1955 Chevrolet Bel Air Sport Coupe|1037D、名車をBODYから徹底研究

第17回|1955 Chevrolet Bel Air Sport Coupe

目次

1037D、1955年を象徴したHardtopをBODYから読む

1955 Chevrolet Bel Air Sport Coupe|1037D、名車をBODYから徹底研究

基本データ

項目内容
SeriesBel Air / 2400
Model2454
Fisher Style55-1037D
Official NameSport Coupe
Body Style2-Door Hardtop
B-Pillarなし
Seating6 passenger
RearTrunk
Wheelbase115 in
I6 Price$2,067
V8 Price$2,166
Production185,562 / 189,269 資料差

今回の核心です。

1955 Bel Air Sport Coupeが特別なのは、Bel Airという名前だけではない。1037DというPillarless Hardtop BODYを持っていた。


INTRODUCTION|有名すぎる1955 Chevrolet

1955 Chevroletと聞いて、この形を思い浮かべる人は多いでしょう。

低く見えるRoof。

B-PillarのないSide Opening。

Chrome。

Two-Tone。

そしてBel Airの華やかなTrim。

いわゆる1955 Chevroletを象徴する姿です。

しかしMUDIMUでは、ここで止まりません。

エンブレムを外して考えます。

Chromeもいったん忘れます。

すると残るのが、

Model 2454

そして、

Fisher Style 55-1037D

です。

この番号からBel Air Sport Coupeをもう一度見てみます。


1037D|Bel Air Hardtopの正体

Bel Air Sport CoupeのFisher Styleは、

55-1037D

です。

前回研究した210 Sport Coupeは、

55-1037

でした。

並べると、

1037

210 Sport Coupe

1037D

Bel Air Sport Coupe

ここで見えてくるのが、

37 BODY FAMILY

です。

Seriesは違う。

Trimも違う。

価格も違う。

しかしBODYを追うと、210とBel AirのHardtopには非常に強い関係がある。

これがSeries名だけでChevroletを分類すると見えにくくなる部分です。


PILLARLESS HARDTOP|何が違ったのか

Bel Air Sport CoupeにはB-Pillarがありません。

Front Door Glass。

Rear Quarter Glass。

その間に固定された柱がない。

Glassを下げれば、Side Openingが大きくつながって見えます。

普通のBel Air 2-Door Sedan、

1011D

にはB-Pillarがあります。

Sport Coupe、

1037D

にはない。

つまり、

Bel Air 2-Door SedanとBel Air Sport Coupeは、同じ2ドアBel AirでもBODYが違う。

ここは外観Trimの違いより先に理解したい部分です。


1011D vs 1037D|2種類のBel Air 2ドア

1955 Bel Airには、少なくともこの2つのClosed 2-Doorがあります。

2-Door SedanSport Coupe
Model24022454
Fisher Style1011D1037D
Doors22
B-Pillarありなし
BodyPost SedanHardtop
Seating66

どちらもBel Air。

どちらも2ドア。

どちらも6人乗り。

それでもBODYは同じではありません。

「1955 Bel Air 2-Door」だけでは車を特定できない。

MUDIMUでは必ずBODY Styleまで確認します。


1037 vs 1037D|210との違い

さらに面白いのが210 Sport Coupeとの比較です。

210 Sport Coupe

Model 2154
Fisher Style 1037

Bel Air Sport Coupe

Model 2454
Fisher Style 1037D

どちらもPillarless 2-Door Hardtop。

ここでは、

BODY FAMILYの共通性

と、

Seriesによる仕様差

を分けて考える必要があります。

Bel AirになることでExterior Molding、Interior、装飾、仕上げなどが上級化する。

しかしBODYそのものについては37 FAMILYとして強い関連がある。

だから、

Bel Air Sport Coupeを理解するには、210 Sport Coupeを無視してはいけない。

1037Dだけを単独で見るより、1037と並べた方が1955 Chevroletの設計思想が見えてきます。


NOT THE ONLY HARDTOP|Bel Airだけではなかった

現在の1955 Chevroletのイメージでは、Hardtop=Bel Airと思われやすい。

しかし前回確認した通り、210にもSport Coupeが存在しました。

しかも、

1037

というFisher Styleを持つ本物のPillarless Hardtopです。

したがって、

「1955 ChevroletのHardtop=Bel Air」ではない。

正しくは、

210 Sport Coupe 1037

Bel Air Sport Coupe 1037D

が存在した。

ここはMUDIMU BODY MAPで必ず残したい事実です。


TRIM|1037Dには専用Interiorがある

Bel Air Sport CoupeではInteriorも重要です。

現在整理している1955 Trim資料では、1037D向けとして、

519 — Beige Pattern / Light Blue

520 — Beige Pattern / Light Green

521 — Beige Pattern / Red

522 — Beige Pattern / Turquoise

さらに、

532 — Gray Pattern / Coral

550 — Gray Pattern / Ivory

などが確認できます。

ここで重要なのは色数だけではありません。

BODY StyleごとにInterior Trimの適用が管理されている。

つまり「1955 Bel Airの内装」と一括りにするのでは足りない。

1037Dに何が設定されたか

まで見る必要があります。


COLOR|Hardtopだから面白いTwo-Tone

1955 Bel Air Sport CoupeではCOLORも大きな研究テーマになります。

1955 ChevroletにはSolid Colorだけでなく、多数のTwo-Tone Combinationが存在しました。

さらに当時資料では、Bel Air Sport CoupeとConvertibleに対して、通常とは異なる塗り分けを持つSpecial Two-Toneが設定されたことを示す情報があります。

このSpecial Two-Toneでは、Upper ColorがRoofだけで終わらず、Rear DeckやUpper/Rear Quarter側へ展開する特徴が確認されています。

ここで注意します。

MUDIMUでは現段階で、1955年のこの塗り分けを安易に、

「Speedline Two-Tone」

とは呼びません。

この名称は1956年側との混同の可能性があるためです。

1955年については、

Special Two-Tone

として整理し、一次資料で正式呼称を追います。


PAINT TAG|Sは何を意味するのか

1955 Convertibleなどの現存Cowl Tagでは、

612S

615S

629S

といったPaint Code末尾の「S」が確認されています。

これがSpecial Two-Tone Layoutを示す可能性は高い。

しかし、

S=Special Two-Tone

とMUDIMUで最終確定するには、もう一段一次資料が必要です。

1037DのCOLOR研究でも、このPaint Codeと塗り分けの関係は重要な研究対象になります。

No.20 Factory ColorsとNo.21 Two-Tone Guideでまとめて追います。


PRICE|210 Hardtopとの差は108ドル

価格を見ると、Series差がきれいに出ます。

210 Sport Coupe

I6 $1,959

Bel Air Sport Coupe

I6 $2,067

差は、

+$108

V8でも、

210 Sport Coupe $2,058

Bel Air Sport Coupe $2,166

やはり、

+$108

です。

同じ37 FAMILYのHardtopでも、Bel Airになることで約108ドル高くなる。

ここから、

Hardtop BODYそのものの価格

と、

Bel Air Seriesとしての価格

を分けて考えることができます。


PRODUCTION|桁が違う

ここが210 Sport Coupeとの非常に大きな違いです。

210 Sport Coupeは、

11,675 / 11,685

というProduction Number候補。

対してBel Air Sport Coupeは、

185,562 / 189,269

という数字が残っています。

資料体系によって数字が違うため、最終確定はNo.24へ回します。

しかし規模の違いは明らかです。

ざっくり見ても、

Bel Air Sport Coupeは210 Sport Coupeの十数倍

という巨大な差があります。

だから現在、

1955 Chevrolet Hardtop=Bel Air

というイメージが強く残っているのも不思議ではありません。


WHY SO POPULAR?|なぜ1037Dが象徴になったのか

ここから先は単純なProduction Numberだけでは説明できません。

1955年の新しいChevrolet Styling。

Pillarless Hardtop。

Bel Air Trim。

Two-Tone。

新しいV8。

広告。

そして当時のChevroletが若々しいイメージへ変わろうとしていたこと。

これらが重なった。

MotorCitiesが紹介している当時のStyling責任者Clare MacKichanの回想でも、Chevroletを従来の年配層中心のイメージから、若い層にも魅力ある車へ変える意図が語られています。

1037Dは、その変化を最も分かりやすく見せるBODYの一つだったと考えられます。

ただしMUDIMUでは、

「V8が出たから人気だった」

だけでは終わらせません。

1955 Chevroletの変化はEngineだけではない。BODYとCOLORとTRIMまで一緒に変わった。

そこを見るのがこの図鑑です。


50 MILLIONTH CHEVROLET|象徴に選ばれたBODY

1954年11月23日、Flint工場でGMの米国内生産5,000万台目となる車両がラインオフしたとされています。

その記念車として選ばれたのが、

1955 Chevrolet Bel Air Sport Coupe

でした。

これも1037Dの位置づけを考えるうえで面白い事実です。

ただ売れたから後世に有名になっただけではない。

1955年モデル登場時点から、Chevroletの新時代を象徴する車として扱われていたことが分かります。


BODY FIRST|名車ほど名前を消してみる

1955 Bel Air Sport Coupeは有名すぎます。

だからこそ、一度、

Bel Air

という名前を消してみる。

すると、

2454

1037D

2-Door

6-passenger

Pillarless Hardtop

というBODYが残ります。

その隣には、

2154 / 1037

という210 Sport Coupeがいる。

その下には、

1011D

というPost-type Bel Air 2-Door Sedanがいる。

ここまで見て初めて、

なぜ1037Dが特別だったのか

が分かってきます。


37 FAMILY|BODYから1955年を見る

MUDIMUの1955 BODY MAPでは、37 FAMILYをこう整理します。

1037

210 Sport Coupe

1037D

Bel Air Sport Coupe

そして11 FAMILYには、

1011、1011A、1011D。

Wagonには、

62F、63F、64DF。

この番号をつなげていくと、

150

210

Bel Air

という縦のSeries分類とは別に、

BODY FAMILYという横の構造

が見えてきます。

これこそMUDIMUが作りたいChevrolet図鑑です。


WHY MUDIMU|有名車も特別扱いしない

MUDIMUはマイナー車だけを追う図鑑ではありません。

Nomadもやる。

Bel Airもやる。

Corvetteもやる。

ただし、有名だから説明を甘くしない。

むしろ有名車ほど、

「知っているつもり」

になりやすい。

だから、

Model Number

Fisher Style

BODY

COLOR

TRIM

PRICE

PRODUCTION

まで戻る。

有名なChevyも、無名なChevyも、同じ物差しで調べる。

それがMUDIMUです。

1955 Chevrolet Bel Air Sport Coupe

名車だから特別なのではない。1037Dを調べれば、特別だった理由が見えてくる。

Bel Airの名前。

Chrome。

Two-Tone。

V8。

その全部を一度横へ置いてBODYを見る。

そこにあるのは、

55-1037D

でした。

そして隣には1037の210 Sport Coupeがいた。

1955 ChevroletのHardtopを本当に理解するなら、この2台を一緒に見なければいけません。


MUDIMU Research Note

Model 2454 / Fisher Style 55-1037D

Bel Air Sport CoupeはB-Pillarを持たない6-passenger 2-Door Hardtopとして整理します。

210 Sport Coupe 1037とは37 FAMILYとして強いBODY Architecture上の関連がありますが、Door、Glass、Rear Quarter、Roof、Floor等の完全な部品共通範囲についてはParts/Fisher資料による追加確認を継続します。

現在の価格台帳はI6 $2,067 / V8 $2,166

Productionは185,562 / 189,269の資料差を保持。

Special Two-Toneの正式名称、Paint Code末尾「S」の意味、BODY別Paint LayoutはNo.20・21で一次資料を優先して確定します。

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この記事を書いた人

1959、1960、1962、1968年式Chevroletの所有経験を持つ。現在、当時のChevrolet資料をもとにBODY、COLOR、TRIMを中心とした日本語アーカイブを構築中。

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