1955 Chevrolet 210 Handyman|1063F、もう一台の2ドアワゴン

第9回|1955 Chevrolet 210 Handyman

目次

同じHandymanでも、同じ一台ではない

1955 Chevrolet 210 Handyman|1063F、もう一台の2ドアワゴン

基本データ

項目内容
SeriesTwo-Ten / 210
Model2129
Fisher Style55-1063F
Body2-Door Station Wagon
NameHandyman
Seating6 passenger
Wheelbase115 in
Rear BodyUpper Liftgate + Lower Tailgate

この記事の核心はこれです。

150 Handymanと210 Handymanは、名前まで同じだった。だからこそ、Series名ではなくBODYとTrimを見なければ違いが分からない。

INTRODUCTION|Handymanは一台ではない

「1955 Chevrolet Handyman」。

この名前だけを見て、一台のChevroletを想像すると間違える。

1955年には少なくとも、

150 Handyman — Model 1529 / 55-1263F

そして、

210 Handyman — Model 2129 / 55-1063F

という2台のHandymanが存在しました。

どちらも2-Door Station Wagon。

どちらも6人乗り。

外観も非常によく似ています。

しかしChevroletは、この2台を別のSeriesとして販売していました。

第9回では、その210側のHandymanを見ていきます。


1063F|210 Handymanの正体

210 HandymanのModel Numberは2129

Fisher Styleは55-1063F

ここで注目したいのが「63F」です。

150 Handymanは1263F

210 Handymanは1063F

Fisher資料では、この2つがRear QuarterやRear Floorなどでまとめて扱われる箇所があります。

つまり、まったく無関係な2台ではない。

1263Fと1063Fには、基本的なWagon BODY構造に強い共通性がある。

ただし、ここから「完全に同じbody shell」とまでは断定しません。

MUDIMUでは、確認できたところまでを事実として残します。


BODY|210になっても2ドアWagonは変わらない

1063F最大の魅力も、やはり2-Door WagonというBODYです。

長いRoof。

大きなRear Quarter Glass。

2枚のSide Door。

長く残されたRear Quarter Panel。

4-Door WagonではDoorになる場所が、2-Door WagonではBODYとして残る。

この横から見たプロポーションが、Handymanの魅力です。

そして1955 Chevroletでは、この実用的な2-Door Wagonを150だけでなく210でも選べた

ここが面白い。


150 vs 210|何が違ったのか

ここが第9回の中心です。

BODYの基本構造だけを見ると、1263Fと1063Fには強い共通性があります。

しかしSeriesが違う。

150はOne-Fifty。

210はTwo-Ten。

Fisher Service資料では、1063Fには210 SeriesとしてのExterior Moldingが確認できます。

つまり210 Handymanでは、同じ実用Wagon BODYに対して、外装の仕立てを一段変えている。

ここで大切なのは、

210 Handymanを「150 Handymanにモールを付けただけ」と片付けないこと。

Exteriorだけでなく、Trim、Colorの適用、Seriesとしての商品上の位置づけまで比較する必要があります。


EXTERIOR MOLDING|BODYの上にSeriesを作る

150 Handymanを見ると、BODY面そのものが強く見える。

一方210 Handymanには、Two-TenとしてのBrightworkが加わります。

これによって同じような2-Door Wagonでも印象が変わる。

ここは1955 Chevroletを理解するうえで重要です。

ChevroletはBODYだけを作って終わりではない。

そのBODYに、

Series

Molding

Paint

Trim

を重ねることで、異なる商品を作っていた。

1063Fは、その仕組みが非常によく分かる一台です。


REAR BODY|Handymanとしての実用構造

210 Handymanも、後部はWagonとして作られています。

Upper Liftgate

Lower Tailgate

というRear Opening。

Rear SeatをFold-AwayすることでCargo Spaceを拡張できる。

Handyman系資料では、Seatを収納することでCargo Floorが約10.7インチ延びる構成が確認できます。

Wheelhouse間は約49.4インチ

これは単なるStylingではありません。

HandymanのBODYは、人と荷物を一台で運ぶために作られている。


HANDYMAN vs TOWNSMAN|210には2種類のWagonがあった

210 SeriesのWagonはHandymanだけではありません。

もう一台あります。

Townsman — Model 2109 / Fisher Style 55-1062F

です。

整理すると、

ModelFisher StyleDoorsName
21291063F2Handyman
21091062F4Townsman

つまり210では、

2-Door=Handyman

4-Door=Townsman

というWagonの選択肢が用意されていました。

ここで単にDoorを2枚増やしただけと考えるのではなく、63Fと62FというBODY familyの違いを見る必要があります。

TownsmanについてはNo.10で単独研究します。


HANDYMAN vs NOMAD|同じ2ドアでも別BODY

もう一つ比較しなければならないのがNomadです。

210 Handyman:

55-1063F

Bel Air Nomad:

55-1064DF

どちらも2-Door Station Wagon。

しかしFisher資料を追うとNomadにはDoor、Rear Quarter、Headlining、Rear Floorなど専用構成が確認できます。

つまり、

1063F ≠ 1064DF

です。

2ドアであることと、同じBODYであることは別問題。

この一文はMUDIMUのBODY研究で何度も重要になります。


COLOR & TRIM|210としてのHandyman

1955年のTrim資料では、1063Fを含む63F系に、

514 — Light Blue / Beige Imitation Leather

515 — Dark Green / Light Green Imitation Leather

516 — Brown / Beige Imitation Leather

などの適用が確認できます。

Colorについても、63F系へのTwo-Tone Combinationが複数確認できます。

たとえば、

599 — Sea Mist Green / Neptune Green

610 — Glacier Blue / Skyline Blue

682 — India Ivory / Cashmere Blue

などです。

ただし、Paint Codeだけから塗り分け位置を推測しません。

BODYごとの正確なPaint LayoutはNo.20・21で別途整理します。


PRICE|150 Handymanとの差は49ドル

現在確認しているI6価格資料では、

150 Handyman — $2,030

210 Handyman — $2,079

差は、

$49

です。

これは非常に面白い数字です。

一方、

210 2-Door Sedan — $1,775

に対して、

210 Handyman — $2,079

その差は**$304**。

つまり、

Seriesを150から210へ上げる差より、SedanからWagon BODYを選ぶ差の方が圧倒的に大きかった。

ここでも、1955 Chevroletは「グレード」だけを見ていては理解できません。

BODYが価格を大きく動かしていた。


PRODUCTION|数字はまだ確定させない

210 HandymanのProduction Numberにも資料差があります。

現在の主要候補は、

28,918

29,419

です。

約500台の差があります。

MUDIMUでは一方を「正解」として転載せず、

28,918 / 29,419 — source conflict

として記録します。

最終的には、各資料が何をProductionとして数えているのかまで確認して判断します。


COWL TAG|1063Fを探す

実車を見るときにはCowl Tagが重要です。

注目するのは、

STYLE 55-1063F

という表記。

これが210 Handyman BODYを特定する重要な入口になります。

そこから、

TRIM

PAINT

を読み、

BODY → Interior → Factory Color

へ進む。

MUDIMUでは最終的に、写真だけで「これは210 Handymanだろう」と判断するのではなく、車体側の情報と当時資料を照合できる図鑑にしていきます。


WHY 210 HANDYMAN|一番ちょうどいいHandyman

150 Handymanには、装飾の少なさゆえの格好よさがある。

Nomadには、専用BODYを与えられた特別さがある。

その間に210 Handymanがいる。

しかし「中間だから地味」ではありません。

普通に使える2-Door Wagon。

150より少し華やかなTwo-Tenの仕立て。

そしてNomadとは違う63F系の実用BODY。

1955 Chevroletの2ドアWagonを一台だけの物語にしない。

1263Fがあり、

1063Fがあり、

1064DFがある。

その違いを一台ずつ残してこそ、CHEVY図鑑になります。

1955 Chevrolet 210 Handyman

同じHandymanでも、同じ一台ではない。


MUDIMU Research Note

Model 2129 / Fisher Style 55-1063F

1263Fとの基本BODY構造にはFisher資料上で強い共通性が確認できますが、「完全に同一のbody shell」とするには追加のParts資料確認を継続します。

Productionは28,918 / 29,419の資料差を保留。

ColorについてもPaint Combinationの適用と実際の塗り分けを分離して記録します。

分からない部分を埋めない。それもMUDIMUの資料作りです。

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この記事を書いた人

1959、1960、1962、1968年式Chevroletの所有経験を持つ。現在、当時のChevrolet資料をもとにBODY、COLOR、TRIMを中心とした日本語アーカイブを構築中。

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