1956 Chevrolet No.45
1956 Chevrolet Task ForceをPickupだけで見ていると、3800 Seriesは単純に、
「3100より大きい1-ton Truck」
くらいに見えてしまいます。
しかしFactory Model Numberを追うと、まったく違う姿が見えてきます。
3802 Flat Face Cowl
3812 Windshield Cowl
3803 Cab & Chassis
3804 Pickup
3805 Panel
3808 Platform
3809 Stake
少なくとも、これだけの異なる完成段階・BODY TYPEが3800 Seriesの中に存在しました。
3600 Seriesが123.25-inch Chassisから多様な仕事BODYを生み出したのに対して、3800 Seriesはさらに長い、
135-inch Wheelbase
を軸に展開します。
3800は一台のTruckではない。135インチの1-ton Chassisを、何の仕事に使うかによって姿を変えるFactory systemだった。
3800 SERIES|まず「3800=Pickup」を捨てる
現在Classic Chevroletの世界では、Series名と特定のBODYが混同されることがあります。
3100と聞けばPickup。
3800と聞けばLong Pickup。
しかしFactory資料を読むなら、この理解では足りません。
3800はSeries。
3804がPickup。
3805がPanel。
3808がPlatform。
3809がStake。
さらに3802、3812、3803のようなChassis/Cowl系Modelも存在します。
整理すると、
| Model | Factory Type |
|---|---|
| 3802 | Flat Face Cowl |
| 3812 | Windshield Cowl |
| 3803 | Cab & Chassis |
| 3804 | Pickup |
| 3805 | Panel |
| 3808 | Platform |
| 3809 | Stake |
同じ3800 Seriesでも、完成した姿は一つではありません。
135-INCH|3800 Seriesを理解する基準
3800 Seriesでまず覚えておきたい数字が、
135 inches
です。
約3.43m。
No.41で研究した3600 Seriesの主要Wheelbaseは123.25 inches。
差は、
11.75 inches。
約298mmです。
3600 SERIES
123.25"
3800 SERIES
135"
しかし、この約30cmを単に、
「荷台を長くするため」
だけで理解してはいけません。
3800 Seriesでは、PickupだけでなくPanel、Platform、Stake、Cab & Chassisなどへ135-inch Chassisが展開されています。
つまり135 inchesは、
複数の仕事BODYを成立させるためのChassis dimension
として見る必要があります。
3804|1-Ton Pickup
もっとも分かりやすい3800 Seriesが、
3804 Pickup。
Factory Pickup lineupでは、
3104
3124 Cameo Carrier
3204
3604
3804
と並びます。
その最後に位置するPickupです。
Factory dataでは、
Model 3804
135-inch Wheelbase
1-ton class
Maximum GVW 7,000 lb
として確認できます。
No.40で比較した通り、1956 Pickup lineupの中では最長Wheelbaseです。
3204・3604・3804|Long Pickupを一括りにしない
現代の売買情報では、
「Long Bed」
という呼び方が便利です。
しかしMUDIMUでは、それだけで分類しません。
1956 Pickupには、
3204 — 123.25″ / Half-ton
3604 — 123.25″ / 3/4-ton
3804 — 135″ / 1-ton
があります。
特に面白いのは3204と3604。
Wheelbaseは同じ。
しかしLoad Classが違う。
そして3804ではWheelbaseもClassも変わります。
Bedが長そうだからLong Bed、では1956 Chevrolet Pickupの違いを説明できない。
Series、Model Number、Wheelbase、GVWを一緒に見ます。
3805|1-Ton Panelという異色のBODY
3800 SeriesでMUDIMU的に非常に面白いのが、
3805 Panel。
1956 Chevrolet Panelには、
3105
そして、
3805
があります。
つまりPanel Truckは一種類ではありません。
3105は114-inch側。
3805は135-inch Wheelbase側。
Wheelbase差は、
21 inches。
約533mmです。
これは小さなVariationではありません。
3105 vs 3805|同じPanelでもBODYは違う
並べて考えます。
3105 PANEL
114"
3805 PANEL
135"
差は21 inches。
約53cmです。
しかも3805は3800 Seriesの1-ton側。
つまり3805は、
「3105の少し長いPanel」
というだけではありません。
Chassis Classそのものが違います。
Closed Cargo Bodyを必要としながら、3105より大きな仕事能力を必要とする用途へ向けたModelとして見るべきです。
PANELが3800 Seriesにある意味
ここは非常に面白いところです。
Pickupが大型化するのは分かりやすい。
PlatformもStakeも、大きな荷物を運ぶなら大型化する理由が見えます。
しかしChevroletは、
Closed Panel Body
まで1-ton側へ用意していました。
つまり1956年当時、
「荷物を雨や外部から守りながら、より大きなCommercial Truckとして使いたい」
という需要にもFactoryで答えていた。
3805は、現在のCollector popularityだけでは見えにくい1956 Chevroletの仕事車思想を示しています。
3808|1-Ton Platform
No.44で取り上げた、
3808 Platform。
これも3800 Seriesです。
135-inch Wheelbase。
1-ton class。
Pickup Boxではなく、平らなCargo Platformを使う。
3804と3808を並べると、
同じSeries。
同じ135-inch class。
しかしCargoの扱い方が違います。
3804
PICKUP BOX
3808
PLATFORM
3804はCargoを箱へ入れる。
3808はSideからも扱いやすい開いたDeckへ載せる。
BODYが仕事の方法を変えています。
3809|1-Ton Stake
そして、
3809 Stake Truck。
No.43で見たStake BODY FAMILYの一員です。
3808と3809は非常に重要な組み合わせです。
3808 Platform。
3809 Stake。
PlatformへStake structureを持たせることで、Cargoを保持する能力を加える。
概念としては、
3808
PLATFORM
──────────────
3809
STAKE
│ │ │ │ │ │ │
──────────────
ただし、3808へStakeを後付けすればFactory 3809になる、という意味ではありません。
Factory Model identityは別です。
3804・3808・3809|同じ135インチから3つの荷台
ここが3800 SeriesのBODY研究で特に面白い部分です。
3804 — Pickup
3808 — Platform
3809 — Stake
同じ135-inch Seriesから、少なくとも3種類のOpen Cargo Bodyが選べる。
違いは見た目だけではありません。
3804 Pickup
Cargoを固定されたBoxへ収める。
3808 Platform
Cargoを平らなDeckへ載せる。
3809 Stake
PlatformへStake sidesを加え、Cargoを保持する。
つまり、
箱に入れる。
平らに載せる。
載せて囲う。
Chevroletはこの三つを別Modelとして用意していました。
3803|BODYを決めないという商品
さらに重要なのが、
3803 Cab & Chassis。
これにはFactory Pickup BoxもPanel BodyもPlatformもStakeもありません。
しかし、
「未完成のTruck」
ではありません。
Cab & Chassisという完成した商品状態です。
購入者やBody Builderが用途に合わせたRear Bodyを取り付けるための出発点になります。
ここで3800 Seriesの世界が一気に広がります。
FACTORY BODYとBODY BUILDER BODY
3800 Seriesを研究すると、Factory完成車だけでは説明できないCommercial Vehicleの世界へ入ります。
たとえば現在、
1956 Chevrolet 3800
135-inch Wheelbase
Flat cargo body
という車が残っていたとします。
見た目だけなら3808 Platformに見える。
しかし実際には、
3803 Cab & ChassisとしてFactoryを出て、
当時のBody BuilderがPlatform-type bodyを架装した可能性もあります。
あるいは後年に荷台を交換した可能性もある。
だから、
現在Platformだから3808、とは限らない。
Model identificationが必要です。
3802|Flat Face Cowl
さらに特殊なのが、
3802 Flat Face Cowl。
Factory Engineering Featuresでは3802がFlat Face Cowl groupに入っています。
ここでは通常のPickupのように、
Cab+Rear Body
まで完成した状態ではありません。
Body Builderがさらに車体を完成させることを前提としたCommercial Chassisの世界です。
3800 Seriesが「PickupのSeries」ではないことが、ここではっきりします。
3812|Windshield Cowl
もう一つ、
3812 Windshield Cowl。
3802と3812は名前が似ていますが、同じものとして扱ってはいけません。
Flat Face Cowl。
Windshield Cowl。
Chevroletは供給する前部Bodyの完成段階まで作り分けていました。
ここはParts BookやBody Builder資料を使って、
Firewall/cowl。
Windshield。
Dash。
Front sheet metal。
Cab structure。
のどこまでがFactory suppliedだったのかを最終的に分解する必要があります。
現段階では名称から勝手に部品構成を断定しません。
COMPLETION LEVEL|3800 Seriesには「完成度」のVariationもある
Passenger Carでは、Factoryを出た時点でほぼ完成した自動車です。
Commercial Truckでは違います。
3802 Flat Face Cowl。
3812 Windshield Cowl。
3803 Cab & Chassis。
3804 Pickup。
3805 Panel。
3808 Platform。
3809 Stake。
これを並べると、BODY TYPEだけでなく、
Factoryがどこまで車体を完成させて渡すか
というVariationまで存在することが分かります。
これはCommercial Chevroletを研究するときの重要な視点です。
3800 BODY MAP
現在確認できている3800 Seriesを、MUDIMU式に並べます。
1956 CHEVROLET
3800 SERIES
135-INCH / 1-TON FAMILY
├─ 3802
│ FLAT FACE COWL
│
├─ 3812
│ WINDSHIELD COWL
│
├─ 3803
│ CAB & CHASSIS
│
├─ 3804
│ PICKUP
│
├─ 3805
│ PANEL
│
├─ 3808
│ PLATFORM
│
└─ 3809
STAKE
これを見ると、
3800=1-ton Pickup
という説明がどれほど狭いか分かります。
3600 SERIESとの違い
No.41の3600 Seriesと比較するとさらに面白い。
3600側では、
3602 Flat Face Cowl
3612 Windshield Cowl
3603 Cab & Chassis
3604 Pickup
3608 Platform
3609 Stake
を確認しました。
3800側では、
3802 Flat Face Cowl
3812 Windshield Cowl
3803 Cab & Chassis
3804 Pickup
3805 Panel
3808 Platform
3809 Stake
となります。
大きな違いの一つが、
3805 Panel。
3600 Seriesには同じ形で3605 Panelが並ぶわけではありません。
ここは重要です。
Seriesが一段大きくなっても、すべてのModel Numberが機械的に横展開されるわけではない。
ChevroletはSeriesごとに必要なBODYを選んでいた。
だからModel Numberを推測で埋めてはいけません。
3100 SERIESとの関係も面白い
3100 Seriesには、
3102 Flat Face Cowl
3112 Windshield Cowl
3103 Cab & Chassis
3104 Pickup
3105 Panel
3106 Carryall Suburban
3116 Carryall Suburban
などがあります。
3800 Seriesには、
3805 Panelはある。
しかし3106/3116に対応する3806/3816 Suburbanが同じように存在する、とはなりません。
つまり、
Panelは大型化した。Suburbanは同じようには大型化しなかった。
これもBODY Variationとして非常に面白い事実です。
PASSENGERとCARGOの境界
なぜ3105 Panelは3805へ展開し、
3106/3116 Suburbanは同じ形で3800へ展開しなかったのか。
ここには用途の違いが見えます。
PanelはCargo-first。
Suburban CarryallはPeople+Cargo。
Chassisを1-ton、135-inchへ大型化したとき、
Commercial Cargo用途ではPanelの需要が成立する。
しかしCarryallを同じ方式で大型化する必要性は別問題だった。
これはFactory lineupそのものから読める設計思想です。
3805はかなり重要な一台
MUDIMUでは3805を脇役にしません。
理由は簡単です。
1956 Chevroletで135-inch Wheelbaseの1-ton PanelがFactory Modelとして存在した。
これだけで十分面白い。
Pickupなら想像しやすい。
Stakeも仕事車として分かりやすい。
しかし、
巨大なClosed Panel BODY
が同じ3800 Seriesにいる。
これはBODY Variationを追う図鑑なら、単独でさらに掘る価値があります。
3800 SERIESを見るときの注意
現存車では70年の間にBODYが変わっている可能性があります。
Pickup Bed交換。
Flatbed conversion。
Stake body replacement。
Panel window modification。
Commercial body replacement。
Wheel/tire変更。
Rear axle変更。
だから現在の外観だけでModel Numberを判断しません。
確認順は、
Model identification
→ Wheelbase
→ Series
→ Factory BODY
→ 現在のBODY
です。
現在の姿から過去を決めるのではなく、
Factory identityから現在までの変化を追います。
135インチだから3800、でもない
Wheelbaseも強力なIdentification clueですが、それだけで決定しません。
Commercial Chevroletでは複数SeriesやChassis architectureを横断して寸法を見る必要があります。
したがって、
「135インチだから3800」
という逆引きだけでModelを確定するのも危険です。
Model Number、Factory plate、Chassis specification、BODYを組み合わせます。
一つの特徴で決めない。複数のFactory evidenceを重ねる。
これがMUDIMUの実車判定ルールです。
MUDIMU BODY CHECK|3800 Series
1956 Chevrolet 3800を調べる場合は、最低限ここを確認します。
Model Number
3802・3812・3803・3804・3805・3808・3809のどれか。
Wheelbase
135-inch specificationとの整合。
Factory completion level
Cowl / Cab & Chassis / complete body。
BODY TYPE
Pickup / Panel / Platform / Stake。
GVW
Modelとequipment specificationに整合するか。
Rear wheels / tires
Single / Dualを含め、Factory conditionを確認。
Current body
Factory bodyなのかperiod bodyなのか後年conversionなのか。
Dimensions
Pickup、Panel、Platform、StakeそれぞれのFactory drawingと比較。
Documentation
Factory plate、period paperwork、brochure、specificationを優先する。
MUDIMU VIEW|3800は「大きなPickup」ではなかった
3804だけを見ると、
3800 Series=大きなPickup。
に見えます。
3805を見ると、それが崩れる。
3808を見るとさらに崩れる。
3809を見る。
3803を見る。
3802。
3812。
ここまで並べると、3800 Seriesの正体が見えてきます。
135インチの1-ton Chassisを中心に、Chevroletが仕事に応じて完成状態そのものを変えたSeries。
それが1956 Chevrolet 3800です。
CONCLUSION|135インチから7つの答えが生まれた
1956 Chevrolet 3800 Series。
現在確認できる主要Factory Modelは、
3802 Flat Face Cowl
3812 Windshield Cowl
3803 Cab & Chassis
3804 Pickup
3805 Panel
3808 Platform
3809 Stake
少なくとも7つ。
そして中心となるWheelbaseは、
135 inches。
同じChassis familyから、
BODYを作らせるためのCowl。
Cabまで完成したCab & Chassis。
箱型荷台のPickup。
Closed CargoのPanel。
囲わないPlatform。
Platformを囲うStake。
まで用意されていました。
3800 Seriesは「1-ton Pickup」ではない。
135インチのChassisから、仕事ごとに違うBODYを生み出すためのFactory systemだった。
そして、このSeriesの中でも特に異彩を放つのが、
3805 Panel。
次に3805と3809を並べると、
同じ3800 Series・135インチでも「完全に囲うBODY」と「開いて囲うBODY」がどう違うのか
が見えてきます。
MUDIMU Research Note
A|3800 Series Model mapping
1956 Chevrolet Truck Engineering Featuresで3802=Flat Face Cowl、3812=Windshield Cowl、3803=Cab Chassis、3804=Pickup、3809=Stakeを確認。Factory full-line資料とModel listingsを併用して3805 Panel、3808 Platformを確認。
A|3804
Factory Pickup dataで3804=135-inch Wheelbase、1-ton class、Maximum GVW 7,000 lbを確認。
A|3805
1956 Chevrolet Factory lineupで3805 Panelを確認。3105 Panelとは異なる135-inch/3800 Series側のBODY。
B|3808
1956 model listingで3808=3800 Series / 1-ton / 135-inch Platformを確認。
A|3809
Factory Engineering FeaturesでStake Modelとして確認。
?|3802と3812のFactory supplied component境界
Flat Face CowlとWindshield Cowlの名称は一次資料で確認できますが、各BODY componentの厳密な供給範囲はBody Builder/Parts資料との照合後に確定します。
?|3803ベースのperiod commercial bodies
Factory Cab & ChassisからBody Builderによって作られた個別BODYはFactory 3808/3809とは区別して扱います。個別メーカー・Body typeはBody Builder資料を確保してから分類します。

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