19|1956 Chevrolet 210 Sport Coupe|1037、Bel Airだけではなかった2-Door Hardtop

1956 Chevrolet No.19

1956 Chevroletの2-Door Hardtop。

そう聞くと、多くの人が最初に思い浮かべるのはBel Air Sport Coupeでしょう。

しかし、そこで終わると1956 ChevroletのBODY VARIATIONを半分しか見ていません。

同じHardtop BODYは、210 Seriesにも存在しました。

Two-Ten Sport Coupe。

Model 2154

Fisher Style 56-1037

そしてこれは、No.18で見たDelray Club Coupe 1011Aとはまったく違います。

1956 Chevroletでは、「Coupe」と「Hardtop」は同じ意味ではない。1037を見て初めて、本当の2-Door Hardtopが見えてくる。

しかも1037には、さらに面白い相手がいます。

Bel Air Sport Coupeの、

1037D。

今回は1956 ChevroletのHardtop Familyの入口、1037を追います。


目次

SPORT COUPE|まずFactory Identityを固定する

1956 ChevroletのModel資料では、Two-Ten Sport Coupeは次の組み合わせになります。

項目1956 Chevrolet 210 Sport Coupe
SeriesTwo-Ten / 210
Model2154
Fisher Style56-1037
Factory NameSport Coupe
Doors2
Passenger Capacity6
BODYHardtop
Wheelbase115 in.

1956年の210 BODY一覧でも、Model 2154 / Style 1037はSport Coupeとして記録されています。

ここで覚えておきたい数字は二つだけです。

2154。

1037。


HARDTOP|1037最大の特徴はB-Pillarがないこと

No.18のDelray Club Coupeでは、

B-Pillarがある。

これが重要でした。

1037 Sport Coupeは逆です。

Hardtop BODY。

固定されたセンターピラーを持たないことで、Side Glassを下げたときに前後のSide Openingが大きくつながります。

この開放感こそ、1950年代American CarのHardtop Stylingを象徴する特徴の一つです。

【画像予定:1956 Chevrolet 210 Sport Coupe 全Side View】


1011A vs 1037|「Coupe」同士なのにBODYは違う

ここでNo.18と並べます。

Delray Club Coupe210 Sport Coupe
Model21242154
Fisher Style1011A1037
Series210210
Doors22
Passenger66
B-Pillarありなし
BODYPillaredHardtop

両方とも210。

両方とも2-Door。

両方とも6-Passenger。

そして両方とも名前にCoupeが入る。

しかしBODYは違います。

これがBODY研究を面白くします。


CLUB COUPE vs SPORT COUPE|Chevroletは名前も分けていた

1956 Chevroletは、

Delray Club Coupe

と、

Sport Coupe

を別に用意しました。

現代の中古車広告では、どちらも単に「2-Door Coupe」と書かれてしまうことがあります。

それでは1956 Chevrolet本来の商品構成が消えてしまいます。

MUDIMUでは、

Club Coupe = 1011A

Sport Coupe = 1037

を分けます。

名前が似ていることと、BODYが同じことは別です。


ROOF|1037は屋根から違う

HardtopをHardtopらしくしているのは、単にB-Pillarを外したことだけではありません。

Roof。

Door Glass。

Quarter Glass。

Weatherstrip。

Roof Rail。

Window Opening。

これらがHardtopとして成立するように構成されています。

つまり普通の2-Door Sedanからセンターピラーだけを切れば1037になる、という話ではありません。

1037はHardtopとして設計されたBODY Familyです。

Replacement Glassの資料でも1955–57 ChevroletのModel 2154 / Style 1037は2-Door Hardtop用としてまとめられており、Hardtop専用Side Glass体系の存在を補強しています。


SIDE GLASS|1037を見るなら窓を全部下げたい

Hardtop BODYの魅力は、Side Viewだけでは完全には分かりません。

Front Door Glass。

Rear Quarter Glass。

これらを下げる。

すると、

前から後ろまで大きく開いたSide Opening

が現れます。

Pillared Sedanでは中央にBODY Structureが残る。

1037ではそこが開く。

これが「Hardtopらしさ」です。

【画像予定:1037 Side Glass UP / DOWN 比較】

これはMUDIMU BODY図解としてぜひ作りたい一枚です。


1037 vs 1037D|ここからさらに面白くなる

1956 Chevroletには、もう一台の2-Door Sport Coupeがあります。

Bel Airです。

210 Sport Coupe:

2154 / 1037

Bel Air Sport Coupe:

2454 / 1037D

また出てきました。

D。

1956 CHEVROLET 2-DOOR HARDTOP

210 SPORT COUPE
2154 / 1037
        │
        │ HARDTOP FAMILY
        │
        ▼
BEL AIR SPORT COUPE
2454 / 1037D

これは非常に重要なBODY Familyです。


1037 FAMILY|BODYとSeriesを分けて考える

ここで「210とBel Airだから別の車」とだけ考えると、BODY関係を見失います。

Seriesは違う。

Trimも違う。

装飾も違う。

しかしFisher Styleを見ると、

1037

と、

1037D。

非常に強いFamily関係が見えます。

MUDIMUではこれを、

1037 BODY FAMILY

として追う価値があると考えます。

ただし、1037と1037Dの全外板・Glass・Interior Structureが完全共通だとは、Parts Book照合前には断定しません。


D|またBel Airに現れるSuffix

これまでにもD系統は出てきました。

Bel Air 2-Door Sedan:

1011D

Bel Air 4-Door Sedan:

1019D

Bel Air Sport Sedan:

1039D

Bel Air Sport Coupe:

1037D

そしてWagonでは、

1062DFC

や、

1064DF

があります。

かなり強い規則性です。

しかしMUDIMUのルールは変えません。

「DがBel Air系Styleに強く対応している」ことと、「Fisher BodyがDをBel Airと公式定義した」ことは別。

PrimaryのSuffix Definitionが見つかるまでは、そこを分けます。


210 HARDTOP|これが意外と見落とされる

1956 Chevrolet Sport Coupeの写真を見て、

「Bel Airだ」

と思ってしまうことがあります。

理由は簡単です。

Tri-Five ChevroletのHardtopといえば、Bel Airの印象が圧倒的に強いからです。

しかし210にも、

Factory-built 2-Door Hardtopが存在した。

これは後から誰かがBel Air Roofを移植した特殊車ではありません。

Model 2154。

Style 1037。

れっきとしたFactory Modelです。


BEL AIRより少ない|だから1037が面白い

ここでProductionを見ると、210 Sport Coupeの立ち位置がさらに分かります。

資料には数字の差があります。

Over-Driveの1956 Fact Sheetでは、210 Sport Coupeを18,616台としています。

AACA Chesapeake Regionの記事も18,616台を掲げています。

一方、別のSecondary Sourceでは19,079台という数字も確認できます。

したがってMUDIMUでは現段階で、

18,616という有力値があるが、19,079という競合値も存在する

と記録します。

最終確定はNo.32 Production Numbersで行います。

これでいい。

都合のいい数字を一つ選びません。


BEL AIR SPORT COUPEとの生産差

同じSecondary Sourcesでは、Bel Air Sport Coupeが約12.8万〜13万台規模とされています。

つまり2-Door Hardtop自体が珍しかったわけではありません。

210のHardtopが少なかった。

ここがポイントです。

Hardtopを欲しい買い手の多くが、より華やかなBel Airへ行ったと考えると、1956年当時の商品選択も見えてきます。

ただし購入理由そのものをProduction Numberだけから断定はしません。


「BEL AIR LOOK」問題|現存210を見るときの注意

これは実車購入でも重要です。

210 Sport CoupeとBel Air Sport CoupeはBODY Familyが近い。

すると後年、

Bel Air Trim。

Bel Air Side Molding。

Bel Air Interior。

Bel Air Badge。

などを210へ取り付けることができます。

実際、Classic Car市場ではRestomodやTrim変更によって210なのかBel Airなのか説明が混乱している例があります。

だから外装だけを見て、

「Bel Airだ」

と決めるのは危険です。


COWL TAG|1037か1037Dか

ここで再びStyle Numberが効きます。

210 Sport Coupeなら、

STYLE 56-1037

Bel Air Sport Coupeなら、

STYLE 56-1037D

まずここを見る。

MoldingがBel AirだからBel Air。

InteriorがBel AirだからBel Air。

BadgeがBel AirだからBel Air。

ではありません。

70年の間に交換できる部品と、

Factory BODY Identity

を分けて考えます。


210をBEL AIR CLONEにしてもBODYの生まれは変わらない

たとえば本物の56-1037へBel Air Exterior Trimを取り付ける。

InteriorもBel Air仕様にする。

Wheel Coverも変更する。

外から見ればBel Air Sport Coupeそっくりになるかもしれません。

しかしCowl Tagが、

56-1037

なら、Factory BODY Identityは210 Sport Coupeです。

逆に1037DからBel Air Trimが失われていても、Factory Identityまで210になるわけではありません。

Trimは着替えられる。Style Numberは、そのBODYが何として生まれたかを追う手掛かりになる。


210だから地味、ではない

210というと、

「Bel Airより下」

という価格Hierarchyだけで説明されがちです。

それでは1037の面白さを落とします。

1956 Two-Tenには、

Sedan。

Delray。

Wagon。

9-Passenger Beauville。

4-Door Hardtop。

そして、

2-Door Hardtop Sport Coupe

までありました。

210は「廉価版Bel Air」というより、

1956 Chevroletで最もBODY選択肢の広いSeriesの一つ

として見る方が面白い。


1037のStyling|装飾を減らすとBODYが見える

ここはMUDIMU的にはかなり重要です。

Bel Air 1037Dは華やかです。

Chrome。

Two-Tone。

Interior。

Badge。

そのため目がTrimへ行きやすい。

210の1037は、比較的装飾が抑えられています。

すると逆に、

Roofline。

Window Opening。

Rear Quarter。

Beltline。

Hardtop Profile。

という、

BODYそのものの形が見えやすい。

これは210 Sport Coupeの大きな魅力です。


TWO-TONE|210でも色遊びはできた

「Two-ToneはBel Airだけ」という理解も正しくありません。

1956 Two-Tenには複数のTwo-Tone Combinationが用意されていました。

Secondary資料では210に14種類のTwo-Tone組み合わせがあったとする記録もあります。

ただしFactory ColorsとTwo-Tone Patternについては、

No.28 Factory Colors

No.29 Two-Tone Guide

でPaint ChartとPeriod Literatureを使って正式に整理します。

1037の場合はHardtop RoofとBody Colorの関係も重要です。


HARDTOP × TWO-TONE|1956らしさが最も出るBODYの一つ

1956 ChevroletのStylingを考えると、

Hardtop Roof。

大きなSide Opening。

Sweep形状のSide Trim。

Two-Tone Paint。

この組み合わせは非常に強い。

特にSide Profileでは、Paint BoundaryとChrome MoldingがBODY Shapeを強調します。

【画像予定:1956 210 Sport Coupe Two-Tone Side View】

後のCOLOR記事では、単にColor Nameを一覧にするだけではなく、

1037のBODY上で色がどこに分かれるのか

まで追います。


GLASS|1037を判定する重要部品

Hardtop BODYではGlassが重要です。

Windshieldだけではありません。

Door Glass。

Rear Quarter Glass。

Rear Window。

これらの組み合わせがHardtop Profileを作ります。

1955–57 Chevrolet用Replacement Glass資料でも、2154 / 1037が2-Door Hardtop用Side GlassのApplicationとして確認できます。

ただしReplacement Parts SourceはFactory Primaryではありません。

MUDIMU評価ではBレベルの補強資料として使います。


1037と1037Dはどこまで同じなのか

ここは今後かなり深く掘れます。

確認したいのは、

Door Shell。

Door Glass。

Quarter Glass。

Roof Panel。

Rear Window。

Quarter Outer Panel。

Floor Pan。

Deck Lid。

Weatherstrip。

Roof Rail。

Windshield。

そしてInterior Trim mounting。

もし主要BODY Partsが共通なら、

1037と1037Dの違いがどこからSeries Trimへ移るのかが見えてきます。

逆にPart Numberが分かれる場所があれば、

「同じHardtopにTrimを変えただけ」

ではないことも見えてきます。

これはParts Book調査案件として残します。


1037 vs 1039|次のHardtop Familyも見えてくる

1956年にはもう一つ重要な数字があります。

1039。

210 Sport Sedan。

4-Door Hardtopです。

つまり、

1037 = 2-Door Hardtop

1039 = 4-Door Hardtop

という構成になります。

さらにBel Airでは、

1037D = 2-Door Hardtop

1039D = 4-Door Hardtop

です。

1956 CHEVROLET HARDTOP MAP

            2-DOOR          4-DOOR

210         1037            1039

BEL AIR     1037D           1039D

これは非常に美しいBODY MAPです。

No.21以降で1039を掘ると、この構造が完成します。


1956年の重要点|4-Door Hardtopが加わった

2-Door Sport Coupe自体は1956年に突然生まれたものではありません。

しかし1956年には、新しい4-Door Hardtop Sport Sedanが210とBel Airに加わりました。

そのため1956年は、

2-Door Hardtopだけだった世界が、4-Door Hardtopへ横に広がった年

として見ることができます。

1037を理解してから1039を見る。

この順番が重要です。


ENGINE|1037はBODY NumberであってEngineではない

現存する210 Sport Coupeには、

235 Six。

265 V8。

そして後年載せ替えられた350など、さまざまなEngineが見つかります。Secondary資料でも235と265系の複数仕様が確認できます。

しかし、

1037 = V8

ではありません。

1037はBODY Style。

Engineは別のIdentification Layerです。

EngineのFactory CombinationはNo.41以降で整理します。

ここでもBODYとPowertrainを混ぜません。


SURVIVOR|現存車ほど注意して見る

1956 210 Sport CoupeはRestomodのベースにもなっています。

実際、現在のAuction市場では350 Small Blockや4-Speedへ変更された1037系車両も確認できます。

だから、

現在付いているEngine。

Transmission。

Seat。

Wheel。

Brake。

これらからFactory BODYを判断しません。

最初に見るのは、

BODY。

そして、

Cowl Tag。


1037を見分ける順番

実車を見るなら、この順番です。

1. 1956 Chevroletか

2. 2-Doorか

3. B-PillarがないHardtopか

4. Cowl Tagを確認

5. STYLE 56-1037か

6. 1037Dではないか

7. Exterior Trimを確認

8. Trim Code / Interiorを確認

9. Paint Codeを確認

10. VIN / Engineを別確認

これならBel Air Cloneにも強くなります。


DELRAYとの誤認も防げる

Sellerが単に、

1956 Chevrolet 210 Coupe

と書いていたらどうするか。

それだけでは分かりません。

Delray Club Coupeかもしれない。

Sport Coupeかもしれない。

そこでSide Windowを見る。

B-Pillarがある。

→ 1011A候補。

B-Pillarがない。

→ 1037候補。

そしてCowl Tagを見る。

これだけでBODY Identificationの精度が大きく上がります。


「210 HARDTOP」という存在を覚えておく

1956 ChevroletのBODYを知らないと、

Hardtop = Bel Air

という思い込みが生まれます。

でも違います。

210にもHardtopがある。

しかも2-Doorだけではありません。

1956年には4-Door Hardtopまであります。

だから1956 ChevroletをSeriesだけで覚えるより、

Series × BODY

で覚えた方が圧倒的に面白い。


MUDIMU VIEW|1037はBel Airの廉価版では終わらない

1037を、

「Bel Air Sport Coupeの安い版」

と説明することはできます。

価格Hierarchyだけ見れば間違いではありません。

でも、それではBODY図鑑として弱い。

MUDIMUではこう見ます。

1037は、Bel Airの象徴と思われがちなHardtop Stylingを、210 Seriesにも与えたBODY。

だから価値があります。

そしてProductionを見ると、Bel Air 1037Dほど多くない。

つまり1956 Chevrolet Hardtopを研究するとき、

むしろ210 Sport Coupeの方が見落としてはいけない存在

です。


CONCLUSION|HardtopはBel Airだけではない

1956 Chevrolet 210 Sport Coupe。

Model 2154

Fisher Style 56-1037

2-Door。

6-Passenger。

そして、

Hardtop。

Delray Club Coupe 1011Aとは違う。

Bel Air Sport Coupe 1037DともSeriesが違う。

しかし1037Dとは強いBODY Family関係を持っています。

そして1956年には、この1037の考え方が4-Doorの1039へも広がります。

ここまで見えてくると、1956 ChevroletのHardtop構成はかなり面白い。

Hardtopを見たらBel Airと思うな。まず1037か1037Dかを見る。

これがMUDIMUの1956 Chevrolet BODY研究です。

有名な車名から入るのではない。

BODY NUMBERからChevroletを見る。

1037は、その面白さが非常によく分かる一台です。

MUDIMU Research Note

A|Factory Identity
1956 Two-Ten Sport CoupeはModel 2154 / Fisher Style 56-1037として扱う。2-Door Hardtop BODY。1956 model listingsでも2154 / 1037が確認できる。

A|BODY distinction
Delray Club Coupe 2124 / 1011Aとは別BODY。Club CoupeとSport Coupeを名称だけで混同しない。

B|Hardtop Glass
Replacement Glass Applicationでは1955–57 Model 2154 / Style 1037が2-Door Hardtop用として確認できる。Factory Parts Bookによる最終照合は今後行う。

C / ?|Production
18,616台という複数のSecondary Source値がある一方、19,079台という別値も存在する。No.32でProduction Sourceを統一して再検証する。

?|1037 vs 1037D
Door、Roof、Quarter、Glass、Floor、Weatherstrip等のFactory Part Number比較は未完。両者を同じ1037 BODY Familyとして研究するが、「全BODY Parts完全共通」とはまだ断定しない。

?|Fisher suffix D
1037DがBel Air Sport Coupeであることは確認できるが、DそのもののFisher公式定義は引き続きPrimary Source待ち。

これで19本文完成です。

次は 20|1956 Chevrolet Bel Air Sport Coupe — 1037D
ここは有名車だから軽く済ませるのではなく、1037→1037Dで何が変わるのかをBODY・Trim・Seriesの境界から掘ります。

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この記事を書いた人

1959、1960、1962、1968年式Chevroletの所有経験を持つ。現在、当時のChevrolet資料をもとにBODY、COLOR、TRIMを中心とした日本語アーカイブを構築中。

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