47|1956 Chevrolet Forward Control Chassis|3442・3542・3742、Driverを前へ動かして荷室を稼いだもう一つのTask Force

1956 Chevrolet No.47

1956 Chevrolet Task Forceをここまで追ってくると、一つの基本形が見えてきます。

Hood。

Engine。

Cab。

そしてRear Body。

3104 Pickupも、3609 Stakeも、基本的にはこのConventional Truckの考え方です。

ところがChevroletは、それだけではありませんでした。

Factory lineupには、

FORWARD CONTROL CHASSIS

という独立カテゴリーがあります。

そして1956 Chevrolet Truck資料から確認できる主要Modelが、

3442

3542

3742

です。

Wheelbaseはそれぞれ、

104 inches

125 inches

137 inches

特に3442は驚きます。

3104 Pickupの114 inchesより、さらに10インチ短いWheelbaseです。

しかしこれは、小さなPickupを作るためのChassisではありません。

荷室を長くするためにWheelbaseを伸ばすのではなく、DriverとCabを前へ動かす。

1956 Chevroletは、Commercial Vehicleにもう一つの答えを持っていました。


目次

FORWARD CONTROL|普通のTask Forceとは何が違うのか

まず名前です。

Forward Control。

文字どおり、Driverの操作位置を通常のConventional Truckより前方へ移した構成です。

一般的なTask Force Truckを概念化すると、

CONVENTIONAL

[ ENGINE ][ CAB ][──── CARGO BODY ────]

Forward Controlでは、

FORWARD CONTROL

[CONTROL/CAB]
     ↓
[──────── LONGER USABLE BODY SPACE ────────]

もちろんこれは正確なFactory dimension drawingではなく、設計思想を示す概念図です。

重要なのは、

Truck全体の長さをCargoへどう配分するか

という発想が違うことです。


FACTORY CATEGORY|Forward Controlは独立していた

1956 Chevroletのfull-line資料では、

Pickup。

Panel。

Carryall Suburban。

Platform。

Stake。

Chassis。

School Bus Chassis。

などと並び、

FORWARD CONTROL CHASSIS

が独立カテゴリーとして掲載されています。

これは後世のCustom conversionをまとめた言葉ではありません。

Chevrolet自身が1956年に用意していたFactory product familyです。

【画像予定:1956 Chevrolet Task-Force full-line資料「FORWARD CONTROL CHASSIS」部分】


MODEL NUMBER|3442・3542・3742

1956 Factory資料から確認できるForward Control Chassisの基本Modelは、

ModelWheelbaseFactory Type
3442104 inForward Control Chassis
3542125 inForward Control Chassis
3742137 inForward Control Chassis

ここでまず面白いのは、

3種類のWheelbaseが用意されている

ことです。

一種類の特殊Chassisではない。

Forward Controlという設計思想そのものが、複数の用途へ展開されていました。


3442|104インチという異様な短さ

最も目を引くのが、

3442。

Wheelbaseは、

104 inches。

約2.64mです。

比較してみます。

3104 Pickup — 114″

3604 Pickup — 123.25″

3804 Pickup — 135″

3442 Forward Control — 104″

つまり3442は、1956年の標準的な3104 PickupよりもWheelbaseが短い。

差は、

10 inches。

約254mmです。

ここだけ見ると、小型Truckに見えます。

しかしForward Controlの意味はそこではありません。


SHORT WHEELBASE ≠ SHORT CARGO

普通のTruckなら、Wheelbaseを短くするとRear Bodyへ使える空間も短くなりやすい。

Forward Controlでは、その常識を崩します。

Driver positionを前へ移す。

Engine/Cab packagingを変える。

そうすることで、

短いWheelbaseでもRear Bodyへ使える長さを確保する。

これが3442の面白さです。

104インチだから荷室も短い、とは限らない。

ここはPassenger Car的なWheelbaseの見方をそのまま持ち込むと見誤ります。


3104 vs 3442|114インチPickupより短い

この比較はMUDIMUの図解に向いています。

3104 PICKUP
WB 114"

[HOOD][CAB]────────[PICKUP BODY]


3442 FORWARD CONTROL
WB 104"

[CAB/CONTROL]────────────[SPECIAL BODY SPACE]

Front axle centerとRear axle centerを正確にFactory drawingで合わせれば、

10インチ短い3442が、なぜCommercial Body用Chassisとして成立するのか

を視覚的に説明できます。

【画像予定:3104と3442のWheelbase・Cab Position比較図】


3442は「BODY」なのか

ここは重要です。

3442をPickupやPanelとまったく同じ意味でBODYと呼ぶのは正確ではありません。

Factory classificationは、

Forward Control Chassis。

つまり3442そのものは、最終的なCargo Bodyを一種類に固定した完成車ではありません。

ここからBody Builderによって用途別の車体を作る。

したがってMUDIMUでは、

BODY TYPE

と、

BODYを載せるためのChassis architecture

を分けます。

3442の価値は、完成BODYではなく、

どんなBODYを作れるかを変えてしまうChassis設計

にあります。


BODY BUILDER|3442の先に完成車がある

Forward Control Chassisを理解するには、Body Builderの存在が欠かせません。

ChevroletがChassisを供給する。

その上へ用途に応じたCommercial Bodyを載せる。

Delivery body。

Step-type body。

Special service body。

その他の専用架装。

ただし1956年の3442にどのBody Builderがどの型式を正式対応させたのかは、個別のperiod body-builder literatureを確認して記録する必要があります。

「3442=○○Van」と一種類へ決めつけてはいけません。


8-FOOT BODYという資料

後世のmodel referenceでは3442について、

104-inch Wheelbase

とともに、おおむね8-foot body向けとして説明される資料があります。

同様に、

3542 → 約10-foot

3742 → 約12-foot

という対応が見られます。

これはForward Controlの設計思想を理解するうえで非常に有用です。

ただしMUDIMUでは、現段階ではこれをB情報として扱います。

Factory Body Builder資料で対応Body lengthを直接確認できるまでは、

「3442には必ず8-foot bodyが付いた」

とは書きません。

Chassisと完成BODYは別だからです。


3542|125インチへ伸ばす

次が、

3542。

Wheelbaseは、

125 inches。

約3.18m。

3442から一気に21 inches伸びます。

比較すると、

3442  104"
3542  125"

差は約533mm。

Forward ControlだからWheelbaseは全部短い、というわけでもありません。

用途に合わせてChassis lengthそのものも選べました。


3542が示す「二重の設計」

Forward Controlの面白さは、

「Cabを前へ出しました」

だけでは終わらないところです。

まずCab/Driver packagingを前へ移す。

さらにWheelbaseを選ぶ。

つまりCargo Body spaceを作るために、

Architecture

と、

Wheelbase

の二つを使っている。

これはConventional Truckの単純なShort/Long Wheelbase比較より一段複雑です。


3742|137インチ

そして、

3742。

Wheelbaseは、

137 inches。

約3.48m。

3442と比較すると、

33 inches

違います。

約838mmです。

ModelWheelbase3442との差
3442104″
3542125″+21″
3742137″+33″

同じForward Control Chassis familyの中で、ここまでWheelbase Variationがあります。


3742 vs 3804|長さが近くても別世界

ここで面白い比較があります。

3804 Pickupは、

135-inch Wheelbase。

3742 Forward Controlは、

137-inch Wheelbase。

わずか2インチ差です。

しかしChassis architectureはまったく違う。

3804はConventional Pickup。

3742はForward Control Chassis。

つまり、

Wheelbaseがほぼ同じでも、BODYへ使える空間の作り方は同じではない。

これは非常に重要です。

WheelbaseだけではTruckのProportionを説明できません。


3442・3542・3742|3つの選択肢

Forward Control familyを単純化すると、

1956 CHEVROLET
FORWARD CONTROL CHASSIS

3442
104"
│
├── compact wheelbase
│
3542
125"
│
├── intermediate wheelbase
│
3742
137"
│
└── long wheelbase

ただし「Small / Medium / Large」という単純な車格分類ではありません。

最終BODY。

GVW。

Axle。

Tire。

Body Builder specification。

用途。

これらを合わせて初めて一台のCommercial Vehicleになります。


FORWARD CONTROLの目的|TURNINGも重要

短いWheelbaseにはCargo packaging以外にも意味があります。

一般にWheelbaseが短くなれば、取り回しやTurning Circleにも影響します。

配送Truckのように、

狭い場所へ入る。

頻繁に停車する。

市街地で曲がる。

という用途では重要な要素になります。

ただし3442・3542・3742それぞれの正確なFactory turning diameterについては、該当Specification tableを照合してから数値を固定します。

ここでは「104インチだから小回り○○ft」と推測では書きません。


ENGINE LOCATION|ここも適当に書けない

Forward Controlを見ると、

「Cab Over Engine」

と簡単に書きたくなります。

しかし1956 ChevroletのFactory terminologyと実際のEngine/Cab relationを確認せず、現代のCOEという言葉へ全部置き換えるのは危険です。

Chevroletがこのfamilyを、

FORWARD CONTROL CHASSIS

と呼んでいる。

MUDIMUではまずその名称を使います。

Engine access、seat relation、cab floor、control positionなどはFactory drawingを確認しながら個別に整理します。


LOW CAB FORWARDとは同じなのか

ここも混同しやすいところです。

1956 Chevrolet Commercial lineupには、

Forward Control Chassisだけでなく、

Low Cab Forward

という別のCab/Chassis architectureも存在します。

名前だけ見ると似ています。

Driverが前方へ移るという考え方にも共通性があります。

しかし、

Forward Control=Low Cab Forward

として一括りにはしません。

Model Series。

Cab construction。

Chassis。

GVW class。

用途。

これらが違います。

後の記事でLow Cab Forwardを独立して整理する必要があります。


CONVENTIONAL / FORWARD CONTROL / LOW CAB FORWARD

1956 Chevrolet TruckのChassis architectureを大きく見ると、少なくとも、

Conventional

Forward Control

Low Cab Forward

という違いが見えてきます。

これは非常に重要です。

Task ForceというStylingだけ見ていると、

「1955から始まった格好いいPickup」

で終わってしまう。

しかしCommercial lineupまで見ると、

Cabの置き方そのものを変えたTruckまで同じ1956 Chevroletの中に存在する。

ここまで来て初めてTask Forceの広さが分かります。


SPECIAL BODY|Factory posterの意味

1956 Chevroletの資料には、ChassisへさまざまなSpecial Equipment / Special Bodyを組み合わせる世界が示されています。

これはForward Controlを理解する重要な背景です。

Chevroletは必ずしも完成BODYを全部自社で用意する必要はない。

優れたChassisを用意する。

Body Builderが仕事に合わせて完成させる。

つまりCommercial Vehicleでは、

Chassisそのものが商品設計の半分。

なのです。


3442の現存車を見つけたら

もし現在、1956 Chevrolet Forward Controlらしい車両を見つけても、BODYだけで3442と決めません。

まずWheelbase。

104 inchesなのか。

125なのか。

137なのか。

Model identification。

Chassis plate。

Axle specification。

Factory frame。

そして現在のBODY。

この順で見ます。


BODYが違っても同じ3442の可能性がある

これはPickupとは大きく違います。

3104ならFactory Pickup BodyがModel identityの重要な部分です。

3442はForward Control Chassis

したがって、同じ3442 Chassisから異なるBody Builder BODYが成立する可能性があります。

つまり、

3442
  │
  ├─ BODY A
  ├─ BODY B
  └─ BODY C

という世界があり得る。

MUDIMUにとって非常に面白いところです。

一つのModel Numberから複数の外観が生まれる可能性がある。


ORIGINALITY|Forward Controlでは考え方を変える

ここでOriginalityの定義も変わります。

3442へChevrolet純正の完成Cargo Bodyがない場合、Body Builderによるperiod bodyだから「非純正」と切り捨てるのは適切ではありません。

重要なのは、

Factory Chassis。

Period-correct Body Builder。

Original application。

後年のreplacement。

Modern conversion。

を分けることです。

たとえば1956年に納車時から専門Body BuilderのDelivery Bodyが架装されていたなら、それはその個体の歴史として非常に重要です。

Factory BODYではなくても、Period Original Vehicleである可能性がある。

Commercial Chevroletでは、この視点が必要です。


3442がMUDIMU向きな理由

Cameo Carrierなら見た瞬間に「特別なChevy」と分かります。

3442は違う。

Chassis Model Numberを知らなければ通り過ぎるかもしれない。

でも調べると、

104-inch Wheelbase。

Forward Control。

Body Builder。

Commercial delivery。

特殊なPackaging。

という世界が出てくる。

まさに、

「そんな仕様まであったのか!」

のChevroletです。


PICKUP中心で調べると3442は消える

Classic Chevrolet Truckの記事を、

3100 Pickup。

Cameo。

Suburban。

Panel。

だけで作れば、3442はほぼ消えます。

しかし1956 Chevrolet自身のFactory lineupには、

FORWARD CONTROL CHASSIS

がある。

ならば落としてはいけません。

MUDIMUでは人気順ではなく、

Factoryが何を作っていたか

から図鑑を作ります。


BODY VARIATIONを一段広く考える

ここまでMUDIMUではBODYを、

Sedan。

Hardtop。

Wagon。

Pickup。

Panel。

Stake。

Platform。

として追ってきました。

3442・3542・3742では、さらに一段広げます。

BODYをどう載せるChassisなのか。

ここまで含める。

なぜならCab positionとWheelbaseが変われば、最終BODYのProportionそのものが変わるからです。

BODY Variationは、BODY shellだけで決まらない。BODYを成立させるArchitectureまで追う。

これがForward Controlの記事で得られる大きな視点です。


MUDIMU BODY CHECK|Forward Control

1956 Chevrolet Forward Control Chassisを調べるなら、最低限ここを確認します。

Model Number
3442 / 3542 / 3742のどれか。

Wheelbase
104 / 125 / 137 inchesとの整合。

Factory Chassis
Frame、axle、control layoutを確認。

Cab / Control Position
Factory Forward Control architectureとの一致。

Current Body
Chevrolet Factory supplied componentとBody Builder bodyを分ける。

Body Builder
Maker plate、body tag、period literatureを探す。

Body Length
Chassisとperiod body specificationの組み合わせを確認。

GVW
各ModelのFactory specificationと照合。

Originality
Factory / period body-builder / later replacement / modern conversionを区別。

ここまで見て、初めて一台をIdentificationします。


3台を一枚に並べたい

Forward Controlは、MUDIMU独自図解との相性が非常に良い。

【画像予定:3442・3542・3742 Forward Control Chassis Side View比較】

Front axle centerを揃える。

Rear axle位置を表示。

Wheelbaseを、

104″

125″

137″

と記入する。

さらに参考として、

3104 Pickup 114″

3804 Pickup 135″

を薄く重ねる。

すると、

Wheelbaseの長短とCargo Body spaceが単純比例しない

ことを視覚的に説明できます。

これはかなり強いMUDIMU資料になります。


MUDIMU VIEW|3442を見つけたことが重要

1956 Chevroletを表面的に調べるなら、3442は必要ありません。

販売台数の多い車。

有名な車。

Collector人気のある車。

だけで十分です。

しかしMUDIMUが作っているのは人気車ランキングではありません。

CHEVY図鑑です。

だから、

3442。

3542。

3742。

まで行く。

Factory lineupに一行でも残っているなら、その一行を開いてみる。

すると、Pickupだけ見ていたときには存在しなかったChevroletが出てきます。


CONCLUSION|長いBODYが欲しいなら、Wheelbaseを伸ばすだけではない

1956 Chevrolet Forward Control Chassis。

確認できる主要Modelは、

3442 — 104-inch

3542 — 125-inch

3742 — 137-inch

です。

特に3442は、3104 Pickupの114-inchより10 inches短い。

それでもCommercial Body用Chassisとして成立する。

理由は、Truckの空間配分そのものを変えたからです。

Conventional Truckでは、

Engine → Cab → Cargo。

Forward Controlでは、Driver/Controlを前へ動かすことで、限られた全長をより効率よくCommercial Bodyへ使える。

荷室を長くしたければ、Chassisを長くすればいい。
Chevroletはそれだけではなかった。
Driverを前へ動かすという、もう一つの答えを持っていた。

3442。

3542。

3742。

この3台を拾うことで、1956 Task ForceはPickupの世界から、

Commercial Vehicle Architectureの世界

へ一気に広がります。

そして次に単独で見るべきなのは、

3442。

104-inchという短いWheelbaseから、なぜ実用的なCommercial BODYを作れたのか。

ここは一台だけで、さらに深く掘る価値があります。

MUDIMU Research Note

A|Factory category
1956 Chevrolet Truck full-line資料でFORWARD CONTROL CHASSISが独立カテゴリーとして確認できます。

A|Model Number
1956 Chevrolet Factory資料でForward Control系として3442・3542・3742を確認。

A|Wheelbase
3442=104 in、3542=125 in、3742=137 inとしてFactory資料で確認。

A|3442 vs 3104
3104 Pickup=114-inch、3442 Forward Control=104-inch。3442の方が10 inches短い。

A|3742 vs 3804
3742=137-inch、3804 Pickup=135-inch。Wheelbaseは近くてもChassis architectureが異なります。

B|8 / 10 / 12-foot Bodyとの対応
3442・3542・3742をおおむね8 / 10 / 12-foot Commercial Body向けとして説明するperiod-derived/secondary資料があります。ただしFactory Body Builder資料による完全照合までは固定値として扱いません。

?|Body Builder別完成BODY一覧
どのBody Builderが3442・3542・3742へどのBODYを正式設定していたかは、period Body Builder catalogを追加調査して確定します。

?|Forward ControlとLow Cab Forwardの部品・構造上の境界
Factory上は別カテゴリーとして扱います。Cab、Engine position、control layout、Chassis componentの詳細比較は専用記事で一次資料を照合して確定します。

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この記事を書いた人

1959、1960、1962、1968年式Chevroletの所有経験を持つ。現在、当時のChevrolet資料をもとにBODY、COLOR、TRIMを中心とした日本語アーカイブを構築中。

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