1956 Chevrolet No.02
1955年、Chevroletは大きく変わりました。
低く、広く見える新しいBODY。
新しい265 Small Block V8。
Bel Air Sport Coupe、Nomad、Cameo Carrier。
現在「Tri-Five Chevrolet」と呼ばれる世界が、1955年に始まります。
では、その翌年の1956 Chevroletは何だったのでしょうか。
単なる1955年型のFaceliftではありません。
1956年には、1955年に登場したBODY体系を残しながら、Chevroletはその中身をさらに広げました。
特にMUDIMUが注目するのは、
4-Door Hardtopの登場。
9-Passenger Wagonの追加。
Wagon BODY Familyの拡大。
そして、
Corvette BODYの全面的な変化。
1955年が「新しいChevroletを作った年」なら、
1956年は、その新しいBODYを横へ広げた年だった。
1956 ChevroletをBODYから追っていきます。
1956 CHEVROLET|Tri-Fiveの真ん中の年
1956 Chevrolet Passenger Carの基本Seriesは、1955年と同じ三本柱です。
150
210
Bel Air
そして別系統として、
Corvette
があります。
Passenger SeriesのWheelbaseは150、210、Bel Airが115 inches。
Corvetteは102 inchesです。1956年のSeries Identificationでも、1500、2100、2400、Sedan Delivery 1508、Corvette 2934が明確に分けられています。
1955年から基本構成を引き継いでいます。
しかしBODYの中身を見ると、1956年ならではの展開が始まっています。
THREE SERIES|150・210・Bel Air
1956年のPassenger Chevroletも、価格と装備の階層によって三つのSeriesに分かれます。
150
もっとも実用寄りのSeries。
2-Door Sedan、4-Door Sedan、Utility Sedan、Handyman Wagonなどを持ちます。
華やかなBel Airとは対照的ですが、MUDIMUでは非常に重要なSeriesです。
なぜなら、
Utility Sedan
そして、
2-Door Handyman Wagon
という実用BODYが残っているからです。
1956年の生産資料にも、150 HandymanはModel 1529、Fisher 1263Fとして記録されています。
210
1956年のBODY研究で非常に面白いのが210です。
Sedanだけではありません。
Delray Club Coupe。
Sport Coupe。
Handyman。
Townsman。
Beauville。
そして1956年には、
4-Door Sport Sedan
まで加わります。
BODY Variationという意味では、1956年の210は絶対に軽く扱えません。
Bel Air
上級SeriesがBel Airです。
2-Door Sedan。
4-Door Sedan。
Sport Coupe。
Convertible。
Sport Sedan。
Beauville。
そしてNomad。
1956年もChevrolet Passenger Carの華やかな側を担当します。
しかしMUDIMUではBel Airだけを1956 Chevroletの代表にはしません。
150からBel Airまで並べて初めて、1956年のBODY体系が見えてきます。
BODY EXPANSION|1956年はBODYが増えた
1955年と1956年を比べて最も面白い変化の一つが、BODY Variationです。
1955年にはすでに、
Sedan
Club Coupe
Sport Coupe
Convertible
Utility Sedan
Wagon
Nomad
Sedan Delivery
など、多数のBODYがありました。
1956年はそこへさらに重要なBODYが加わります。
代表的なのが、
4-Door Hardtop / Sport Sedan。
210とBel Airの両方に設定されました。
生産資料では、
210 Sport Sedan:Fisher 1039 / Model 2113
Bel Air Sport Sedan:Fisher 1039D / Model 2413
として確認できます。
これは1956年を理解する重要な変化です。
SPORT SEDAN|4枚ドアなのにセンターピラーがない
1950年代American Carを象徴するBODYの一つがHardtopです。
1955 Chevroletにも2-Door Sport Coupeがありました。
しかし1956年には、その考え方を4-Doorへ広げます。
4-Door Sport Sedan。
通常の4-Door Sedanとは違うHardtop BODYです。
210にも。
Bel Airにも。
設定されました。
つまり1956年には、
1037 Family=2-Door Hardtop
に加えて、
1039 Family=4-Door Hardtop
が成立します。
ここは後の個別記事で徹底的に比較します。
ドア枚数が増えただけではない。新しいHardtop BODYがChevroletのSeries体系へ加わった。
1956年をBODYから見るなら、Sport Sedanは外せません。
WAGON|1956年はさらに面白くなった
そしてMUDIMUが1956年で特に深く掘るのがStation Wagonです。
1955年には5種類のPassenger Wagonが確認できました。
1956年には、その世界がさらに広がります。
生産資料では、
150 Handyman
210 Handyman
210 Townsman
210 Beauville
Bel Air Beauville
Bel Air Nomad
が確認できます。
つまり1956年は、
6種類のWagon
を追うことになります。
ここが1955年との大きな違いです。
TWO-DOOR WAGON|Handymanは1956年にも残った
ユーザーが特に好きなBODYでもある2-Door Wagon。
1956年にも健在です。
150 Handyman。
210 Handyman。
同じ2-Door WagonでもSeriesが違います。
生産資料では、
150 Handyman:1263F / 1529
210 Handyman:1063F / 2129
として区別されています。
そしてBel Airには、
Nomad:1064DF / 2429
があります。
つまり1956年にも、
150 Handyman
210 Handyman
Nomad
という、性格の違う3種類の2-Door Wagonを比較できます。
Nomadだけを見ていては、この年のChevrolet Wagonは分かりません。
SIX vs NINE|Wagonの座席数まで広がった
1956 Wagonの面白さはドア枚数だけではありません。
6-Passengerと9-Passenger。
ここまで分かれます。
1956年には210 BeauvilleとBel Air Beauvilleという9-Passenger Wagonが存在します。
生産資料では、
210 BeauvilleがModel 2119、
Bel Air BeauvilleがModel 2419
として記録されています。
一方、TownsmanやHandymanなどには6-Passenger仕様があります。
つまり1956年のWagon研究では、
Series
だけでなく、
2-Door / 4-Door
そして、
6-Passenger / 9-Passenger
まで分ける必要があります。
1062 BODY FAMILY|同じように見えて同じではない
1956 Wagonを調べるうえで重要になるのが、1062 BODY Familyです。
MUDIMUでは1956年のWagonを、
1062F
1062FC
1062DFC
というFisher BODYの違いまで追います。
ここを理解すると、
Townsman。
210 Beauville。
Bel Air Beauville。
これらが単に「4-Door Wagon」という一種類のBODYではないことが見えてきます。
1956年はまさに、
BODY Codeを読まないとWagonの全体像が見えない年
です。
このため正式台帳では「1062 BODY FAMILY」を独立記事にしています。
NOMAD|有名だが、Wagonの一台として見る
1956 NomadもBel Air Seriesの2-Door Station Wagonです。
Modelは2429。
1956年の生産資料では7,886台という数字が掲載されています。
もちろんNomadは特別です。
しかしMUDIMUでは、
Nomadだけを切り離して1956 Wagonを語りません。
150 Handyman。
210 Handyman。
Townsman。
210 Beauville。
Bel Air Beauville。
その最後にNomadを置く。
そうするとNomadが「有名なCollector Car」ではなく、
Chevroletが1956年に作ったWagon体系の中で、どこにいたBODYなのか
が分かります。
SEDAN DELIVERY|PassengerとCommercialの境界
1956年にもSedan Deliveryは存在します。
Modelは1508。
Fisher BODYは1271として記録されています。
Sedan DeliveryはPassenger Chevroletを調べていると脇へ追いやられやすいBODYです。
しかしMUDIMUでは落としません。
Wagonに似ている。
しかしPassenger Wagonではない。
荷物を運ぶためのBODY。
そしてTruckとも違う。
こうした境界にいるChevroletこそ、BODY Variationを研究する面白さがあります。
UTILITY SEDAN|1956年にも残った特殊な150
150 Seriesには1956年も、
Utility Sedan
が存在します。
Model 1512。
Fisher BODY 1211B。
3-passengerとして記録されています。
普通の2-Door Sedanに見えても、その用途は違う。
こういう車こそMUDIMUが残すべきChevroletです。
Bel Air Sport CoupeやNomadだけを並べた1956図鑑では、Chevroletというメーカーがどれほど多様なBODYを用意していたかが見えません。
CORVETTE|1956年はBODYそのものが変わった
1956 ChevroletでPassenger Car以上に大きく変わったのがCorvetteです。
1955年は1953年から続く初期Corvette BODYの最終年でした。
1956年、Corvetteは新しいBODYへ移ります。
そしてPowertrainも265 V8を中心とする構成へ進みました。
GM Parts系資料では1956 Corvette用265 V8として、210hpと225hp仕様などが記録されています。
しかしMUDIMUで重要なのはEngineだけではありません。
1955 Corvetteと1956 Corvetteを並べて、
BODYは何が変わったのか。
を追う必要があります。
そのため1956台帳では、
1956 Corvette 完全ガイド
だけでなく、
1955 vs 1956 Corvette
も独立記事にします。
ENGINE|235 Sixと265 V8
Passenger ChevroletのEngine体系も1956年に進化します。
Master Parts由来の資料では、150・210・Bel Airに、
235 Six / 140hp
そして複数仕様の、
265 V8
が記録されています。
265には162hp、170hp、205hp、225hpなどの仕様が掲載されています。
ここでもMUDIMUは、
「1956 Chevyには265 V8があった」
だけでは終わりません。
どのBODYに。
どのTransmissionと。
どのEngine仕様が。
どう組み合わされたのか。
後半のPOWERTRAIN記事でBODYへ接続して整理します。
TRUCK|Task Forceは1956年へ
Truck側も重要です。
1955年は1st Seriesから2nd Series / Task Forceへの切り替えという特殊な年でした。
1956年にはTask Force世代が継続します。
3100。
3200。
3600。
3800。
そしてCameo Carrier。
1956 Series Identificationでは3100と3124が114-inch wheelbase、3200が123¼-inchなど、各Truck Seriesが整理されています。
したがって1956 Truckでは、1955年のような「1st vs 2nd Series」ではなく、
Task ForceそのもののBODY Variation
を深掘りします。
CAMEO|1956年にもStyled Pickupがある
1955年に登場したCameo Carrierは、1956年にも続きます。
Model 3124。
通常Pickupとは違うStylingを与えられたTruckです。
1955年のMUDIMUではNomadとCameoを比較しました。
1956年ではさらに、
3104 Pickup
3124 Cameo Carrier
3204 Long Pickup
というPickup BODYの違いを整理します。
Truckも一種類のPickupではありません。
これもMUDIMUのBODY研究です。
PRODUCTION|数字からBODYの位置を見る
1956年のProduction Numberを見ると、BODYごとの市場での位置も見えてきます。
たとえばOld Car Manual Project掲載値では、
150 2-Door Sedan:82,384
210 4-Door Sedan:283,125
210 Sport Sedan:20,201
Bel Air Sport Coupe:128,382
Bel Air Sport Sedan:103,602
Bel Air Convertible:41,268
Nomad:7,886
Corvette:3,467
などが記録されています。
ただしMUDIMUではProduction Numberについて、1955年と同様に数字の出典系統を確認してから確定値として扱います。
有名な数字だから、そのまま採用するわけではありません。
No.32「Production Numbers」で別途検証します。
1955 vs 1956|何が変わったのか
BODYを中心に1955年と1956年を並べると、1956年の性格がかなり見えてきます。
1955
新しいPassenger BODY登場
265 Small Block V8登場
Nomad登場
Cameo Carrier登場
Task Force登場
↓
1956
基本BODYを継続
4-Door Sport Sedan追加
Wagon体系拡大
9-Passenger Wagon展開
Corvette新BODY
Task Force継続・発展
つまり1956年は、1955年の成功を単純に繰り返した年ではありません。
1955年に作った新しいChevroletを、さらに細かく枝分かれさせた年
と見ることができます。
MUDIMU VIEW|1956年は「増えたBODY」を見る
1956 Chevroletを一台だけ選んで代表させるなら、何になるでしょう。
Bel Air Sport Coupe。
Nomad。
Corvette。
Cameo Carrier。
どれも魅力があります。
でもMUDIMUは一台を選びません。
むしろ面白いのは、
150 Utility Sedanがある。
150と210に2-Door Handymanがある。
210とBel Airに4-Door Hardtopがある。
6-Passengerと9-Passenger Wagonがある。
Sedan Deliveryもある。
TruckにはPanelやSuburbanもある。
という事実です。
Chevroletの面白さは、有名な一台ではなく、同じ年にこれだけ違うBODYを作っていたことにある。
これがMUDIMUから見る1956 Chevroletです。
CONCLUSION|1956年、ChevroletはBODYを横へ広げた
1955年は革命でした。
新しいStyling。
新しいV8。
新しいPassenger Car。
新しいTruck。
そして1956年。
Chevroletはその土台を使って、BODY Variationをさらに広げます。
2-Door Sedan。
4-Door Sedan。
Utility Sedan。
Club Coupe。
2-Door Hardtop。
4-Door Hardtop。
Convertible。
2-Door Wagon。
4-Door Wagon。
6-Passenger Wagon。
9-Passenger Wagon。
Nomad。
Sedan Delivery。
Corvette。
Pickup。
Long Pickup。
Panel。
Suburban。
Cameo Carrier。
1956 Chevroletを「Tri-Fiveの真ん中」とだけ呼ぶのは、あまりにももったいない。
1955年が新しいChevroletを生んだ年なら、1956年はその可能性をBODY Variationとして広げた年だった。
MUDIMUはここから、150、210、Bel Air、Wagon、Hardtop、Corvette、Truck、COLOR、TRIM、POWERTRAINへ、一台ずつ降りていきます。
1956 Chevrolet――ここから46記事で徹底的に追います。
MUDIMU Research Note
1956 Passenger Carの主要Model / Fisher BODY / Production Numberについては、Chevrolet資料を再掲するOld Car Manual ProjectのModel Production表および1956 Specificationsを基礎資料として照合しています。
特に1956年の重要点として、210 / Bel Airの4-Door Sport Sedan、210 / Bel Airの9-Passenger Beauville、150 / 210の2-Door Handyman、Nomadをそれぞれ別BODYとして扱います。
EngineについてはMaster Parts由来の1956 Engine Specifications、CorvetteについてはGM Parts系資料を参照しています。
なおProduction Numberは資料間で差異が生じる可能性があるため、**No.32「1956 Chevrolet Production Numbers」**で出典ごとに再検証します。

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