第36回|1955 Chevrolet Engine by BODY
どのBODYに、どのEngineを積んで買えたのか
1955 Chevrolet Engine by BODY|150・210・Bel Airのエンジン設定を徹底研究
1955 Chevroletには、
235.5 cu in Inline-Six。
265 cu in V8。
がありました。
しかしMUDIMUが本当に知りたいのは、
「1955年には235と265がありました」
ではありません。
知りたいのは、
このBODYには、何を積めたのか。
です。
150 Handymanは?
Utility Sedanは?
Delrayは?
210 Sport Coupeは?
Convertibleは?
Beauvilleは?
Nomadは?
Sedan Deliveryは?
ここまで調べて初めて、BODYとENGINEが一つの1955 Chevroletになります。
BODY × ENGINE|二つの台帳を重ねる
これまでMUDIMUでは1955 Passenger ChevroletをBODYから整理してきました。
150。
210。
Bel Air。
さらにFisher Styleまで追いました。
一方、Engine編では、
235.5 Six
123 hp — Gearshift系
136 hp — Powerglide系
265 V8
162 hp — Standard V8
180 hp — Power Pack
を基本として整理しました。
Passenger Chevrolet全体について、1955年の265 V8が150・210・Bel Air・Nomadまで広く設定されたことは複数資料で確認できます。235 SixもPassenger lineの基本動力として残りました。
ここからBODY単位へ降ります。
1955 PASSENGER ENGINE MAP
まず現段階のMUDIMU台帳です。
| Series | BODY | Model / Fisher Style | 235 Six | 265 V8 | MUDIMU判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 150 | 2-Door Sedan | 1502 / 1211 | ○ | ○ | A/B |
| 150 | 4-Door Sedan | 1503 / 1219 | ○ | ○ | A/B |
| 150 | Utility Sedan | 1512 / 1211B | ○ | 要一次確認 | ? |
| 150 | Handyman | 1529 / 1263F | ○ | ○ | B |
| 210 | 2-Door Sedan | 2102 / 1011 | ○ | ○ | A/B |
| 210 | 4-Door Sedan | 2103 / 1019 | ○ | ○ | A/B |
| 210 | Delray | 2124 / 1011A | ○ | ○ | B |
| 210 | Sport Coupe | 2154 / 1037 | ○ | ○ | B |
| 210 | Handyman | 2129 / 1063F | ○ | ○ | B |
| 210 | Townsman | 2109 / 1062F | ○ | ○ | B |
| Bel Air | 2-Door Sedan | 2402 / 1011D | ○ | ○ | A/B |
| Bel Air | 4-Door Sedan | 2403 / 1019D | ○ | ○ | A/B |
| Bel Air | Sport Coupe | 2454 / 1037D | ○ | ○ | A/B |
| Bel Air | Convertible | 2434 / 1067D/DTX | ○ | ○ | B |
| Bel Air | Beauville | 2409 / 1062DF | ○ | ○ | B |
| Bel Air | Nomad | 2429 / 1064DF | 要精査 | ○ | ? / B |
| Commercial | Sedan Delivery | 1508 / 1271 | ○ | 要精査 | ? |
ここで大切なのは、
○を無理に増やさないこと。
1955年のPrice Listや後年のデータベースにSix/V8双方が出ていても、それだけで個々の特殊BODYへのFactory AvailabilityをA判定にはしません。
150|廉価SeriesでもV8が選べた
まず150です。
これは1955年のEngine体系を理解するうえで重要です。
150は廉価Series。
しかし、
150=Six専用ではありません。
1955 Factory Specificationsを再録した資料でも150 Seriesは6-cylinderとV8を分けて掲載しており、別の1955 fact sheetでも150を「I-6 & V-8」と整理しています。
つまりChevroletは、
安いBODY=古いEngine
という単純な商品構成にはしていませんでした。
150 2-DOOR SEDAN|1211 × Six / V8
1502。
Fisher Style 55-1211。
2-Door Sedan。
このBODYは235 Sixと265 V8の双方を持つPassenger Chevroletの基本形として扱えます。
価格資料でも、
I6 $1,685
V8 $1,784
という構成。
差は、
$99
でした。
廉価な150の2-Door Sedanへ、新しい265 V8を選ぶ。
これは1955 Chevroletの面白い組み合わせです。
150 4-DOOR SEDAN|1219
4-Door Sedanも同様です。
Model 1503。
Fisher Style 55-1219。
I6価格とV8価格が存在し、SeriesレベルのFactory Specificationとも一致します。
つまりV8はSport CoupeやConvertibleだけのものではありません。
普通の4-Door Sedanにも新型V8が入った。
ここが1955年です。
UTILITY SEDAN|1211Bは慎重にする
そしてMUDIMUが好きなBODY。
Utility Sedan
Model 1512。
Fisher Style 55-1211B。
3人乗り。
後部を荷物用途へ振った特殊な150です。
価格資料には、
I6 $1,593
V8 $1,692
という数字があります。
ここでも差は$99。
したがってV8設定を強く示唆します。
しかし1211Bという特殊BODYについて、MUDIMUではSeries全体の「I-6 & V-8」だけからA判定にはしません。
Dealer order資料やPrice Schedule原本で個別設定を確認するまで、
V8=?
を残します。
これがMUDIMUのやり方です。
150 HANDYMAN|1263F
Model 1529。
Fisher Style 55-1263F。
2-Door Station Wagon。
MUDIMUが特に追っているBODYです。
価格資料では、
I6 $2,030
V8 $2,129。
したがって、
235 Six / 265 V8
双方を持つ構成を強く支持します。
つまり、あの装飾の少ない150 Handymanへ、
新しい265 V8を載せることができた。
これはかなり格好いい1955 Chevroletです。
210|最もBODY Variationが豊富
210はさらに面白くなります。
2-Door Sedan。
4-Door Sedan。
Delray。
Sport Coupe。
Handyman。
Townsman。
BODY Variationが豊富。
そしてSeriesレベルではI6 / V8双方が確認できます。
つまり210は、
BODYを選び、ENGINEも選ぶ
という1955 Chevroletの商品体系が最も見えやすいSeriesの一つです。
DELRAY|1011AにもENGINEという別軸がある
Delray Club Coupe。
Model 2124。
Fisher Style 55-1011A。
DelrayはBODY研究では面白い存在でした。
1011の2-Door Sedanと非常に近いpost architectureを持ちながら、専用Interior / Trimを与えられています。
さらにEngineという軸を重ねる。
235 Six。
265 V8。
つまりDelrayは、
BODYだけでなく、TrimとEngineを組み合わせて成立した商品
として見られるわけです。
210 SPORT COUPE|1037
Model 2154。
Fisher Style 55-1037。
210のpillarless hardtopです。
1955年途中に追加されたとされる、かなり面白いBODY。
ここにもSix/V8設定があります。
つまり、
HardtopだからV8専用
ではありません。
これも現代から1955年を見たときに起こりやすい誤解です。
HANDYMAN|1063F
210 Handyman。
Model 2129。
Fisher Style 55-1063F。
150 Handyman 1263Fと同じく2-Door Wagonですが、210側の装飾・Trimを持ちます。
そしてEngineも、
235 Six。
265 V8。
の選択軸が重なります。
すると、
1263F × Six
1263F × V8
1063F × Six
1063F × V8
という組み合わせが見えてくる。
BODYだけでも2種類だったHandymanが、Engineを重ねるとさらに立体的になります。
TOWNSMAN|1062F
210 Townsman。
Model 2109。
Fisher Style 55-1062F。
4-Door Station Wagon。
これもSix/V8双方を持つ構成です。
つまり1955 Chevrolet Wagonは、
「Nomadか、それ以外か」
ではありません。
BODY。
Series。
Trim。
そしてEngine。
複数の選択軸が存在しました。
BEL AIR|上級SeriesでもSixが残る
今度はBel Air。
ここでは逆方向の誤解があります。
Bel Air=V8
と思ってしまうことです。
しかし1955年のBel Airにも235 Sixがあります。
Hagertyの1955年解説でも、235 Sixを123hp manual / 136hp Powerglide、265 V8を162hp / Power Pack 180hpとしてPassenger line全体で説明しています。
豪華なBel Air BODYを選んでも、必ずV8だったわけではありません。
BEL AIR SPORT COUPE|1037D
1955 Chevroletを象徴する一台。
Model 2454。
Fisher Style 55-1037D。
Bel Air Sport Coupe。
しかしEngine台帳では、
BODY=1037D
と、
ENGINE=235 / 265
を分離します。
さらに265には162hpとPower Pack 180hpがある。
つまり、
「1955 Bel Air Sport Coupe」
だけではMechanical Specificationまで確定しません。
CONVERTIBLE|1067D / 1067DTX
Bel Air Convertible。
Model 2434。
Fisher Style 55-1067D / 1067DTX。
これもI6価格とV8価格が確認できます。
$2,206。
$2,305。
差は$99。
つまりOpen BODYを選ぶことと、V8を選ぶことは別の選択だった。
これはMUDIMUとして非常に重要です。
Convertible=V8とは限らない。
BEAUVILLE|1062DF
Bel Air Beauville。
Model 2409。
Fisher Style 55-1062DF。
4-Door Wagon。
価格資料では、
I6 $2,262。
V8 $2,361。
やはり+$99。
後年の仕様データでも235 Sixと265 V8の双方がBeauvilleについて掲載されています。
Townsmanとの違いはBODY familyだけでなくSeries / Trim。
そこへEngine選択が重なります。
NOMAD|ここはまだ決着させない
そして、
Nomad。
Model 2429。
Fisher Style 55-1064DF。
価格資料では、
I6 $2,472。
V8 $2,571。
という構成があります。
Hagertyも1955 Nomadを含むPassenger modelsに265 V8が利用できたと説明し、235 SixをPassenger lineの標準Power sourceとして説明しています。
さらに後年の価格・仕様資料にはNomadの235 Six仕様そのものも掲載されています。
一方で、1955 NomadをV8標準として扱う説明も存在します。
だからMUDIMUでは、
「Six価格がある」=「Six NomadのFactory Productionを完全確認」
とはしません。
ここは**?**を残します。
NOMAD問題が面白い理由
この問題は小さなスペック争いではありません。
もしSix NomadがFactory Order可能だったなら、
「Nomad=V8のSpecial Wagon」
という現代の理解を少し修正する必要があります。
逆にPrice ScheduleにはSix価格が存在しても実際のProductionがV8に限定されていたなら、
価格表と実際の商品構成は同じではない
という重要な資料研究になります。
どちらでも面白い。
だから急いで答えを作りません。
SEDAN DELIVERY|1271
Sedan Deliveryも特殊です。
Model 1508。
Fisher Style 55-1271。
2人乗りCommercial BODY。
現存例・専門記事では、235.5 Six / 123hp / 3-speedという仕様が確認できます。
一方、後年のデータには265 V8 Sedan Deliveryも掲載されています。
しかしMUDIMUではCommercial BODYについてPassenger Seriesの設定をそのまま移植しません。
したがって、
235 Six=確認
265 V8=さらにFactory資料確認
とします。
CORVETTE|BODY MAPから分離する
Corvetteは別です。
Model 2934。
Passenger 150 / 210 / Bel Air BODY systemとは別のSports Car line。
1955年には、
235 Six。
265 V8。
の双方が存在します。
しかし、その235もPassenger 123/136hp仕様と同じではない。
265もPassenger 162/180hp仕様をそのまま当てはめません。
だから、
CorvetteはNo.38で独立したEngine Map
を作ります。
TRUCK|さらに混ぜない
Truckも別です。
3100 Pickup。
3200 Long Pickup。
Panel。
Suburban。
Cameo Carrier。
さらに、
1st Series。
2nd Series / Task Force。
これらへPassengerの235/265表をそのままコピーすることはしません。
TruckはNo.39で、
Series × Model × Engine
を作ります。
1955 CHEVROLETは「車種表」だけでは足りない
ここまで32本BODYを調べて、さらにEngineを重ねると見えてくるものがあります。
1955 Chevroletの商品体系は、
150。
210。
Bel Air。
だけではありません。
SERIES
↓
BODY
↓
ENGINE
↓
TRANSMISSION
↓
COLOR
↓
TRIM
という複数の選択軸を持っていました。
だから「1955 Bel Air」とだけ言っても、まだ情報が足りません。
たとえば一台を完全に書くなら
たとえば、
1955 Chevrolet 210 Handyman
だけではなく、
Series:210
Model:2129
Fisher Style:55-1063F
BODY:2-Door Station Wagon
Engine:235 Six
Transmission:Powerglide
Paint:599
Trim:515
のように記録する。
これで初めて、
そのChevroletが何だったのか
が具体的になります。
ENGINEはBODY研究を邪魔しない
今回Engineを追加して正解だった理由がここです。
MUDIMUがEngine中心のサイトへ変わったわけではありません。
むしろ逆です。
BODY研究がさらに深くなった。
BODYだけなら、
「150 Handyman 1263Fが存在した」
で終わります。
Engineを加えると、
「その1263FをSixでもV8でも買えた」
という当時の商品像が見えてくる。
BODY × ENGINE × PRICE
さらにNo.23 Original Pricesを重ねると面白い。
150 Handyman。
I6 $2,030。
V8 $2,129。
210 Handyman。
I6 $2,079。
V8 $2,178。
差を見ると、
150→210 Series差 = $49
一方、
I6→V8 Engine差 = $99
です。
つまり150 Handymanを210へ上げるより、
V8を選ぶほうが約2倍高かった。
BODY・Series・Engineを同時に見ることで、1955年の購入判断まで見えてきます。
BODYの値段とENGINEの値段
さらに、
150 2-Door Sedan → 150 Handyman
は約+$345。
一方、
Six → V8
は+$99。
つまり1955 Chevroletでは、
ENGINEよりBODYの選択のほうが価格へ大きく効く場合があった。
これはMUDIMUがずっと追ってきた、
BODYそのものに価値があった
という考えを、Engine研究が逆に補強しています。
MUDIMU ENGINE AVAILABILITY RULE
今後MUDIMUではBODYごとのEngine設定を、次の4段階で記録します。
A — FACTORY CONFIRMED
Chevrolet / GMの当時資料でBODY単位まで確認。
B — STRONGLY SUPPORTED
Period Price / Specificationsなど複数資料が一致。
C — SECONDARY
信頼できる後年資料で確認。
? — UNRESOLVED
資料が食い違う、またはBODY単位で一次確認できない。
「たぶん付いた」
を○にしません。
最終的に作る1955 CHEVROLET ORDER MAP
MUDIMUが最終的に作りたいのは、
単なるBODY MAPでも、
Engine Listでもありません。
1955 CHEVROLET ORDER MAP
です。
1955年にDealerへ行ったとする。
どのSeriesを選べたのか。
どのBODYを選べたのか。
どのEngineを選べたのか。
どのTransmissionを選べたのか。
どのColorを選べたのか。
どのTrimが組み合わされたのか。
そして、
いくらだったのか。
ここまで復元する。
MUDIMU CONCLUSION
「1955 Chevyに何のEngineがあった?」では足りない。
答えは、
235 Six。
265 V8。
だけではありません。
MUDIMUが知りたいのは、
あなたが1955年に150 Handymanを買ったなら、どのEngineを選べたのか。
です。
Utility Sedanなら?
Delrayなら?
Convertibleなら?
Nomadなら?
Sedan Deliveryなら?
そこまで調べる。
BODYを中心に始めたからこそ、EngineもBODYへ戻して考える。
BODY × ENGINE
これで1955 Chevrolet図鑑が、また一段深くなりました。
MUDIMU Research Note
1955 Passenger Chevroletについて、150・210・Bel Airの各SeriesにSix/V8が設定されたこと、235 Sixが123hp/136hp、265 V8が162hp/180hpを基本とすることは強く確認できます。
ただし本記事では、Series-level availabilityとBODY-level availabilityを意図的に分離しています。
特に今後一次資料で詰める対象は、
1211B Utility Sedanの265 V8
Power Pack 180hpのBODY別設定
210 Sport Coupeのmid-year追加時点でのEngine options
Nomadの235 Sixが実際にFactory Order / Productionされたか
Sedan Delivery 1271の265 V8 Factory Availability
です。
この5点は、資料が揃うまで無理に確定させません。

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