1955年のChevroletと聞いて、何を思い浮かべるだろう。
Bel Air。
Nomad。
Corvette。
あるいは、新しく登場したV8。
どれも間違いではない。
しかし、1955 Chevroletを調べていくと、それだけではこの年の面白さを説明できないことが分かってくる。
廉価シリーズの150には、普通の2-Door Sedanだけでなく、後席部分を荷物のために使うUtility Sedanがあった。
WagonにはHandyman、Townsman、Beauville、Nomadがあり、2ドアと4ドア、150からBel Airまで異なる役割が与えられていた。
210には、一見すると普通の2-Door Sedanによく似たDelray Club Coupeがあり、その一方には柱のないSport Coupeも存在した。
さらにSedan Delivery、Corvette、Pickup、Panel、Suburban、Cameo Carrierまで視野を広げると、1955年という一年だけで、驚くほど多様なChevroletが存在していたことが見えてくる。
1955年は、新しいChevroletが一台登場した年ではない。
Chevroletというブランド全体が、新しい時代へ動き始めた年だった。
THE HOT ONE|1955年、Chevroletは変わった
1955 Chevroletを語るとき、「The Hot One」という言葉は外せない。
1955年型ではスタイリングが大きく刷新され、Chevroletはそれまでとは違う、低く、長く、若々しいイメージを強く打ち出していった。
そして機械面では、後のChevroletを語るうえで極めて重要になるSmall Block V8が登場する。
だが、MUDIMUが1955年に注目する理由は、V8だけではない。
面白いのは、その新しい時代のChevroletが一種類ではなかったことだ。
Sedanがある。
Hardtopがある。
Convertibleがある。
Wagonがある。
荷物を運ぶためのChevroletもある。
スポーツカーもPickupもある。
1955年のChevroletを一台の有名車だけで理解しようとすると、この巨大な広がりを見落としてしまう。
THREE SERIES|150・210・Bel Air
1955年の乗用Chevroletを見るとき、まず基本になるのが3つのSeriesだ。
One-Fifty(150)
Two-Ten(210)
Bel Air
150は比較的簡素で実用性を重視したシリーズ。
210はその中間。
Bel Airは豪華な装備や外装を持つ上級シリーズとして位置づけられていた。
ここまでは分かりやすい。
しかしMUDIMUでは、ここから先を見たい。
150・210・Bel AirというSeries名だけでは、1955 Chevroletの姿は分からない。
同じSeriesの中にも複数のBODYが存在し、さらに似たBODYでも用途やTrimによって別のモデルとして設定されているからだ。
だからMUDIMUでは、SeriesとBODYの両方から1955 Chevroletを追っていく。

BODY VARIATIONS|1955 ChevroletをBODYから見る
ここから一気に面白くなる。
たとえば2ドアだけを見ても、すべて同じではない。
普通の2-Door Sedanがある。
Utility Sedanがある。
Delray Club Coupeがある。
柱のないSport Coupeがある。
2-Door Wagonもある。
そしてNomadもある。
見た目が似ていても、ChevroletやFisher Bodyの資料を追っていくと、それぞれにModel NumberやStyle Numberが与えられている。
たとえば、
150 2-Door Sedanは 1211。
150 Utility Sedanは 1211B。
150 Handymanは 1263F。
210 Delray Club Coupeは 1011A。
210 Sport Coupeは 1037。
Bel Air Sport Coupeは 1037D。
Nomadは 1064DF。
こうして番号まで追っていくと、「1955年のシェビィ」という一言の裏側に巨大なBODY体系が存在していたことが分かる。
MUDIMUでは、この全体像を別記事の**「1955 Chevrolet BODY MAP」**で詳しく整理する。

WAGON|Nomadだけではない
1955 Chevrolet Wagonというと、Nomadが圧倒的に有名だ。
もちろんNomadは重要である。
だが、Nomadだけを見て1955 Chevrolet Wagonを理解したことにはしたくない。
1955年には、
150 Handyman — 2-Door
210 Handyman — 2-Door
210 Townsman — 4-Door
Bel Air Beauville — 4-Door
Bel Air Nomad — 2-Door
というWagonの世界が存在していた。
ここで特にMUDIMUが面白いと思っているのが、2-Door Handymanだ。
Nomadのような華やかな存在ではない。
むしろ普通のWagonに近い。
しかし、大きなリアクォーター、長い屋根、2枚のサイドドア、そして荷物を積むためのBODY。
Nomadではない。だからいい。
こういうChevroletも、MUDIMUでは主役として扱う。

WORKING CHEVY|働くために作られたChevrolet
1955 Chevroletには、人を快適に運ぶためだけではないBODYもあった。
その一つが150 Utility Sedanだ。
Fisher Styleは55-1211B。
外見だけを見れば普通の2-Door Sedanにかなり近い。
しかし後席部分は通常の乗用Sedanとは違い、荷物を運ぶことを意識した構成になっていた。
さらにSedan Deliveryがある。
こちらは55-1271。
後部側面を窓ではなくパネルとし、後ろを本格的な荷室として使うためのChevroletだ。
つまり「荷物を運ぶChevy」だけを見ても、一種類ではない。
Utility Sedan。
Sedan Delivery。
Wagon。
そしてTruck。
用途が違えば、BODYも変わる。
MUDIMUがBODY Variationを深く調べたい理由がここにある。

CORVETTE|もう一つの1955 Chevrolet
そして1955年にはCorvetteがいる。
Corvetteは150・210・Bel Airと同じBODY体系に入れるべき車ではない。
2座Roadsterとして独立した存在だ。
1955年は、1953年から続いた初期CorvetteのBODYにとって最後の年でもあり、同時にV8が加わった重要な年でもある。
生産台数は700台。
大量に作られた1955 Chevrolet Passenger Carとはまったく違う世界だ。
それでも同じ1955年のChevroletである。
だからMUDIMUではCorvetteも別系統としてBODY MAPに残す。

COLOR & TRIM|BODYだけでは1955年にならない
MUDIMUではBODYを最重要テーマの一つとして追う。
しかし、形だけでは一台のChevroletは完成しない。
もう二つ重要なのが、
COLOR
そして
TRIM
だ。
1955 Chevroletには多数のFactory Colorが設定され、Solid ColorだけでなくTwo-Toneも重要な要素だった。
さらにBODYやSeriesによって選択できる組み合わせも違う。
Interior Trimも同様だ。
たとえば普通の210 2-Door SedanとDelray Club CoupeはBODYの基本的な姿がよく似ている。
ところがDelrayには専用のInterior Trimが設定されていた。
だから、
BODY × COLOR × TRIM
この3つを合わせて見ていく。
現存車が赤く塗られているから「1955年の純正赤」と判断するようなことはしない。
当時のPaint Code、Trim Number、適用BODYまで資料から確認する。
それがMUDIMUの1955 Chevrolet図鑑だ。
PRICE & PRODUCTION|BODYには値段が付いていた
Original Priceを並べてみると、さらに面白いことが見えてくる。
Seriesの違いだけが価格を決めていたわけではない。
BODYそのものにも大きな価格差があった。
たとえば150の2-Door SedanからHandymanへ移ると、価格は大きく上がる。
210の通常の2-Door SedanとDelrayにも価格差がある。
同じWagonでもHandyman、Townsman、Beauville、Nomadでは価格が違う。
特にNomadは明確に特別な位置にいた。
つまり当時の購入者は、
「150にするかBel Airにするか」
だけを選んでいたのではない。
どんなBODYでChevroletに乗るか。
そこにもお金を払っていたのである。
Production Numberについては注意が必要だ。
1955年のBODY別生産台数は、現在確認できる資料間で数字が一致しないモデルが複数存在する。
MUDIMUでは、数字を一つ選んで「正解」とするのではなく、資料ごとの数字と食い違い自体を記録していく。
TRUCK|Pickupも1955年に変わった
1955 ChevroletをPassenger Carだけで終わらせてはいけない。
Truckがある。
しかも1955年は、Chevrolet Truckにとって非常に面白い年だ。
同じ1955 model yearの中に、
1st Series
そして新しい
2nd Series / Task Force
が存在する。
つまりTruckでも世代交代が起きていた。
Pickup。
Long Pickup。
Panel。
Suburban Carryall。
そしてCameo Carrier。
1955 ChevroletのBODY研究をするなら、ここまで追いたい。

NOMAD & CAMEO|実用BODYを格好よくする
1955年のChevroletを調べていて、非常に面白い組み合わせがある。
NomadとCameo Carrierだ。
一方はWagon。
もう一方はPickup。
まったく用途の違う二台である。
Nomadは、単なる荷物も積めるWagonとしてだけではなく、強いスタイリングを持った特別なChevroletになった。
Cameo Carrierもまた、Pickupという実用車に特別な外観を与えた。
後年一般化するFleetside Pickupとは区別しなければならないが、Cameoは従来のPickupとは違う滑らかなサイドの見え方を作り出していた。
ここには1955年のChevroletに共通する一つの面白さが見える。
実用BODYそのものを、欲しくなるデザインへ変える。
1955年にNomadとCameo Carrierが存在したことは、偶然として片づけるには面白すぎる。
この二台についても、MUDIMUでは独立して比較する。
1955 CHEVROLET|一台の名車ではなく、一つの世界だった
1955 ChevroletをBel Air一台で覚えるのは簡単だ。
でも、その後ろには150がいる。
210がいる。
Handymanがいる。
Townsmanがいる。
Beauvilleがいる。
Utility Sedanがいる。
Sedan Deliveryがいる。
Nomadもいる。
Corvetteもいる。
そしてPickup、Panel、Suburban、Cameo Carrierまでいる。
1955 Chevroletの面白さは、一台の名車ではなく、この異常なほど豊かなBODYの広がりにある。
有名だから大きく扱うのではない。
カタログの隅に載っていた一台でも、そこにChevroletが作ったBODYがあるなら追う。
それがMUDIMUのCHEVY図鑑だ。
次は「1955 Chevrolet BODY MAP」で、この巨大な1955年のBODY体系を一枚の地図として整理していく。
MUDIMU Research Note
本記事は1955 Chevrolet 第1版の親記事です。
1955年については、BODY、Factory Color、Interior Trim、Original Price、Production Number、Truckをそれぞれ独立して調査します。
資料間で数字や表記が一致しない項目については、無理に一つへ統一せず、追加の一次資料確認に合わせて記事を更新していきます。


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