesの存在を確認。

B|5103・5403・5408・5409・5703のBODY classification
Period-derived model tables等で、5103/5403/5703=LCF Cab & Chassis、5408=Platform、5409=Stakeとして確認。Factory model-specific資料との照合を継続します。

B|Wheelbase
5100=112.6インチ、5400=136.6インチ、5700=160.6インチとして複数資料で整合。最終台帳ではFactory specification表を優先します。

重要|Forward Controlとの区別
3442・3542・3742 Forward Control Chassisと、5100・5400・5700 Low Cab Forwardを同一Familyとして扱いません。

重要|大型LCF
1956 Chevroletにはさらに大型のLCF系Seriesがあります。存在は1956 Truck全体図に残しますが、MUDIMUでは日常的なCommercial ChevroletのBODY研究を主役とし、全Heavy-duty Modelの個別記事化は行いません。

?|個々の現存車のRear BODY
Model Numberだけから現在のBODYがFactory originalだったとは判断しません。Body Builder資料・Plate・Period photographs等で個体ごとに確認します。

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この記事を書いた人

1959、1960、1962、1968年式Chevroletの所有経験を持つ。現在、当時のChevrolet資料をもとにBODY、COLOR、TRIMを中心とした日本語アーカイブを構築中。

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