1956 Chevrolet No.07
1956 ChevroletのStation Wagonには6種類のBODYがありました。
そのうち半分。
3種類が2-Door Wagonです。
150 Handyman。
210 Handyman。
Bel Air Nomad。
現代の感覚では、Station Wagonといえば4枚ドアが当たり前です。
ところが1956年のChevroletでは、2-Door Wagonが一つの特殊仕様として存在したわけではありません。
150、210、Bel Airという三つのSeriesに、それぞれ2-Door Wagonが存在した。
しかも3台は同じ車ではありません。
「1956 Chevy 2-Door Wagon」という一言の中に、3種類のまったく違うChevroletがいる。
今回はこの3台を横に並べます。
THREE 2-DOOR WAGONS|まず3台を確認する
1956 Chevroletの2-Door Station Wagonは次の3台です。
| Series | Model | Model No. | Fisher Style | Door | Passenger |
|---|---|---|---|---|---|
| 150 | Handyman | 1529 | 1263F | 2 | 6 |
| 210 | Handyman | 2129 | 1063F | 2 | 6 |
| Bel Air | Nomad | 2429 | 1064DF | 2 | 6 |
面白いのは、
全部2-Door。
全部6-Passenger。
全部Station Wagon。
それでもFactoryは三つのModelとして明確に分けています。
ここから1956 ChevroletのBODY研究が始まります。
HANDYMAN|同じ名前が二つある
まずHandyman。
1956 Chevroletには、
150 Handyman
と、
210 Handyman
があります。
ここで最初の注意点です。
中古車広告やAuction Listingで、
1956 Chevrolet Handyman
とだけ書かれていても、それだけでは完全なIdentificationになりません。
150なのか。
210なのか。
確認する必要があります。
なぜならModel NumberもFisher Styleも違うからです。
150 HANDYMAN|1529 / 1263F
150 Seriesに設定された2-Door Wagon。
Model 1529。
Fisher Style、
1263F。
6-Passenger Station Wagonです。
150は1956 Chevrolet Passenger Lineの実用側を担当したSeries。
その中に2-Door Wagonが用意されていました。
ここが重要です。
Nomadのような特別なStylingを狙った車だけが2-Door Wagonだったわけではありません。
Chevroletは実用Seriesにも2-Door Wagonを置いていた。
つまり1956年当時、
2-Door WagonというBODYそのものが成立していました。
210 HANDYMAN|2129 / 1063F
その上に位置する210 SeriesにもHandymanがあります。
Model 2129。
Fisher Style、
1063F。
こちらも、
2-Door。
6-Passenger。
Station Wagon。
基本条件だけを見ると150 Handymanと非常によく似ています。
しかしFactory Identificationでは別です。
150:
1529 / 1263F
210:
2129 / 1063F
となります。
1263F vs 1063F|Handymanは一種類ではない
ここはMUDIMUとして非常に重要です。
1263F
と、
1063F。
どちらもHandyman。
どちらも2-Door Wagon。
数字まで似ています。
だからこそ混同しやすい。
しかし、
名前が同じだから同じBODYとは判断しない。
Series。
Model Number。
Fisher Style。
Exterior Trim。
Interior Trim。
この順に確認します。
No.08とNo.09では、この二台をそれぞれ独立して研究します。
NOMAD|2429 / 1064DF
3台目が、
Bel Air Nomad。
Model、
2429。
Fisher Style、
1064DF。
2-Door。
6-Passenger。
Station Wagonです。
1955年に登場したNomadは1956年にも継続。
ただしHandymanとはBODY Characterが明確に違います。
Nomadには独特のRoof LineとRear Body Stylingがあります。
特に斜めに処理されたB-Pillar周辺やRear Quarterは、一般的なChevrolet Wagonとは違う印象を作っています。
これがNomadをSpecialty Wagonとして際立たせています。
1063F vs 1064DF|一文字違いでは済まない
210 Handymanは、
1063F。
Nomadは、
1064DF。
数字だけを見ると近い。
でも実車を見れば、同じBODYではないことが分かります。
Roof。
Side Glass。
B-Pillar。
Rear Quarter。
Exterior Trim。
これらの構成が違います。
BODY Codeは単なる管理番号ではありません。
「似た年代の2-Door Wagon」をFactoryがどう区別していたかを見る入口になります。
THREE LEVELS|実用からSpecialtyまで
3台を性格で並べてみます。
150 Handyman
実用Series × 2-Door Wagon
もっともSimpleな方向。
210 Handyman
Middle Series × 2-Door Wagon
実用Wagonでありながら150より上のSeries。
Bel Air Nomad
Luxury Series × Specialty 2-Door Wagon
Stylingを強く打ち出した特別なWagon。
つまりChevroletは、
一つの2-Door WagonをTrimだけ変えて売っていた
と考えるより、
2-Door Wagonという考え方をSeriesごとに展開していた
と見る方が1956年のLineupを理解しやすくなります。
WHY 2 DOORS?|Wagonなのになぜ2枚ドアなのか
ここが現代から見ると一番面白いところです。
Wagonなのに2枚ドア。
荷物を積む。
家族も乗る。
後席もある。
それなら4-Doorの方が便利に思えます。
実際、1956 ChevroletにはTownsmanやBeauvilleという4-Door Wagonもあります。
それでもHandymanは2-Doorでした。
つまり2-Door Wagonは、NomadだけのStyling上の奇策ではありません。
実用BODYとしても商品として成立していた。
これは現代のStation Wagonから1950年代のWagonを見ると、かなり新鮮です。
HANDYMAN vs TOWNSMAN|実用Wagonにも選択肢があった
210 Seriesを見ると、その違いがよく分かります。
2-Doorが、
Handyman。
4-Doorが、
Townsman。
さらに9-Passenger 4-Doorが、
Beauville。
つまり210を買う人は、
「Wagonにする」
だけでは終わりません。
2枚ドアにするか。
4枚ドアにするか。
6人乗りにするか。
9人乗りにするか。
用途に合わせてBODYそのものを選べた。
これは現在のTrim Level選びとは少し違います。
HANDYMAN vs NOMAD|同じ2-Doorでも思想が違う
そして一番面白い比較。
Handyman vs Nomad。
どちらも、
2-Door。
6-Passenger。
Chevrolet Station Wagon。
でも方向はまるで違います。
Handymanは、
Wagonとしての実用性から2-Door BODYを見る車。
Nomadは、
StylingからWagonを再解釈した車。
この違いがあります。
Nomadだけを見ると、
「1950年代の2-Door Wagonは格好良さのため」
と思ってしまうかもしれません。
Handymanを見ると、その理解がひっくり返ります。
2-Door WagonはSpecialty Carになる前から、実用車として成立していた。
ここが今回の記事で一番残したいポイントです。
SIDE GLASS|横から見ると違いが分かる
3台を比較するとき、MUDIMUではFrontだけを見ません。
むしろ重要なのは、
Side View。
特に、
Roof Line。
Door。
B-Pillar。
Rear Side Glass。
Rear Quarter。
Tailgate周辺。
ここを見ると、HandymanとNomadの性格の違いがよく分かります。
【画像予定:150 Handyman / 210 Handyman / NomadのSide View 3台比較】
この比較画像はMUDIMUにとってかなり重要な資料になります。
REAR BODY|後ろ半分を見る
Classic ChevroletはFront Stylingが注目されがちです。
1956年なら独特のGrilleやParking Lamp周辺が有名です。
でもWagon研究では、
後ろ半分の方が重要です。
Passenger CarのFront Sheet Metalを共有していても、WagonはRoof後端、Quarter、Glass、Tailgate、Cargo Areaによって性格が変わります。
特にNomadとHandymanの違いはRear Bodyを見ることで明確になります。
MUDIMUのWagon記事では、今後Rear ViewとSide Viewを積極的に資料化します。
TRIM|後年の改造に注意する
150 Handymanと210 Handymanを現在の実車で見分ける場合、Exterior Trimは重要な手掛かりになります。
しかし同時に危険でもあります。
70年近く経っています。
ChromeやMoldingが追加された。
Bel Air風に変更された。
Trimが欠落した。
Interiorが交換された。
こうした車は当然あります。
だから、
「Chromeが多いから210」
だけでは確定しません。
Cowl Tag。
Model。
Fisher Style。
Period Specification。
これらと合わせて判断します。
ORIGINAL OR MODIFIED?|2-Door Wagonは改造ベースにもなる
Handyman系はCustom Carとして扱われてきた個体も多く、現在残る車がFactory Originalの姿とは限りません。
Engine Swap。
Suspension。
Wheel。
Interior。
Exterior Trim。
Paint。
さまざまな変更が考えられます。
MUDIMUではCustomを否定しません。
格好いいCustomは格好いい。
ただし図鑑では、
Factory Originalだった部分
と、
後から変更された部分
を分けます。
これはAUTO LABOで実車を見るときにも、そのまま使える考え方です。
COLOR|同じBODYでも印象が大きく変わる
1956 ChevroletはTwo-Tone Colorも大きな魅力です。
そしてWagonでは長いSide Bodyがあるため、Paint Layoutによって印象がかなり変わります。
ただし現在の写真を見て、
「この配色がFactory Colorだった」
とは判断しません。
Official Paint Name。
Paint Code。
Two-Tone Combination。
BODY適用。
Period Paint Chart。
これらをNo.28とNo.29で照合します。
3台の2-Door Wagonについても、最終的には、
BODY × COLOR × TRIM
までつなげます。
PRODUCTION|3台はどれくらい作られたのか
Production資料の一系統では1956年について、
150 Handyman — 13,487
210 Handyman — 22,038
Bel Air Nomad — 7,886
という数字が記録されています。
この数字だけを見ると、3台の中では210 Handymanが最も多く、Nomadが最も少ないことになります。
ここが面白い。
現在もっとも有名なのはNomadです。
しかし当時はHandymanも相当数が作られていました。
Collector Marketでの知名度と、新車当時の存在感は同じではない。
Production NumberについてはNo.32で複数資料を照合して確定度を上げます。
NOMAD IS NOT EVERYTHING|有名車だけでは歴史が歪む
1956 Chevrolet 2-Door Wagonを検索すると、どうしてもNomadが中心になります。
それ自体は当然です。
Nomadは歴史的にもStyling的にも重要な車です。
しかし、それだけを残すと1956年のChevrolet像が変わってしまいます。
当時には、
150 Handymanがいた。
210 Handymanもいた。
そしてNomadがいた。
この3台が同時にCatalogへ存在していた。
そこまで残して初めて、
1956 Chevrolet 2-Door Wagon
という歴史になります。
BODY MAP|3台をもう一度整理する
最後にBODYだけで整理します。
1529 / 1263F
150 Handyman
2-Door
6-Passenger
Station Wagon
2129 / 1063F
210 Handyman
2-Door
6-Passenger
Station Wagon
2429 / 1064DF
Bel Air Nomad
2-Door
6-Passenger
Station Wagon
同じ条件が並びます。
しかしSeriesもBODY Codeも違う。
これが1956 Chevroletです。
MUDIMU VIEW|むしろHandymanを残したい
Nomadはこれからも残ります。
本もある。
記事もある。
Collectorも多い。
名前も有名です。
では、150 Handymanや210 Handymanはどうでしょう。
「そんなChevroletもあったのか」
で終わってしまいやすい。
だからMUDIMUは、むしろここを拾います。
有名な一台だけを詳しくするのではなく、カタログの隅にいたBODYまで同じ図鑑に残す。
これがMUDIMUのBODY Archiveです。
そして個人的に一台選ぶなら、やはり、
210 Handyman。
普通のWagonなのに2-Door。
この少し変なところがいい。
CONCLUSION|1956年には3種類の2-Door Wagonがあった
1956 Chevroletには、
150 Handyman
210 Handyman
Bel Air Nomad
という3種類の2-Door Station Wagonが存在しました。
すべて6-Passenger。
しかし、
1263F。
1063F。
1064DF。
Factoryはそれぞれを別のBODYとして管理しています。
NomadはSpecialty Wagon。
Handymanは実用Wagon。
そしてHandyman自体も150と210に分かれる。
だから、
1956 Chevy 2-Door Wagon
という一言では足りません。
1956 Chevroletでは、2-Door Wagonは珍しい一台ではなく、一つのBODY Categoryとして成立していた。
ここを押さえると、Nomadの見え方まで変わります。
次から、その3台をさらに分解します。
まずは一番実用側にいる、
08|1956 Chevrolet 150 Handyman — 1263Fです。

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