1956 Chevrolet No.51
1956 ChevroletのCommercial Truckを深く追うと、PickupやPanelとはまったく違う世界へ入っていきます。
No.50で見たCab & Chassisでは、ChevroletがCabとChassisを用意し、Rear BodyをBody Builderへ任せていました。
ところがChevroletは、さらにその先まで用意していました。
Flat Face Cowl。
そして、
Windshield Cowl。
Factory資料では、少なくとも次のModel Numberが確認できます。
Flat Face Cowl
3102 / 3602 / 3802 / 4102 / 4402 / 4502
Windshield Cowl
3112 / 3612 / 3812 / 4112 / 4412
ここではもう、
「荷台を何にするか」
だけの話ではありません。
CabそのものをどこまでChevroletが完成させ、どこから先をBody Builderへ渡すのか。
そこまでFactory Modelとして選べたのです。
1956 ChevroletのBODY Variationは、完成したBODYの種類だけではない。BODYをどこから作り始めるかまで選べた。
COWL CHASSIS|完成車を探していると見落とすChevrolet
普通のClassic Chevrolet図鑑なら、
Pickup。
Panel。
Suburban。
Stake。
Cameo。
あたりを並べれば、それなりに充実して見えます。
しかしFactory Engineering Featuresを見ると、その裏側にCowl Chassisがあります。
これは完成したCargo Bodyを持つTruckとは性格が違います。
Body Builderが独自の車体を成立させるための、
Factory starting point
です。
概念的には、
COMPLETE TRUCK
[CAB][FACTORY REAR BODY]
CAB & CHASSIS
[CAB][──────── CHASSIS ────────]
↓
BODY BUILDER
COWL CHASSIS
[COWL][──────── CHASSIS ───────]
↓
BODY BUILDERが
CAB/BODYまで大きく設計
Cowlになると、Body Builderが関与する範囲がさらに前方へ広がります。
FLAT FACE COWL|6つのModel Number
1956 Chevrolet Truck Engineering FeaturesでFlat Face Cowlとして確認できるのは、
| Model | Factory classification |
|---|---|
| 3102 | Flat Face Cowl |
| 3602 | Flat Face Cowl |
| 3802 | Flat Face Cowl |
| 4102 | Flat Face Cowl |
| 4402 | Flat Face Cowl |
| 4502 | Flat Face Cowl |
6 Modelあります。
ここで重要なのは3102だけではありません。
3602。
3802。
4102。
4402。
そして4502。
複数のChassis ClassへFlat Face Cowlという供給形態が展開されています。
つまり、かなり特殊に見えるCowl仕様も、
一台だけの例外ではなくFactory lineupの体系
として存在していました。
WINDSHIELD COWL|こちらは5 Model
Windshield CowlとしてFactory資料に並ぶのは、
| Model | Factory classification |
|---|---|
| 3112 | Windshield Cowl |
| 3612 | Windshield Cowl |
| 3812 | Windshield Cowl |
| 4112 | Windshield Cowl |
| 4412 | Windshield Cowl |
こちらは5 Model。
Flat Face Cowlと比較すると、
3102 ↔ 3112
3602 ↔ 3612
3802 ↔ 3812
4102 ↔ 4112
4402 ↔ 4412
という対応が見えてきます。
そしてFlat Face Cowl側には、
4502
も確認できます。
この差を勝手に埋めてはいけません。
「なら4512もあるはずだ」
とはしません。
Factory資料で確認できたModelだけを記録します。
02と12|数字から推測しすぎない
並べると非常にきれいです。
FLAT FACE COWL WINDSHIELD COWL
3102 3112
3602 3612
3802 3812
4102 4112
4402 4412
4502 —
02系。
12系。
明らかにFactory classificationとの関係があります。
しかしMUDIMUでは、
「02はChevrolet全全年式でFlat Face Cowlを意味する」
とは書きません。
同様に、
「12なら必ずWindshield Cowl」
とも一般化しません。
1956年Factory資料で確認できるModel codingとして記録します。
FLAT FACE COWLとは何を意味するのか
名前だけ見ると、
「平らな顔のTruck」
と想像してしまいます。
しかし、ここでいうFlat Face CowlはStyling名称として理解するべきではありません。
重要なのは、
Body Builderへ渡されるFactory completion level
です。
完成したConventional Cabを持つCab & Chassisとは違う。
Windshield Cowlとも違う。
Body Builderが独自BODYを作るため、より基礎的なCowl/Chassis configurationとしてFactoryから供給されます。
ただし、どのPanel、Dash、Cowl component、Control、Seat、Windshield componentまで含まれたのか。
これはFactory Body Builder資料・Parts資料と照合して個別に固定します。
名称だけから部品構成を推測しません。
WINDSHIELD COWL|Windshieldがある意味
Windshield Cowlは、その名称どおりFlat Face Cowlとは供給される前部BODY componentの範囲が異なるFactory configurationです。
ここで大事なのは、
「Flat Face Cowlより完成車に近い」
という方向性です。
ただし、
Windshield。
Pillars。
Cowl。
Dash。
Doors。
Roof。
Seat。
Controls。
それぞれがどこまでFactory supplyに含まれるのかは、一次資料による部品構成確認が必要です。
MUDIMUでは、
「Windshield CowlだからCabの前半分が全部完成していた」
とは推測で書きません。
CAB & CHASSISとの決定的な違い
Cab & Chassisでは、Chevrolet Cabが存在します。
3103。
3603。
3803。
4103。
4403。
Rear BodyをBody Builderへ任せても、
Driver compartmentの基本的な外観はChevrolet Truck
です。
Cowl ChassisではBody Builderが関与する範囲がさらに広くなります。
ここが大きな違いです。
CAB & CHASSIS
CHEVROLET CAB
██████████
└──── BODY BUILDER
COWL CHASSIS
CHEVROLET COWL
████
└────────── BODY BUILDER
模式図ですが、考え方はこれです。
BODY BUILDER|「後ろ」だけを作る会社ではない
Body Builderというと、
Chevrolet TruckのCab後ろへ荷台を載せる会社、
と考えがちです。
Cowl Chassisを見ると、それでは足りません。
Body Builderは、
Cargo section。
Side walls。
Roof。
Rear opening。
Passenger compartment。
Driver enclosure。
特殊設備。
など、用途によっては完成車の外観そのものを大きく作ることになります。
だからCowl Chassisでは、
同じChevrolet Model Numberでも完成後の姿が大きく違う可能性
があります。
SAME CHASSIS, DIFFERENT VEHICLE|見た目がChevyらしくなくなる
これはCowl Chassis研究で非常に面白い部分です。
3104 Pickupなら、誰が見ても1956 Chevrolet Task Forceらしい顔があります。
しかしCowl ChassisをBody Builderが完成させた場合、最終BODYによっては、
一見して普通の1956 Chevrolet Truckとは思えない姿
になる可能性があります。
それでもChassisの出自を追えば、
1956 Chevrolet。
そしてFactory Model Numberまで戻れる。
ここが図鑑として面白い。
Chevroletは、ChevroletらしいBODYを作るためだけにChassisを売っていたわけではない。
3102 vs 3112 vs 3103
3100側で比較すると、Factory completion levelの違いが分かりやすくなります。
3102 — Flat Face Cowl
3112 — Windshield Cowl
3103 — Cab Chassis
そして完成BODY側には、
3104 — Pickup
3105 — Panel
3106 / 3116 — Carryall Suburban
などがあります。
つまり同じLight-duty側だけでも、
完成Pickupを買う。
完成Panelを買う。
Cabだけ完成したChassisを買う。
Windshield Cowlを買う。
Flat Face Cowlを買う。
という異なる入口が存在していました。
3600 SERIES|ここでも同じ構造が見える
3600側では、
3602 Flat Face Cowl。
3612 Windshield Cowl。
3603 Cab Chassis。
3604 Pickup。
3608 Platform。
3609 Stake。
ここまで揃います。
これは非常に重要です。
同じChassis Familyの中で、
FactoryがBODYを完成させる段階そのものが違う。
Pickupまで作る。
Platformまで作る。
Stakeまで作る。
Cabまで作る。
Windshield Cowlまで作る。
Flat Face Cowlまで作る。
購入者は仕事に必要な完成度から選べたわけです。
3800 SERIES|さらに面白い
3800側では、
3802 Flat Face Cowl。
3812 Windshield Cowl。
3803 Cab Chassis。
3804 Pickup。
3805 Panel。
3808 Platform。
3809 Stake。
これまでMUDIMUで追ってきたBODYが、一つにつながります。
3800 FAMILY
3802 Flat Face Cowl
3812 Windshield Cowl
3803 Cab Chassis
3804 Pickup
3805 Panel
3808 Platform
3809 Stake
この一覧を見ると、
「3800には何種類のBODYがあったか」
だけでは説明できません。
どの段階までFactoryでBODYを作ったか
というVariationまで存在するからです。
4100・4400へ続く
同じ構造はさらに上へ続きます。
4102 Flat Face Cowl。
4112 Windshield Cowl。
4103 Cab Chassis。
そして、
4402 Flat Face Cowl。
4412 Windshield Cowl。
4403 Cab Chassis。
ここまで来るとCowl configurationが、Light-dutyだけの特殊用途ではなかったことが見えてきます。
より大きなCommercial ChassisでもBody Builderへ開放されていました。
4502|一つだけ残る数字
そして気になるのが、
4502 Flat Face Cowl。
今回確認しているFactory一覧ではFlat Face Cowl側に4502があります。
一方、Windshield Cowl一覧では対応する4512を確認していません。
このようなところをMUDIMUでは重要視します。
「たぶんあっただろう」
で表を左右対称にしない。
Factory資料が非対称なら、その非対称をそのまま残す。
なぜ4502が設定され、対応するWindshield Cowlが同じ一覧にないのか。
これは4500 Series側の用途・Chassis specificationを追加調査するテーマになります。
SCHOOL BUS|Cowl Chassis研究で避けて通れない
Cowl Chassisを調べると、School Bus Chassisとの関係が重要になってきます。
Bus Bodyは、ChevroletがPassenger Carのように完成したBODYを作って終わる世界ではありません。
Chassis manufacturer。
Body manufacturer。
そして完成したBus。
という分業が重要になります。
1956 ChevroletのFactory full-line資料にも、
SCHOOL BUS CHASSIS
が独立カテゴリーとして存在します。
したがってCowl研究の次には、
School Bus ChassisのModel NumberをFactory資料から完全に拾う必要があります。
ここを落とすと1956 Truck完全版にはなりません。
SPECIAL EQUIPMENT|用途からBODYが生まれる
1956 Chevrolet Truck資料が示すCommercial Vehicleの世界では、Chassisは単なる「荷台なしTruck」ではありません。
Special Equipment。
Special Body。
専用用途。
こうしたものを成立させる基盤です。
たとえば、
配送。
Bus。
Service vehicle。
その他の専用車。
ただし個別用途については、該当Chassisとの組み合わせがPeriod literatureで確認できたものから図鑑へ入れます。
「ありそうだから」は禁止です。
FACTORY COMPLETION LEVEL|新しいBODY MAPの軸
ここまで調べたことで、1956 Chevrolet Truck BODY MAPには新しい軸が必要になります。
従来は、
Pickup。
Panel。
Suburban。
Platform。
Stake。
というBODY Typeを横に並べていました。
しかしCowlまで入れるなら、
Factory Completion Level
も必要です。
概念的には、
MORE FACTORY-COMPLETE
↑
Pickup / Panel / Stake etc.
│
Cab & Chassis
│
Windshield Cowl
│
Flat Face Cowl
↓
MORE BODY-BUILDER INPUT
これが1956 Commercial Chevroletを理解する重要な図になります。
「BODYが少ない」のではなく「BODYがまだ決まっていない」
Flat Face Cowlの写真だけを見れば、
「BODYがほとんどない」
と思うでしょう。
しかしMUDIMUでは逆に考えます。
完成PickupはPickupです。
完成PanelはPanelです。
Cowl Chassisは、
まだ何にでもなれる。
だから潜在的なBODY Variationは非常に大きい。
No.50のCab & Chassisより、さらにBody Builderの自由度が高くなります。
ORIGINALITY|Cowl Chassisではさらに難しくなる
Cowl Chassisを使った完成車では、
「Chevrolet純正BODYか?」
という質問だけでは意味が足りません。
確認すべきなのは、
Chevrolet Factory Chassis/Cowl
Period Body Builder Body
Original commercial application
Later replacement
Modern conversion
です。
Body Builder BODYがFactory Chevrolet製ではなくても、1956年当時からそのChassisと組み合わされていたなら、その個体の歴史として極めて重要です。
DATA PLATE|二つ以上の身元を探す
Cowl Chassisから完成した車両では、
Chevrolet側のIdentification。
Body Builder側のIdentification。
場合によってはEquipment manufacturer側のPlate。
複数の身元情報が存在する可能性があります。
MUDIMUで現存車を調べるなら、
一枚のChevrolet Plateだけ見て終わりません。
Chassisを作った会社とBODYを作った会社を分けて追う。
これがCommercial Vehicle researchです。
現存車の顔だけで判断しない
Cowl Chassisでは、完成BODYによって外観が大きく変わります。
そのため、
「1956 ChevroletらしいGrilleがない」
「普通のTask Force Cabではない」
という理由だけでChevrolet Chassisではないとは判断できません。
逆に、後年Chevrolet風のFront treatmentへ変更された可能性もあります。
だから、
Styling → Identification
ではなく、
Identification → Chassis → Body Builder → Styling
の順番で調べます。
PARTS BOOKが重要になる領域
Cowl Chassisについては、ここからParts Bookの価値が上がります。
なぜなら、
Flat Face Cowl。
Windshield Cowl。
Cab & Chassis。
で、Factoryから何が付属していたのかを正確に分ける必要があるからです。
Cowl。
Dash。
Windshield frame。
Glass。
Doors。
Roof。
Floor。
Seat。
Controls。
Fenders。
Hood。
これらを名称だけから判断しない。
Parts listingやBody Builder drawingを使って、
Factory supply boundary
を確定する必要があります。
MUDIMU CHECK|Flat Face Cowl
Flat Face Cowl系を調べるなら、
Model Number
3102 / 3602 / 3802 / 4102 / 4402 / 4502。
Series
Wheelbase
Frame
Factory Cowl components
Steering / Controls
Engine installation
Body Builder
Final BODY
Mounting
Period documentation
を確認します。
特に、現在のBODYからFlat Face Cowlだったと推測しないことが重要です。
MUDIMU CHECK|Windshield Cowl
Windshield Cowlなら、
Model Number
3112 / 3612 / 3812 / 4112 / 4412。
そして、
Factory windshield/cowl structure
Glass
Pillar structure
Dash / Controls
Body Builder interface
Final BODY
を確認します。
Flat Face CowlとのFactory component差をParts資料で確定できれば、Identification精度は大きく上がります。
BODY MAPを「完成車一覧」から変える
MUDIMUの1956 Truck BODY MAPは、最終的には単純な車名一覧にはしません。
たとえば、
1956 CHEVROLET COMMERCIAL BODY SYSTEM
FACTORY COMPLETE
├─ Pickup
├─ Cameo
├─ Panel
├─ Suburban
├─ Platform
└─ Stake
FACTORY CAB & CHASSIS
├─ 3103
├─ 3603
├─ 3803
├─ 4103
└─ 4403
WINDSHIELD COWL
├─ 3112
├─ 3612
├─ 3812
├─ 4112
└─ 4412
FLAT FACE COWL
├─ 3102
├─ 3602
├─ 3802
├─ 4102
├─ 4402
└─ 4502
さらに、
Forward Control。
School Bus Chassis。
Low Cab Forward。
Medium/Heavy。
を接続する。
ここまで作って初めて、
1956 Chevrolet Truckの全体像
が見えてきます。
MUDIMU VIEW|BODYを作らないほどBODY Variationが広がる
これは一見矛盾しています。
Chevroletが完成BODYを作れば、BODYが一つ増える。
ならばBODYを作らなければVariationは減るように思えます。
実際には逆です。
PickupまでFactoryが完成させればPickupになる。
PanelならPanel。
しかしCowl Chassisなら、
Body Builderによって複数の完成BODYへ枝分かれできる。
FactoryがBODYを完成させないことで、Chevroletの上にさらに別のBODY世界が生まれる。
Cowl Chassisは、その最も分かりやすい入口です。
CONCLUSION|1956 Chevroletは「どこまで作るか」まで売っていた
1956 ChevroletのFlat Face Cowl。
確認できるModelは、
3102・3602・3802・4102・4402・4502。
Windshield Cowlは、
3112・3612・3812・4112・4412。
そしてCab & Chassisには、
3103・3603・3803・4103・4403。
完成BODY側にはPickup、Panel、Platform、Stakeなどがあります。
つまりChevroletは、
「どのBODYを買うか」
だけを選ばせていたのではありません。
Chevroletにどこまで作らせるか。
そこまで選択肢にしていた。
Pickupを選ぶ。
Cabだけ選ぶ。
Windshield Cowlまで選ぶ。
Flat Face CowlからBody Builderに任せる。
1956 Chevrolet Commercial TruckのBODY Variationは、完成車の形だけを数えても絶対に見えてきません。
BODYをどこから作るのか。
そこまで含めて初めて、Factory lineupの本当の広さが分かります。
そして次に調べるべきなのは、このCowl思想が最も分かりやすく完成車へつながる世界です。
School Bus Chassis。
ここは「Busもあった」で済ませず、Factory Model Numberを先に全部拾ってから掘る必要があります。
MUDIMU Research Note
A|Flat Face Cowl
1956 Chevrolet Truck Engineering Featuresで、3102・3602・3802・4102・4402・4502をFlat Face Cowlとして確認。
A|Windshield Cowl
同資料で、3112・3612・3812・4112・4412をWindshield Cowlとして確認。
A|Cab Chassisとの区別
3103・3603・3803・4103・4403はCab Chassisとして別Factory classificationになっています。
A|Factory lineupの考え方
Cowl、Cab & Chassis、完成BODYは同じものとして扱わず、Factory completion levelを分けて記録します。
?|Flat Face Cowlの正確なFactory supplied components
Parts Book、Body Builder drawing等との照合前なので、個々のPanel・Dash・Control componentについて推測で固定しません。
?|Windshield Cowlの正確な部品境界
Windshield、Pillar、Dash、Floor、Controlsなど、どこまでFactory supplyだったかは一次資料でさらに確認します。
?|4502に対応するWindshield Cowl Model
今回確認しているFactory一覧には対応Modelを確認していません。対称性から4512を作らず、未確認のまま残します。

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