1956 Chevrolet No.10
1956 ChevroletのWagonをBODYで追っていくと、ここで大きく景色が変わります。
08の150 Handyman。
09の210 Handyman。
この2台は2-Door Wagonでした。
今回から4-Doorへ入ります。
1956 Chevrolet Two-Ten Townsman。
Model 2109。
Fisher Style 56-1062F。
Chevroletの1956 Factory Specificationsでは正式に、
6-passenger / 4-door / 7-window / all-steel body / rear drop and lift gates
のStation Wagonとして記録されています。
つまりTownsmanは単に「210の4ドアワゴン」ではありません。
このあと登場する9-Passenger Beauvilleと比較するための、
1956 Chevrolet 4-Door Wagonを理解する基準BODY。
それが1062Fです。
IDENTIFICATION|2109 / 1062F
まずIdentityを固定します。
| 項目 | 1956 Chevrolet 210 Townsman |
|---|---|
| Series | Two-Ten / 210 |
| Model | 2109 |
| Fisher Style | 56-1062F |
| BODY | Station Wagon |
| Doors | 4 |
| Seating | 6-Passenger |
| Windows | 7-window |
| Construction | All-steel body |
| Rear Gate | Drop gate + Lift gate |
| Wheelbase | 115 in |
Factory Specificationsで2109 / 56-1062Fが確認できます。さらにModel Identification資料でも「4-Door 6-passenger Townsman Station Wagon / 1062F」と一致します。
ここはMUDIMUとして強く固定していい部分です。
2109 = Model Number
1062F = Fisher Body Style
です。
TOWNSMAN|210の6人乗り4-Door Wagon
1956 Two-Tenには3種類のStation Wagonがありました。
Handyman
2129
1063F
2-Door
6-Passenger
Townsman
2109
1062F
4-Door
6-Passenger
Beauville
2119
1062FC
4-Door
9-Passenger
ここが面白い。
HandymanとTownsmanは、どちらも6-Passengerです。
違うのはまず、
2-Doorか4-Doorか。
そしてTownsmanとBeauvilleは、どちらも4-Door。
こちらは、
6-Passengerか9-Passengerか。
1956 Chevroletは「Wagon」という一つの商品を装備違いで売っていたのではありません。
ドア数と乗車人数によってBODYを細かく分けていた。
1062Fは、その中心にいます。
1062F|ここからBODY FAMILYが始まる
MUDIMUとして、この記事で一番覚えてほしい数字は、
1062F
です。
なぜなら、これから続けて扱うBODYを見ると、
1062F
1062FC
1062DFC
と並ぶからです。
Factory Specificationsでは、
- 210 Townsman:1062F
- 210 Beauville:1062FC
- Bel Air Beauville:1062DFC
として明確に区別されています。
これは非常に面白い。
数字の骨格で見ると、3台とも、
1062
を共有しています。
しかし末尾が違う。
F。
FC。
DFC。
ここを見ただけで、
「この3台はどこまで同じで、どこから違うのか?」
という研究テーマが生まれます。
これをNo.15、
1956 Chevrolet 1062 BODY FAMILY
で徹底的に掘ります。
FOUR DOORS|実用Wagonの王道へ
HandymanからTownsmanへ移ると、BODYの性格がかなり変わります。
Handymanは2-Door。
Townsmanは4-Door。
さらにFactory SpecificationsはTownsmanを、
4-door / 7-window
と明記しています。
後席へ直接アクセスできるRear Doorを持つ。
6人乗り。
そして後ろにはCargo Area。
1956年のFamily Wagonとして考えれば、非常に合理的です。
現在の感覚でStation Wagonを想像すると、むしろこちらの方が分かりやすいでしょう。
しかし1956 Chevroletでは、
2-Door Handymanと、
4-Door Townsmanが、
同じ210 Seriesの中で並んで売られていた。
ここが時代の面白さです。
SEVEN WINDOWS|Factory資料が窓数まで書いている
BODY研究では、この記述も見逃せません。
Factory SpecificationsはTownsmanを、
7-window
としています。
単に、
「4-Door Station Wagon」
ではない。
窓数までFactory Specificationに入っています。
これはMUDIMUがWagonを調べるうえで重要です。
Door。
Side Glass。
Quarter Glass。
Roof。
Rear Gate。
こうした構造を一つずつ確認すると、BODYの違いが見えてきます。
【画像予定:1956 Townsman完全Side View/7-window構成が分かる写真】
ALL-STEEL BODY|木ではなくSteel Wagonの時代
Factory Specificationsには、もう一つ興味深い表現があります。
all-steel body
です。
1950年代半ばには、American Station WagonはすでにAll-Steel Bodyが主流になっていました。
それでもChevroletがSpecification上で明記している。
これはStation WagonというBODYが、それ以前のWood-bodied Wagon文化から発展してきた歴史を考えると面白い表現です。
1956 Townsmanは、
完全なSteel-bodied Passenger Wagon。
そのBODYにWood風装飾を足した車ではなく、ChevroletのPassenger Car Stylingの中で成立したWagonです。
REAR GATE|Drop Gate + Lift Gate
そして、MUDIMUとして見逃したくないのがRearです。
Factory Specificationsには、
drop and lift gates in rear
とあります。
つまり上下分割式。
上側がLift Gate。
下側がDrop Gate。
現存する1062Fでも、このSplit Tailgate構成を確認できます。
WagonはFrontだけ見ても分かりません。
むしろ、
後ろを見る。
Rear Roof。
Rear Glass。
Tailgate。
Cargo Opening。
ここまで見て初めてBODYが分かります。
【画像予定:1062F Rear View/Lift GateとDrop Gateの分割位置】
HANDYMAN vs TOWNSMAN|同じ6人乗りでもBODYは違う
ここで09の210 Handymanと並べます。
| Handyman | Townsman | |
|---|---|---|
| Model | 2129 | 2109 |
| Fisher Style | 1063F | 1062F |
| Doors | 2 | 4 |
| Passenger | 6 | 6 |
| BODY | Wagon | Wagon |
同じ210。
同じ6-Passenger。
同じStation Wagon。
しかし、
1063Fと1062F。
つまりChevroletは「6人乗りWagon」という用途に対しても、二つのBODYを用意していました。
これが1956 Chevrolet Wagon Lineupの豊かさです。
現代ならTrim Gradeで分けそうなところを、
BODYそのものを変えて選ばせている。
TOWNSMAN vs BEAUVILLE|見た目だけでは危ない
もっと重要なのがこちらです。
Townsmanと210 Beauville。
両方とも、
210 Series。
4-Door。
7-window。
All-Steel Station Wagon。
RearはDrop Gate + Lift Gate。
Factory Specifications上で大きく違うのは、
6-Passengerか9-Passengerか。
そしてFisher Styleが、
Townsman:1062F
Beauville:1062FC
です。
ここは実車Identificationで非常に重要です。
古いWagonを外から見て、
「4ドアだからTownsman」
とは言えません。
Beauvilleも4-Doorだからです。
THIRD SEAT|6人と9人を分けるもの
Townsmanは6-Passenger。
Beauvilleは9-Passenger。
つまり大きな違いの一つは、
Third-Row Seatingの有無
です。
現存するTownsmanではFolding Rear BenchとCargo Areaを確認できます。
しかしここで注意。
現在の車両だけを見て、
「Third SeatがないからTownsman」
と決めるのは危険です。
70年近い間にSeatが取り外されている可能性があります。
実際、1062FCのBody Tagを持ちながらThird Seatの一部が欠落した現存車も市場に出ています。
だからMUDIMUでは、
SeatだけではなくFisher Styleを見る。
これが大事です。
REAL CAR IDENTIFICATION|Trim Tagが強い
実際の1956 Townsmanを見ると、この考え方がよく分かります。
現存個体のFisher Body Plateには、
STYLE 56-1062F
と刻まれています。
別の現存車でも同じ1062Fが確認されています。
つまり、
販売広告に「Townsman」と書いてあるからTownsmanなのではない。
Body TagとFactory Specificationが一致するからTownsmanと判断できる。
MUDIMUが番号を追う理由はここです。
BODY NUMBER|1062Fと個体番号は別
現存車では、
STYLE 56-1062F
に加えて、
BODY J 7898
のような表示が確認できます。
ここでも09と同じ注意があります。
1062FはStyle。
J 7898はその個体のBody Number。
同じ意味ではありません。
MUDIMUでは、
Model Number
Fisher Style
Body Number
を混ぜません。
実車のCowl Tagを読むとき、これは基本ルールにします。
COLOR|1062FからFactory Paintへ進める
同じ現存1062Fでは、
Paint 752
が確認され、Inca Silverとして記録されています。
別の1062Fでは、
Paint 754C
India Ivory / Tropical TurquoiseのTwo-Toneとして記録されています。
この二台だけでも、
「Townsmanはこの色」
とは言えないことが分かります。
BODYを特定したら、
次はPaint Code。
そしてTrim Code。
この順番でFactory Configurationを復元します。
No.28とNo.29で1956 Factory Colorをまとめて検証します。
TRIM|同じ1062Fでも違う
現存1062FのBody Plateでは、
Trim 609。
別個体ではTrim 572。
という異なるコードが確認できます。
これも重要です。
1062FだからInteriorが一種類とは限らない。
BODYとTRIMは別軸です。
MUDIMUの三本柱、
BODY
COLOR
TRIM
を分離して記録する意味がここにあります。
ENGINE|1062FはEngine Codeではない
現存するTownsmanには265ci V8とPowerglideを搭載した個体が確認できます。
しかし、
1062F = V8
ではありません。
1956 Production資料でも、2109はI-6仕様とV8仕様の双方が設定されていた形で整理されています。
BODY CodeからEngineを決めない。
逆にEngineからBODYを決めない。
EngineはNo.41以降で別に接続します。
ORIGINAL PRICE|SixとV8で価格も違う
Production/price資料の一系統では、2109 Townsmanについて、
I-6:$2,263
V8:$2,362
と記録されています。
差は99ドル。
ただしMUDIMUではOriginal PriceをNo.31でまとめて再照合します。
ここでは、
同じ2109でもPowertrainによってOriginal Priceが違った
という構造だけ覚えておきます。
PRODUCTION|11万台を超える重要Wagon
ここはTownsmanの見方を大きく変える数字です。
一つのProduction資料では、
113,656台。
別のProduction資料では、
114,646台。
差は990台あります。
したがって現段階では、
約11.4万台
としておきます。
最終値はNo.32で出典を比較して確定します。
ただし、この差があっても結論は変わりません。
Townsmanは、
数千台しか存在しなかった特殊BODYではない。
かなり大量に作られたChevrolet Wagonです。
NOMADより「当時のCHEVY」を語るかもしれない
1956 Nomadの方が現在は有名です。
Collector Carとしての存在感も大きい。
でも1956年当時のChevrolet Wagon市場を見るなら、Townsmanは無視できません。
NomadのProductionは資料系統によって8,000台前後。
Townsmanは約114,000台。
桁が違います。
つまり街で実際に人々が見たChevrolet Wagonの風景を考えれば、
1062Fの方がはるかに「普通のChevy」だった可能性が高い。
これが歴史資料として面白い。
現在の人気車だけを見ても、当時の自動車社会は見えない。
WHY TOWNSMAN MATTERS|普通だったから重要
MUDIMUはRare Carだけを集める図鑑ではありません。
むしろTownsmanのような車は重要です。
4-Door。
6-Passenger。
Station Wagon。
約11万台規模。
つまり、
当時の生活の中にいたChevrolet。
家族を乗せる。
荷物を積む。
買い物へ行く。
旅行へ行く。
そういう用途のためのBODYです。
それが1956 Chevrolet Stylingをまとっている。
だから今見ると格好いい。
1062F → 1062FC|たった一文字で何が変わる?
そして次の記事へつながる最大の疑問です。
Townsmanは、
1062F。
210 Beauvilleは、
1062FC。
違いは末尾に、
C
が加わる。
しかしFactory Specificationsを見ると、
1062F = 6-Passenger。
1062FC = 9-Passenger。
です。
では、
Cは具体的に何を意味するのか。
Seat Configurationだけなのか。
Floorは違うのか。
Cargo Areaはどう変わるのか。
Rear Structureは同じなのか。
Body Shellはどこまで共通なのか。
ここからがBODY研究です。
「Cは9人乗りです」で終わらせません。
1062F → 1062FC → 1062DFC
さらにその次には、
Bel Air Beauville。
1062DFC
があります。
並べると、
1062F
↓
1062FC
↓
1062DFC
美しいくらいに系列が見えてきます。
しかも、
Townsman。
210 Beauville。
Bel Air Beauville。
名前もSeriesもSeatingも変わります。
なのに1062という数字は残る。
1956 Chevrolet Wagonを車名で見ると3台。Fisher Styleで見ると一つのBODY Familyが見えてくる。
これはMUDIMUで絶対に残したいところです。
MARKETPLACE CHECK|Townsmanを見つけたら
1956 Chevrolet 4-Door Wagonが売りに出ていたとします。
販売者が、
「Townsman」
と書いている。
それだけでは確定しません。
まずCowl Tag。
STYLE 56-1062F
ならTownsmanとして強く整合します。
1062FCなら210 Beauville。
1062DFCならBel Air Beauville。
少なくともFactory Specifications上では、この3つは明確に分けられています。
こういうIdentificationが、
MUDIMUからAUTO LABOの実車判断へつながります。
IDENTIFICATION CHECK|実車を見るなら
1956 Townsmanらしい車を見つけたら、
1956 Model Yearか
↓
210 Seriesか
↓
Model 2109か
↓
Fisher Style 56-1062Fか
↓
4-Door / 7-window Wagon BODYか
↓
6-Passenger Configurationと整合するか
↓
Rear Drop + Lift Gateが整合するか
↓
Body Numberは何か
↓
Paint Codeは何か
↓
Trim Codeは何か
↓
Engine / TransmissionはOriginal Specificationと整合するか
この順番で見ます。
「1956 Chevy Wagon」
から、
「1956 Chevrolet 210 Townsman / 2109 / 1062F」
まで落とす。
ここまで来れば、一台の車として調べられます。
MUDIMU VIEW|一番「Wagonらしい」1956 Chevrolet
Nomadは格好いい。
Handymanも最高です。
でも、
「1956 ChevroletのStation Wagonとは何だったのか」
を一台で見せるなら、Townsmanはかなり強い。
4-Door。
6-Passenger。
All-Steel。
Split Rear Gate。
115-inch Passenger Car chassis。
そして約11万台規模。
奇抜ではありません。
Rareでもありません。
むしろ、
普通です。
だからいい。
1956 Chevrolet Wagonの歴史を知るなら、RareなNomadだけでは足りない。大量に家族を運んだ1062Fを見る必要がある。
これがTownsmanです。
CONCLUSION|1062Fは1956 Wagon研究の基準BODY
1956 Chevrolet Two-Ten Townsman。
Model 2109。
Fisher Style 56-1062F。
4-Door。
7-window。
6-Passenger。
All-Steel Station Wagon。
RearにはDrop GateとLift Gate。
これらは1956 Chevrolet Factory Specificationsで明確に確認できます。
そして、この車の本当の面白さはここからです。
1062F。
次は、
1062FC。
その次は、
1062DFC。
Townsmanは一台の記事で終わる車ではない。1956 Chevrolet 4-Door WagonのBODY Familyを解く入口である。
MUDIMUでは、この「1062」を追います。
MUDIMU Research Note
A|Primary Sourceで確認
Model 2109、Fisher Style 56-1062F、4-Door、7-window、6-Passenger、All-Steel Body、Rear Drop/Lift Gatesは1956 Chevrolet Factory Specificationsで確認。
A〜B|BODY Family
Factory Specifications上で1062F / 1062FC / 1062DFCの3Styleが明確に存在します。ただし末尾F・C・Dそれぞれの文字そのもののFactory定義は、現段階では断定しません。No.15でFisher資料まで含めて追います。
?|Production
113,656台と114,646台の異なる資料値があります。現段階では約11.4万台。No.32で再検証します。
次はさらに面白いです。
11|1956 Chevrolet 210 Beauville — 1062FC
同じ4-Door Wagonなのに、1062Fに「C」が加わると6人乗りから9人乗りになる。
ここを掘ります。

コメント