1956 Chevrolet No.38
1956 Chevrolet Task ForceのFactory lineupを見ると、Panelの隣にもう一つ興味深いBODYがあります。
CARRYALL SUBURBANS。
しかもModel Numberは一つではありません。
3106。
3116。
どちらも3100 Series。
どちらも114-inch Wheelbase。
どちらもFactory資料上のMaximum GVWは5,000 lb。
それなのに、Chevroletはわざわざ別のModel Numberを与えています。Factory lineupでも3106と3116は別々に記載されています。
なぜなのか。
調べていくと、1956 Suburbanの面白さはBODY側面だけではありません。
後ろの開き方までBODY Variationだった。
3106と3116は、同じSuburbanを別名で呼んだ数字ではない。Rear Openingの違いまでModel Numberにした2台だった。
CARRYALL SUBURBAN|1956年のFactory Nameを見る
まず名称です。
現在なら単に、
Chevrolet Suburban
と呼びたくなります。
しかし1956 ChevroletのFactory資料で使われている見出しは、
CARRYALL SUBURBANS
です。
MUDIMUでは当時の名称を優先します。
したがってこの記事では、
1956 Chevrolet Carryall Suburban
を基本名称とします。
FACTORY LINEUP|3106と3116
1956 ChevroletのFactory lineupには、Carryall Suburbansとして次の2 Modelが掲載されています。
| Model | Series | BODY | Wheelbase | Max. GVW |
|---|---|---|---|---|
| 3106 | 3100 | Carryall Suburban | 114″ | 5,000 lb |
| 3116 | 3100 | Carryall Suburban | 114″ | 5,000 lb |
ここが重要です。
Wheelbaseは同じ。
GVWも同じ。
Factory illustrationで示される基本的なCarryall Bodyも同じ系列です。
つまり3106と3116の違いを、
「ShortとLong」
「1/2-tonと1-ton」
では説明できません。
No.37の3105と3805とは、まったく違う分かれ方です。
3106 vs 3116|違いはRear Opening
period-derived model tablesでは、この2 Modelを明確に分けています。
3106=Rear Door
3116=End Gate
です。1956年について両方とも3100 Suburban Carryall、1/2-ton、114-inch Wheelbaseとして記録されています。
さらに現存3116についてHemmingsは、114-inch Wheelbaseとともに、後部を水平に分割したtailgate / lift-gate構成として記録しています。
したがって現段階では、
3106=Rear Door type
3116=End Gate / Tail-and-Lift-Gate type
という整理が最も強い。
ただしMUDIMUでは一段慎重にします。
3106/3116というModel NumberとRear Openingの対応は強く裏付けられるものの、Chevrolet一次資料そのものによる正式なRear Door terminologyまで完全確定した段階とはしません。
ここはParts Book/Panel・Suburban専用brochureでさらに詰めます。
同じBODYでも「出口」が違う
これが1956 Suburbanの面白いところです。
3106と3116は、
同じSeries。
同じWheelbase。
同じLoad Class。
同じCarryall Suburban。
それでもRear Openingが違えば、別Model Numberになります。
つまりChevroletは、
人と荷物を載せる箱
だけをBODYとして考えていたのではありません。
その箱へどうAccessするかまでBODY Variationとして扱っていた。
これはMUDIMUで追う価値があります。
3106|Rear Door Type
3106はRear Door typeとして整理されます。
つまり後部をDoorとして開いてCargo / Passenger AreaへAccessする構成です。
ここでは重要なのは、
「Suburbanだから3106」ではない
ということ。
同じSuburbanでも3116があります。
3106というModel Numberまで追って初めて、Rear Opening configurationまで見えてきます。
3116|End Gate Type
3116はEnd Gate typeとして記録されています。
Hemmingsが紹介した1956年型3116では、後部を水平分割するtailgate / lift-gate構成が確認されています。
つまり概念的には、
3106
REAR DOOR TYPE
3116
LIFT GATE
────────
TAILGATE
という違いになります。
同じ114-inch Carryallなのに、
後ろの開き方が違う。
これだけでModel Numberまで変わる。
面白いBODY Variationです。
なぜ2種類必要だったのか
ここで「なぜChevroletが両方用意したのか」という疑問が出ます。
使い方を考えれば合理性はあります。
Door式。
Gate式。
荷物の出し入れ。
後部へのAccess。
開けるために必要なSpace。
荷物を積む時の使い勝手。
それぞれ性格が変わります。
ただし、
「Chevroletが○○用途のために3106、○○用途のために3116を設定した」
というところまで、Factory資料なしに決めつけません。
存在する事実と、そこから考えられる用途は分けます。
3105 vs 3106|PanelとSuburbanは何が違うのか
ここでNo.37のPanelとつながります。
3105 Panel。
3106 Carryall Suburban。
どちらも、
3100 Series。
114-inch Wheelbase。
Factory資料ではMaximum GVWも5,000 lbです。
それでも別BODYです。
| Model | BODY | Wheelbase | Max. GVW |
|---|---|---|---|
| 3105 | Panel | 114″ | 5,000 lb |
| 3106 | Carryall Suburban | 114″ | 5,000 lb |
| 3116 | Carryall Suburban | 114″ | 5,000 lb |
この3台を並べると、1956 Chevroletの考え方が見えてきます。
PANEL|荷物を運ぶClosed BODY
3105 PanelはCargo主体。
Cargo AreaのSide Bodyは基本的に閉じています。
人を運ぶPassenger Wagonとしてではなく、
Closed Cargo Truck
として存在します。
SUBURBAN|人と荷物を運ぶClosed BODY
Carryall Suburbanは違います。
Factory illustrationを見るだけでも、Cargo Area側面に複数のWindowが設けられています。
そしてFactory資料の側面図にはSeat configurationも描かれています。
つまりPanelとSuburbanの違いは、
窓がある/ない
だけではありません。
誰を運ぶか。
どう乗り込むか。
どこへ座るか。
荷物とPassenger Spaceをどう共存させるか。
そこまで含めてBODYが違います。
Panelは荷物のためのClosed Body。Carryall Suburbanは人と荷物を一つのBODYで運ぶためのTruckだった。
「Panelに窓を付けたSuburban」ではない
外形が似ているため、
「Panelに窓を付けたのがSuburban」
と説明したくなります。
MUDIMUでは、そこで止まりません。
Factoryは、
3105=Panel。
3106 / 3116=Carryall Suburban。
と別Model Numberを与えています。
だからまず、
Factory identityが別
というところから考えます。
Roof panel。
Side structure。
Floor。
Seat mounting。
Interior panels。
Rear body。
Doors。
どこまで部品が共通なのかはParts Bookで別に調べる。
見た目が似ているから「同じShell」とは決めません。
114 INCH|3台が同じWheelbaseに集まる
ここは非常に面白い。
3104 Pickup
3124 Cameo Carrier
3105 Panel
3106 Suburban
3116 Suburban
これらが114-inch Wheelbase側に集まります。
しかしBODYは違う。
114-INCH TASK FORCE
3104
PICKUP
3124
CAMEO CARRIER
3105
PANEL
3106
CARRYALL SUBURBAN
REAR DOOR
3116
CARRYALL SUBURBAN
END GATE
同じWheelbaseから、これだけ違うBODYを作る。
これこそ1956 Task ForceのBODY Variationです。
114 inchesは一台のTruckを意味しない。複数の仕事と使い方を載せる土台だった。
SUBURBANはWAGONなのか
BODY研究ではここも面白い問題です。
Passenger Chevroletには、
Handyman。
Townsman。
Beauville。
Nomad。
というStation Wagonがあります。
一方、Truck側には、
Carryall Suburban。
どちらも、
人を乗せる。
荷物を載せる。
Roofがある。
Side Windowがある。
Rear Cargo Areaがある。
現代の目では近い存在です。
しかしFactory classificationは違います。
Passenger Car側は、
Station Wagon。
Task Force側は、
Carryall Suburban。
したがってMUDIMUではSuburbanを単純に、
「Truck版Station Wagon」
とだけ定義しません。
それは理解の補助にはなる。
しかしFactory identityではない。
WAGON vs SUBURBAN|1956 Chevroletには2つの人+荷物BODYがあった
ここが1956 Chevrolet全体を見ると非常に面白い。
Passenger Car側には、
6種類のStation Wagon。
Truck側には、
Carryall Suburban。
つまりChevroletは、
「人と荷物を一緒に運びたい」
という需要に対して、一種類の答えしか持っていませんでした、ではない。
乗用車側から答える。
Truck側からも答える。
これが1956 ChevroletのBODY Variationの厚さです。
BEAUVILLEとSUBURBANは似た目的でも別世界
たとえば1956 Beauville。
9-Passenger Station Wagon。
一方のCarryall SuburbanもPassengerとCargoを扱う。
しかし、
Body architecture。
Chassis。
Wheelbase。
Ride。
Interior。
Rear opening。
Load capability。
Factory classification。
すべて同じではありません。
だから、
何人乗れるかだけでBODYを分類しない。
これもMUDIMUの重要な原則です。
SEAT|SuburbanのBODYは中を見ると分かる
Factory lineupに描かれたCarryall SuburbanのSide diagramを見ると、Passenger seatingがBODY内部へ配置されていることが分かります。
さらにHemmingsの3116 survivor descriptionでは、前席と後席の構成、さらに追加のthird bench seatについて言及されています。これは一台の現存車資料なので、1956全車の標準仕様として一般化はしません。
重要なのは、
SuburbanではSeatがBODY研究の一部になる。
ということ。
PanelではCargo Floorが中心。
SuburbanではPassenger accessとSeat arrangementが入ってくる。
REAR OPENING|BODYの最後尾までModel Identity
普通、古いChevyを見分ける時にはFrontを見ます。
Grille。
Hood。
Fender emblem。
Headlamp。
でも3106と3116では、それでは分かりません。
後ろを見る必要があります。
Rear Doorなのか。
End Gateなのか。
つまり、
1956 Suburbanは、Frontから見ただけではModel Numberまで読めない。
MUDIMUでBODYを研究する理由が、ここによく出ています。
現存車ではさらに難しい
60年以上経過したTruckでは、
Rear Door交換。
Gate交換。
Body repair。
Window modification。
Seat removal。
Camper conversion。
Custom interior。
Chassis modification。
などがあり得ます。
特にSuburbanは現在も実用・Custom両面で魅力のあるBODYです。
だから、
現在のRear Opening=必ずFactory configuration
とは限りません。
「3116だからGate」は強い。しかし現車は別に確認する
資料上では3116=End Gateという対応が強く確認できます。
しかし実車鑑定では、
Model identification。
Chassis/VIN evidence。
Body modification痕跡。
Rear opening structure。
Period parts。
を合わせて見る。
これは重要です。
Factory Model Numberは出生情報。現在のBODYは、その後の人生を含んでいる。
NAPCO|1956 Suburbanで注意したい4WD
1956 Suburbanを調べるとNAPCO 4WD車が出てきます。
Hemmingsが紹介した3116も、1956年にdealer-installed NAPCO PowerPakを装着した個体として説明されています。同記事では、factory option化はその後だったとされています。
したがって1956 Suburbanで4WDを見ても、
1956 Chevrolet factory 4WD BODY variation
と即断してはいけません。
BODY identityと後付け/dealer-installed drivetrainを分けます。
これはNo.41以降のPowertrain研究でも重要になります。
3106と3116はBODY違いなのか、OPTION違いなのか
ここはMUDIMUでは言葉を慎重に使います。
Rear Openingが違う。
Model Numberも違う。
だから単なる後付けAccessoryの違いとして扱うべきではありません。
一方で、
3106と3116がFisher Body的な意味で完全に別Shellなのか
という問いは別です。
Roof。
Side panels。
Doors。
Floor。
Rear pillars。
Gate opening structure。
どこまで共通で、どこから別部品なのか。
これはParts Bookを見なければ確定できません。
したがって現段階では、
同一Carryall Suburban family内のFactory Model Variation
とするのが一番正確です。
3105・3106・3116|Model NumberがBODYを語る
並べてみます。
3105
Panel。
3106
Carryall Suburban / Rear Door。
3116
Carryall Suburban / End Gate。
数字だけを見ると非常に近い。
しかし、その数字の違いには、
Cargo。
Passenger。
Rear Access。
というBODY用途の違いが入っています。
これが面白い。
ChevroletのModel Numberは、ただの管理番号ではない。BODYを掘る入口になる。
FACTORY BODY MAP|1956 Closed Utility
ここまでを整理します。
1956 CHEVROLET
CLOSED UTILITY BODY
PASSENGER CAR
│
├─ HANDYMAN
├─ TOWNSMAN
├─ BEAUVILLE
├─ NOMAD
│
└─ 1508 / 1271
SEDAN DELIVERY
TASK FORCE
│
├─ 3105
│ PANEL
│ 114"
│ CLOSED CARGO
│
├─ 3106
│ CARRYALL SUBURBAN
│ 114"
│ REAR DOOR
│
└─ 3116
CARRYALL SUBURBAN
114"
END GATE
これだけでも、1956 Chevroletがどれだけ細かくBODYを作り分けていたか分かります。
1956 CHEVROLETの「人と荷物」を一枚にすると面白い
将来MUDIMUで独自図解を作るなら、これはかなり強いテーマです。
左から、
Sedan Delivery
Handyman
Townsman
Beauville
Nomad
Panel
Carryall Suburban
をSide Viewで並べる。
そして、
Passenger Car / Truck。
2-door / 4-door。
Passenger / Cargo。
6-passenger / 9-passenger。
114 / 115-inch Wheelbase。
Rear Opening。
を表示する。
これは普通の「1956 Chevy lineup」ではありません。
1956 Chevroletが、人と荷物を運ぶために何種類のBODYを考えたか。
というMUDIMU独自のBODY MAPになります。
MUDIMU VIEW|Suburbanの本当の面白さ
現在のSuburbanを知っている人から見ると、
1956 Suburbanは、
「昔のSUV」
に見えるかもしれません。
でも、それでは1956年のBODYを見たことになりません。
1956 Chevroletの資料へ戻る。
すると、
Carryall Suburban
という名称がある。
3106がある。
3116がある。
同じ114-inch。
同じ5,000-lb Maximum GVW。
それなのにRear Openingが違う。
そして隣には3105 Panelがいる。
Passenger Car側には6種類のWagonまでいる。
そこで初めて、この車の面白さが見えてきます。
Suburbanは一台の名前では終わらない。1956年には「後ろをどう開けるか」までModel Numberになっていた。
CONCLUSION|3106と3116は後ろを見る
1956 Chevrolet Carryall Suburban。
基本BODYは同じfamilyに属します。
3100 Series。
114-inch Wheelbase。
Maximum GVW 5,000 lb。
しかしFactory lineupには、
3106。
3116。
二つのModel Numberがあります。
period model dataでは、
3106=Rear Door
3116=End Gate
として区別されています。
そして3116のperiod-correct survivor documentationでもtail/lift-gate構成が確認できます。
だから1956 Suburbanを見たら、
Frontだけ見て終わらない。
Side Windowを見る。
Seatを見る。
そして、
Rear Openingを見る。
同じCarryallでも、後ろの開き方までChevroletは別Modelにした。
これが3106と3116です。
MUDIMU Research Note
A|3106・3116の存在
1956 Chevrolet Factory lineupには「CARRYALL SUBURBANS」として3106・3116の両方が掲載されています。
A|Wheelbase / GVW
同Factory表では両Modelとも114-inch Wheelbase / 5,000-lb Maximum GVWです。
B|3106=Rear Door / 3116=End Gate
period-derived model dataが1956年についてこの対応を明記しています。3116についてはHemmings掲載車でもtail/lift-gate構成が確認できます。
A|3105 PanelとのFactory分類差
Factory lineupではPanelとCarryall Suburbanが別カテゴリーとして掲載されています。3105・3106・3116はいずれも114-inch / 5,000-lb側ですが、Factory BODY identityは別です。
?|Rear OpeningのChevrolet正式用語
3106/3116のDoor/Gate対応は強いものの、1956 Chevrolet一次資料での部品・Rear Opening正式名称をさらに確認する余地があります。
?|Panel / SuburbanのBODY部品共通性
Roof、Side panel、Floor、Rear pillar、Rear opening structureなど、3105・3106・3116の正確な共通部品範囲はParts Book確認前には断定しません。
?|Seat仕様の全バリエーション
Factory illustrationからPassenger seatingは確認できますが、標準Seat、optional third seat、各Seat configurationの全体系は専用brochure/equipment dataで追加確認します。
No.38はこれでかなり強いです。
特に「Suburban=昔のSUV」で終わらず、3106と3116はRear OpeningまでModel Numberを分けていたところまで掘れました。
次の39|1956 Chevrolet Cameo Carrier|3124はさらに面白いです。今度は同じ114-inchでも、Chevroletが仕事BODYをStylingでどこまで変えたかを追えます。

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