05|1956 Chevrolet Bel Air 完全ガイド|7つのBODYで完成した上級Chevrolet

1956 Chevrolet No.05

1956 Chevroletの頂点にいたPassenger Series。

それが、

Bel Air Series 2400。

1955年にもBel AirはChevroletの上級Seriesでした。

しかし1956年は、単なる継続ではありません。

新しく4-Door Sport Sedanが登場。

Wagonでは従来の6-Passenger 4-Door Wagonが姿を消し、9-Passenger Beauvilleへ展開。

そして2-Door Nomadも継続されます。

Chevrolet自身の1956 Engineering Featuresは、Bel Airについて7つのBody Styleを用意したと説明しています。さらに1956 Chevrolet全体では19 Modelsとなり、前年より3 Model増えました。

1956 Bel Airの面白さは、豪華だからではない。SedanからHardtop、Convertible、9人乗りWagon、Nomadまで、一つのSeriesでまったく違うBODYを選べたことにある。

MUDIMUではBel Airを「Tri-Fiveの代表車」で終わらせません。

7つのBODYを一台ずつ分解します。


目次

BEL AIR|Series 2400

1956 Chevrolet Passenger Carの基本Seriesは、

1500 — One-Fifty

2100 — Two-Ten

2400 — Bel Air

です。

Bel Airはその最上位。

1956 Engineering Featuresでは、2400 SeriesをLuxury Bel Air Seriesとして位置づけています。

ただしMUDIMUで重要なのは装備の豪華さだけではありません。

BODYの選択肢です。

150は実用BODYを中心としたSeries。

210になるとHardtopや3種類のWagonまで一気に増える。

そしてBel Airでは、

ConvertibleとNomadまで加わる。

Seriesの頂点に行くほど、単にChromeが増えるだけでなく、選べるBODYそのものが変わっていきます。


BODY LINEUP|1956 Bel Airは7種類

1956 Bel AirのBODYを整理すると、こうなります。

ModelBODYFisher StyleSeats
24022-Door Sedan1011D6
24034-Door Sedan1019D6
2454Sport Coupe1037D6
2413Sport Sedan1039D6
2434Convertible1067D系6*
2419Beauville Station Wagon1062DF系9
2429Nomad Station Wagon1064DF系6

Production資料でも、この7 Modelが1956 Bel Airとして確認できます。

*ConvertibleのSeat表記には資料上注意が必要です。Production表では1956年を6-passengerとしていますが、年式・資料によって表記差があるため、No.25のConvertible個別記事でFactory Specificationsを再確認します。

まず大切なのは、

Bel Air=一つのBODYではない

ということです。


2402|Bel Air 2-Door Sedan

基本BODYの一つが、

2402。

Fisher Styleは、

1011D。

2-Door Sedanです。

ここで210を思い出してください。

210 2-Door Sedanは、

2102 / 1011。

Bel Airは、

2402 / 1011D。

同じ2-Door Sedan Familyでも、FactoryはSeriesを区別しています。

つまり、

1011 → 210

1011D → Bel Air

という関係が見えてきます。

BODY研究では、この末尾の違いを無視できません。


2403|Bel Air 4-Door Sedan

4-Door Sedanは、

2403 / 1019D。

こちらも210との関係がきれいです。

210:

2103 / 1019

Bel Air:

2403 / 1019D

です。

1956 Bel Airを代表するFamily Sedanですが、1956年にはもう一種類の4-Doorがあります。

それが新しい、

Sport Sedan。

ここから1956 Bel Airが面白くなります。


SPORT COUPE|2454 / 1037D

2-Door Hardtopが、

Bel Air Sport Coupe。

Model、

2454。

Fisher Style、

1037D。

1955年にも存在した人気BODYです。

Center Pillarを持たないHardtop Styling。

低く見えるRoof Line。

そしてBel AirらしいExterior Trim。

Tri-Five Chevroletを象徴するBODYの一つです。

しかし1956年には、1037Dの隣に新しい番号が加わります。


SPORT SEDAN|2413 / 1039D

1956年の大ニュース。

Bel Air 4-Door Sport Sedan。

Model、

2413。

Fisher Style、

1039D。

Chevrolet Engineering Featuresも、1956年に初めてtwo Four-door “Hardtop” Sport Sedansが追加されたことを明記しています。

その二台が、

210 Sport Sedan。

Bel Air Sport Sedan。

です。


1037D vs 1039D|2-Doorから4-Doorへ

ここは1956 Chevrolet BODY研究の核心の一つです。

1037D

Bel Air Sport Coupe
2-Door Hardtop

そして、

1039D

Bel Air Sport Sedan
4-Door Hardtop

です。

1955年には2-Door Hardtopがあった。

1956年、ChevroletはそのHardtop Stylingを4-Doorへ広げた。

つまりSport Sedanは、

「Sedanのドアを増やしただけ」

ではありません。

HardtopというBODY ConceptをFamily Carへ広げた。

これが重要です。

No.24では210を含め、

1037 vs 1039

をBODY Familyとして直接比較します。

【画像予定:1037D Sport Coupe / 1039D Sport Sedan Side View比較】


TWO 4-DOORS|SedanとSport Sedan

1956 Bel Airには、

2403 / 1019D — 4-Door Sedan

と、

2413 / 1039D — 4-Door Sport Sedan

があります。

どちらも4枚ドア。

どちらもBel Air。

しかしBODYは違います。

これこそ1956年の面白さです。

購入者は単に、

「4-Door Bel Airにする」

だけでは終わらない。

Conventional Sedanにするのか。

新しいHardtop Sport Sedanにするのか。

同じSeries・同じドア枚数でも、BODYを選べた。


CONVERTIBLE|2434 / 1067D系

Bel Airでしか選べない重要BODYが、

Convertible。

Model、

2434。

Production資料ではFisher Style 1067Dとして整理されています。

150にはありません。

210にもありません。

1956 Chevrolet Passenger CarのOpen BODYはBel Airの領域です。

この一台だけでも、Bel Airが単なる上級Trimではなく、Series独自のBODY選択を持っていたことが分かります。

【画像予定:1956 Bel Air Convertible Side View】


WAGON|1956 Bel Airには2種類

そしてStation Wagon。

1956 Bel Airには、

Beauville

と、

Nomad

があります。

しかし、この二台はまったく違います。

Beauvilleは、

4-Door / 9-Passenger。

Nomadは、

2-Door / 6-Passenger。

同じBel Air Station Wagonでも、目的もBODYも違います。


BEAUVILLE|2419 / 9-Passenger

1956 Bel Air Beauvilleは、

Model 2419。

4-Door Station Wagon。

そして、

9-Passenger。

ここが1955年との大きな変化です。

Chevrolet Engineering Featuresは、1956年にtwo nine-passenger Station Wagonsが新たに加わったと説明しています。

210 Beauville。

そしてBel Air Beauville。

つまり1956年には、9人乗りWagonがSeriesをまたいで展開されました。


1955 vs 1956 BEAUVILLE|同じ名前でもBODYを確認する

ここは注意が必要です。

1955年にもBel Airの4-Door Wagonが存在します。

しかし1956年は同じ感覚で見てはいけません。

1955 Bel Air 4-Door Wagonは6-passenger。

1956 Bel Air Beauvilleは9-passengerです。Production資料でも1955 Model 2409と1956 Model 2419が区別されています。

さらに1956 Engineering Featuresは、前年のModel 2409 six-passenger Station Wagonが廃止されたことを明記しています。

これは重要です。

名前が似ているから、前年と同じBODYだと思わない。

MUDIMUの基本ルールそのものです。


NOMAD|2429 / 2-Door / 6-Passenger

そして、

Nomad。

Model、

2429。

2-Door。

6-Passenger Station Wagonです。

1955年に登場したNomadは1956年にも継続されました。

Engineering Featuresでも、1955年途中に登場したSeries 2400の6-Passenger Nomadが1956年にも継続されることが明記されています。

Bel Airの中でも明らかにSpecialty性の高いBODYです。

しかしMUDIMUではNomadだけをWagonの代表にはしません。


NOMAD vs BEAUVILLE|同じBel Airでも正反対

並べると面白い。

Nomad

2-Door
6-Passenger
Specialty Wagon

対して、

Beauville

4-Door
9-Passenger
Large Family Wagon

です。

一方は2枚ドア。

もう一方は4枚ドア。

一方は6人。

もう一方は9人。

それでも両方、

Bel Air Station Wagon。

これほど性格の違うWagonを同じSeriesに置いていたこと自体が、1956 ChevroletのBODY Variationの豊かさを示しています。


THREE WAGON LEVELS|1956 Chevrolet全体で見る

Bel Airだけではなく1956 Chevrolet全体へ広げると、さらに面白くなります。

150:

Handyman

210:

Handyman / Townsman / Beauville

Bel Air:

Beauville / Nomad

Engineering Featuresによれば、1956 ChevroletにはSeries全体で豊富なWagon選択が用意され、9-Passenger Wagonも新登場しました。

つまりNomadは頂点に孤立しているのではありません。

巨大なChevrolet Wagon Familyの一員です。


BODY CODE FAMILY|Dが見えてくる

1956 Bel AirのBODY Codeを並べてみます。

1011D

2-Door Sedan

1019D

4-Door Sedan

1037D

Sport Coupe

1039D

Sport Sedan

そしてWagonにもBel Air固有のCodeがあります。

ここで見えてくるのが、SeriesとFisher BODYの関係です。

210とBel AirでBODYの基本Familyを共有しながら、Factory Codeでは区別される。

だからMUDIMUでは、

見た目が似ている

だけではBODYを確定しません。

Model NumberとFisher Styleまで追います。


EXTERIOR|1956 Bel Airを作ったTrim

1956 Engineering Featuresでは、2400、2100、1500の各Seriesに個別のExterior / Interior Trim Treatmentが与えられたと説明されています。

さらにSeriesの特徴を強調するTwo-Tone Color Combinationが、全ModelでOptionとして用意されました。

Bel Airの場合、このExterior Treatmentが1956年型の強い個性になります。

しかし注意したいのは、

Chromeが多いからBel Air

という判定方法です。

70年の間にTrimが追加された車もある。

欠落した車もある。

Bel Air風に仕上げられた210もあり得る。

実車では、

BODY。

Model。

Trim。

Paint。

を別々に確認する必要があります。


INTERIOR|BODYによってTrimも変わる

Bel AirだからInteriorは一種類。

もちろん、そんな単純ではありません。

Period-derived Trim資料を見ると、

1011D / 1019D

1037D / 1039D

Convertible

Wagon

Nomad

など、BODYによってTrim Codeの適用が分かれています。

特にNomadは独自のInterior Trimを持ちます。

つまり、

Bel AirというSeriesを特定しただけではOriginal Interiorは判断できない。

BODY Style。

Exterior Color。

Trim Code。

この三つをつなげる必要があります。

詳しくはNo.30「1956 Chevrolet Interior & Trim」で扱います。


ENGINE|Bel AirはBODYだけでEngineを決められない

1956 Bel AirにもSixとV8の選択肢があります。

しかし、

Bel AirだからV8

とは限りません。

逆に150だからSixだけ、でもありません。

MUDIMUではEngineをBODYの名前から推測しません。

No.41以降のPOWERTRAIN編で、

Series × BODY × Engine × Transmission

として整理します。

これは実車Identificationでも重要です。

現在V8が載っているから、Factory V8だったとは限りません。


PRODUCTION|BODYによって大きく違う

一つのProduction資料系統では、1956 Bel Airについて、

2-Door Sedan:104,849
4-Door Sedan:269,798
Sport Coupe:128,382
Sport Sedan:103,602
Convertible:41,268
Nomad:7,886
Beauville:13,279

と記録されています。

数字だけ見てもBODYの性格がかなり違います。

4-Door Sedanは大量に作られた。

Nomadは圧倒的に少ない。

しかしMUDIMUでは、この数字を最終確定値としてここで固定しません。

1955年と同じく、

Production Numberは出典によって照合する。

No.32で改めて検証します。


1955 vs 1956|Bel Airはどう変わったか

BODYだけで比較すると1956年の方向がよく見えます。

1955

2-Door Sedan
4-Door Sedan
Sport Coupe
Convertible
4-Door 6-Passenger Wagon
Nomad

1956

2-Door Sedan
4-Door Sedan
Sport Coupe
Sport Sedan
Convertible
4-Door 9-Passenger Beauville
Nomad

つまり1956年には、

4-Door Hardtopが増えた。

そして、

Wagonが9-Passengerへ拡張された。

Engineering Featuresがいう「前年よりModelが増えた」という変化は、BODY MAPにすると非常によく分かります。


SEVEN BODIES|Bel Airを一台だと思わない

もう一度並べます。

2402 — 2-Door Sedan

2403 — 4-Door Sedan

2454 — Sport Coupe

2413 — Sport Sedan

2434 — Convertible

2419 — Beauville

2429 — Nomad

7 BODY。

これが1956 Bel Airです。

Bel Airという名前だけでは、車の形すら決まりません。

これがBODY図鑑を作る理由です。


MUDIMU VIEW|有名だからこそ細かく分解する

Bel Airは有名です。

だから資料も多い。

写真も多い。

Classic Chevroletの象徴として扱われます。

しかし、有名な車ほど、

「1956 Bel Air」

という大きな名前だけで説明されてしまいます。

MUDIMUは逆です。

有名だからこそ分解する。

SedanとHardtopを分ける。

2-Doorと4-Doorを分ける。

BeauvilleとNomadを分ける。

1955と1956のWagonを分ける。

Bel Airを詳しく知るとは、Bel Airという名前を覚えることではない。その中に何種類のChevroletがいたのかを知ることだ。


WHICH ONE IS MUDIMU?|1956 Bel Airから一台なら

これはかなり悩みます。

Nomadは当然いい。

Convertibleもいい。

Sport Coupeも1956 Chevroletらしい。

でも1956年というModel Yearを一台で表すなら、

Bel Air Sport Sedan。

1039D。

4-Door Hardtop。

これでしょう。

1955年にはなかったBODY。

1956年に初めて加わった新しいChevrolet。

そして4枚ドアのFamily CarにHardtop Stylingを持ち込んだ。

「1956だから存在するBODY」

という意味で、MUDIMUはかなり気になります。


CONCLUSION|1956 Bel Airは豪華さよりBODYの広さを見る

1956 Chevrolet Bel Air。

Series 2400。

7つのBODY。

2-Door Sedan。

4-Door Sedan。

Sport Coupe。

新しいSport Sedan。

Convertible。

9-Passenger Beauville。

そしてNomad。

これだけ性格の違う車が、すべてBel Airでした。

だから1956 Bel Airを、

「Chevroletの高級グレード」

だけで説明するのは足りません。

1956 Bel Airは、ChevroletがSedan、Hardtop、Open Car、Family Wagon、Specialty Wagonまで、一つの上級Seriesへ詰め込んだBODY Familyだった。

そして1956年には1039D Sport Sedanが加わり、Beauvilleは9-Passengerへ展開しました。

1955年のBel Airをそのまま売ったのではありません。

BODYの可能性をさらに横へ広げた。

これが1956 Chevrolet Bel Airです。

MUDIMU Research Note

1956 Chevrolet Engineering Featuresでは、Bel Air Series 2400について7 Body Stylesが設定されたこと、1956 Chevrolet全体が19 Modelsへ増えたこと、新たに4-Door Sport Sedanと9-Passenger Station Wagonが加わったことが確認できます。

Model / Fisher Style / ProductionについてはChevrolet系Production資料を照合し、2402 / 1011D、2403 / 1019D、2454 / 1037D、2413 / 1039D、2434 / 1067D系、2419 / Beauville、2429 / Nomadを基礎台帳とします。

なおConvertibleのSeat表記やWagonのFisher Style末尾表記などは資料間の表記差を残しておき、各BODY個別記事でPrimary資料をさらに照合します。名前や数字が近いから同じBODYと判断しないことをMUDIMUの原則とします。

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この記事を書いた人

1959、1960、1962、1968年式Chevroletの所有経験を持つ。現在、当時のChevrolet資料をもとにBODY、COLOR、TRIMを中心とした日本語アーカイブを構築中。

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