1955 Chevrolet TruckをEngineから見ると、この年が普通のModel Yearではなかったことがよく分かります。
理由は、1955年の途中でTruckそのものが大きく変わったからです。
前半には従来型の流れを受け継ぐ、
1st Series。
そして新世代として登場した、
2nd Series / Task Force。
しかも新しいTask Force世代では、Chevroletを代表することになる265 cubic inch Small Block V8がTruckにも登場します。
ただし、
1955 Chevrolet Truck=235 Sixと265 V8の二種類
とだけ覚えるのは正確ではありません。
Chevroletの1955 Truck Engineering Featuresには、235と261の複数のSix、さらに新しい265 V8まで、用途とTruck SeriesによってEngineを使い分けていたことが記録されています。
1955 TruckのEngine体系は、Pickupだけを見ていては分かりません。
今回は1st SeriesからTask Force、3100から大型Truckまでを含めて、
Truck Series × Engine
で1955 Chevroletを見ていきます。
TWO SERIES|1955 Truckは二つに分けて考える
1955 Chevrolet Truck研究で最初に守らなければならないルールがあります。
1st Seriesと2nd Seriesを混ぜないこと。
GM Heritage Archiveでも1955 Chevrolet Truckは、
1955 Chevrolet Truck 1st Series
1955 Chevrolet Truck 2nd Series
として別々のVehicle Information Kitに分けられています。
これはBODY研究だけの問題ではありません。
Engineについても、
「1955年式だから同じ」
と考えない方がいい。
1955という一年の途中で、Chevrolet Truckは旧世代からTask Forceへ移行したからです。
1ST SERIES|前半には従来型Truckが残っていた
1955 1st Seriesは、1947年以来のAdvance-Design系Truckの最終段階に位置します。
BODYでは、
3104 Pickup
3105 Panel
3106 / 3116 Suburban Carryall
3604 Pickup
3804 Pickup
などが存在します。
当時のFactory Specificationsにも、3100、3600、3800などのModelが個別に記録されています。
つまり1955 TruckをEngineから研究するときも、
前半の1st Series
と、
後から登場するTask Force
を一本の仕様表へ無理に押し込まないことが重要です。
TASK FORCE|新しいTruckと新しいEngine
そして1955年、2nd Series / Task Forceが登場します。
新しいCab。
新しいWindshield。
新しいFender。
新しいGrille。
PickupのBODY Designそのものが大きく変わりました。
しかし変わったのは外側だけではありません。
Engine側にも大きな出来事がありました。
Small Block V8の登場です。
GM自身も現在、1955 Model YearのTask Force PickupをSmall Block V8史の重要な出発点として紹介しています。
BODYとEngineが同時に新しい時代へ動いた。
これが1955 Task Forceの重要なところです。
ENGINE FAMILY|1955 Truckには何があったのか
1955 Truck Engineering Featuresでは、4種類のSix-cylinder Engineに加えて新しいV8が用意されたと説明されています。
大きく分けると、
235 cu in Six
261 cu in Six
265 cu in V8
です。
しかし同じ235でも用途によって仕様が異なります。
ここを一つの「235」としてまとめないことが大切です。
| Engine Family | 主な位置づけ |
|---|---|
| 235 Six | Light / Medium Truckの中心 |
| Heavy-Duty 235 Six | より重い用途 |
| 235 Updraft仕様 | Forward Control用途 |
| 261 Six | Heavy-Duty側 |
| 265 V8 | 新しいTruck V8 |
つまり1955 Chevrolet Truckは、
車体の大きさと仕事に合わせてEngine Familyを配置していた
と考えた方が分かりやすいのです。
THRIFTMASTER|3000・4000 Seriesを支えた235
1955 Truck Engineering Featuresでは、標準的な235 SixがConventional 3000 and 4000 Series Trucksに引き続き搭載されたと記録されています。
名称は、
NEW THRIFTMASTER
です。
Rocker CoverのDecalで識別され、Engine ColorはGrayとされています。
ここはMUDIMUにとって重要です。
3000 Seriesには、
3100
3200
3600
3800
など、現在Classic Chevrolet Truckとして特に人気のあるLight Truckが含まれます。
つまりPickup、Panel、Suburbanなどを調べるとき、235 Thriftmaster Sixは基本となるEngine Familyです。
PICKUP|3100だけを見てもEngineは理解できない
現在1955 Chevrolet Truckを探すと、圧倒的に目につくのはPickupです。
特に、
3100 Pickup。
しかしFactoryのEngine体系は「Pickup専用Engine」という考え方ではありません。
重要なのは、
BODY × Series × GVW × Engine
です。
3104 Pickup。
3105 Panel。
3106 Suburban。
3116 Suburban。
BODYは違っても、同じLight Truck Seriesの中でPowertrainを共有する部分があります。
だからMUDIMUでは、
「1955 3100には何が載っていたか」
だけでなく、
そのEngineが、どのTruck Seriesに設定されていたのか
まで追います。
HEAVY-DUTY 235|同じ235でも同じではない
さらに注意したいのがHeavy-Duty 235です。
1955 Truck Engineering Featuresには、標準235とは別にHeavy-Duty仕様の235 Sixが記録されています。
これは標準Engineと同じ「235 cubic inch」でも、用途が異なります。
Engineering資料ではHeavy-Duty 235はGreenにPaintされていたとされます。
つまり、
排気量が235だから同じEngine仕様
とは言えません。
Truckでは特に、
Cooling。
Carburetion。
Clutch。
Gear。
Duty Rating。
など、仕事に合わせた仕様差を見る必要があります。
Passenger CarのEngine表だけを見てTruckを判断すると、この部分を落としてしまいます。
FORWARD CONTROL|Updraft 235という別の世界
さらに1955 TruckにはForward Control Modelがあります。
ここではHeavy-Duty 235のUpdraft Carburetor仕様が使われていました。
Engineering Featuresでは、このEngineが6000 SeriesのRegular Equipmentで、4000 SeriesにもOptional Equipmentとして用意されたことなどが説明されています。
これはMUDIMUらしいところです。
普通のClassic Chevy記事なら、3100 PickupとV8を書いて終わるかもしれません。
でもChevrolet Truck図鑑なら、
Forward Controlまで同じTruck Engine Mapの中に置く。
そうしないと1955 Chevrolet Truck全体を見たことにはなりません。
JOBMASTER|261 Sixも存在した
235だけではありません。
1955 Truckには、
261 cubic inch Six
もありました。
Engineering FeaturesではNEW JOBMASTERの名称が使われ、Yellow Paintで識別されるEngineとして記録されています。
261は6000 Series側のOptional Equipmentとして設定されていました。
つまりEngine Familyを大きく見ると、
235=Light Truck。
261=Heavy Truck。
という方向性が見えてきます。
ただし実際のSeries適用は個別仕様を確認する必要があるため、単純な排気量だけで断定しません。
265 V8|そしてSmall BlockがTruckへ来た
1955 Chevrolet最大のEngine Newsが、
265 cubic inch Small Block V8
です。
Passenger Chevrolet。
Corvette。
そしてTruck。
同じ1955 Model Yearに、この新しいEngine FamilyがChevroletの各分野へ広がりました。
GMはSmall Block V8について、1955 Model YearのTask Force Pickupとともにその歴史が始まったことを現在も紹介しています。
ここで重要なのは、
Passenger Car用265を、そのままTruck Engineとして説明しないこと。
です。
TruckにはTruck用の設定と用途があります。
TASKMASTER V8|Truckの265には名前があった
1955 Truck Engineering Featuresでは、新しい265 V8は、
TASKMASTER V-8
と呼ばれています。
Yellow Paintで識別され、Engineering資料では5000 SeriesのRegular Equipmentとして記録されています。
ここが面白いところです。
現在は「1955 Chevy Small Block 265」と一括して語られがちですが、当時のChevrolet TruckではTruck Seriesと用途に応じた名称と位置づけがありました。
MUDIMUでは、
265=全部同じ
とは扱いません。
Passenger 265。
Corvette 265。
Truck 265。
同じSmall Block Familyでも、それぞれのFactory Specificationを分けて記録します。
TRADEMASTER V8|Light TruckへのV8展開は途中で動いた
さらに重要な点があります。
1956 Chevrolet Truck Engineering Featuresを読むと、1955 Model Year中にTrademaster V8がConventional 3000 / 4000 SeriesへOptional Equipmentとして導入されたことが記録されています。
これは1955 Truck Engine研究では見逃せません。
つまり、
1955 Task Force登場時のEngine Mapが、そのままModel Year終了まで固定されていたとは限らない。
ということです。
Light TruckへのV8展開もModel Year中に動いています。
1955 Chevrolet PassengerでもNomadや210 Sport CoupeがModel Year途中で追加されたように、TruckのPowertrain体系も「年初の一枚の表」だけでは完全には説明できません。
3000 SERIES × V8|PickupにもSmall Block時代が始まる
ここで3100 Pickupへ戻ると、1955年の意味がよく分かります。
Task Force BODYが登場する。
そしてModel Year中には3000 / 4000 SeriesにもV8の選択肢が広がる。
つまりLight Truckでも、
235 Sixだけの世界からV8を選べる世界へ
動き始めました。
これが後のChevrolet Pickupを考えると非常に大きい。
現在ではChevrolet TruckとV8の組み合わせは当たり前に見えます。
しかし、その歴史を遡ると1955年へ行き着きます。
CAMEO CARRIER|3124には何が載ったのか
MUDIMUで特に重要なのが、
3124 Cameo Carrier。
CameoはBODYだけを見ても1955年を象徴するTruckです。
通常Pickupを基礎としながら、Reinforced Plastic系のStyled Componentsを使い、Pickup Sideを大きくデザインしました。
そしてCameoはTask Force世代に属します。
ここでEngineを調べると、
新しいBODY Design
と、
新しいV8時代
が同じ1955 Truckの中で重なってきます。
ただしCameo Carrierの個別Engine availabilityについては、Series全体のEngine設定と特定Modelの標準・Optional Equipmentを混同しないよう、MUDIMUではFactory Order資料まで確認して確定させます。
ここは「Task Forceだから当然V8」とは書きません。
PASSENGER vs TRUCK|同じ235でも仕様が違う
1955 Passenger Chevroletにも235 Sixがあります。
Passenger側では150、210、Bel Airなどに235が設定されました。
しかしTruckの235 ThriftmasterをPassenger 235と同じ仕様として扱うことはできません。
同じ排気量。
同じChevrolet Six。
それでも、
Carburetion。
Camshaft。
Cooling。
Duty。
Accessory。
Installation。
など、用途によって仕様が変わります。
だからMUDIMUではEngineを、
235
という数字だけで整理しません。
235 × Passenger
235 × Corvette
235 × Truck
として分けて追います。
PASSENGER vs TRUCK V8|265も同じ考え方
265 Small Blockも同様です。
Passenger Chevroletでは162hpや180hpなどの仕様があります。
Corvetteでは195hp仕様。
TruckではTruck用途としてTaskmaster / Trademaster系の設定があります。
GM自身も265 Small Blockが1955 Chevrolet全体にとって大きな転換だったことを紹介しています。
同じ265 Familyでも、
どのBODYに、どの用途で、どの仕様が搭載されたのか。
そこまで見る。
これがNo.36「Engine by BODY」とNo.39「Truck Engine」を分ける理由です。
TRUCK ENGINE MAP|1955年を大きく整理する
1955 Chevrolet TruckのEngine体系を概念的に整理すると、こうなります。
235 Six
↓
3000 / 4000 Seriesを中心とするThriftmaster
+
Heavy-Duty仕様
+
Forward Control向けUpdraft仕様
261 Six
↓
Heavy-Duty側
↓
Jobmaster
265 V8
↓
Task Force世代
↓
Taskmaster / Trademaster系
↓
Heavy TruckからLight Truck側へ展開
このMapを見ると、
「1955 TruckにV8が追加された」
だけでは足りないことが分かります。
ChevroletはTruckの仕事量とSeriesに合わせて、複数のEngineを体系的に配置していました。
BODY × ENGINE|MUDIMUが見たいところ
MUDIMUではTruck Engineをスペックだけで終わらせません。
3104 Pickup。
3204 Long Pickup。
3105 Panel。
3805 Panel。
3106 / 3116 Suburban。
3124 Cameo Carrier。
それぞれのBODYについて、
どのEngineが標準だったのか。
どのEngineをOptionで選べたのか。
Seriesによって何が違ったのか。
をつないでいきます。
最終的には、
1955 Chevrolet Truck BODY × ENGINE MATRIX
として残す価値があります。
BODY図鑑だからこそ、EngineもBODYへ戻して考えます。
IDENTIFICATION|実車では何を確認するのか
70年以上経過した1955 Chevrolet Truckでは、Original Engineが残っているとは限りません。
235から265へ。
265から後年の283や350へ。
あるいは別世代のSixへ。
Classic TruckではEngine Swapも珍しくありません。
だから、
「V8が載っているからFactory V8 Truck」
とは判断できません。
Engine Number。
Casting Number。
Casting Date。
Engine Code。
Truck Serial / Model。
Transmission。
Factory Specification。
これらを組み合わせて確認する必要があります。
No.40「Engine Identification」では、この考え方をPassenger・Corvette・Truck横断でさらに詳しく扱います。
1ST vs 2ND|Engineを見ると世代交代がもっと面白い
1955 Chevrolet TruckはBODYだけ見ても劇的です。
Advance-Design系の1st Series。
Task Forceの2nd Series。
しかしEngineまで見ると、変化はさらに大きくなります。
従来のSix-cylinder Truck文化を残しながら、
新しいSmall Block V8が入ってくる。
つまり1955年は、
BODYの世代交代
と、
POWERTRAINの世代交代
が重なったModel Yearです。
これが1955 Truckを特別にしています。
MUDIMU VIEW|PickupだけがChevrolet Truckではない
Classic Chevrolet Truckというと、どうしても3100 Pickupが中心になります。
もちろん3100は重要です。
しかし1955年のFactory資料を見ると、それだけではありません。
Panel。
Suburban Carryall。
Long Pickup。
Platform。
Stake。
Forward Control。
Heavy-Duty Truck。
Cameo Carrier。
そして、それぞれの仕事に合わせたEngineがあります。
Chevrolet Truckは、一台のPickupではなく、BODYとEngineを組み合わせた巨大な仕事道具の体系だった。
MUDIMUでは、この全体を残します。
CONCLUSION|1955年、Chevy TruckにもV8時代が始まった
1955 Chevrolet Truck Engineを調べると、三つの数字が見えてきます。
235。
261。
そして、
265。
235 SixはTruckの中心を支えました。
Heavy-Duty仕様もあり、Forward Control用仕様もありました。
261 Jobmasterは、より重い仕事を担当しました。
そして新しい265 Small Block V8が登場します。
Taskmaster。
さらにModel Year中にはTrademaster系V8がLight Truck側にも展開していきます。
だから1955 Truckは、
「古いSixがV8に置き換わった年」
ではありません。
Sixを残しながら、Truckの仕事へV8という新しい選択肢を加え始めた年。
そして外側では、1st SeriesからTask ForceへBODYそのものも変わりました。
Pickup。
Panel。
Suburban。
Cameo Carrier。
そのBODYの下で、Engine体系も次の時代へ動いていた。
1955年は、Chevrolet TruckのBODYとPOWERTRAINが同時に新しい時代へ入った年だった。
MUDIMU Research Note
1955 Chevrolet Truckについては、GM Heritage Archiveが1st Seriesと2nd Seriesを別資料として保存しているため、MUDIMUでも両者を分離して記録します。
1955 Truck Engineering Featuresでは、235 / 261 Sixと新しい265 V8、およびThriftmaster、Jobmaster、Taskmasterなどの用途別Engine体系が確認できます。
また1956 Engineering Featuresには、1955 Model Year中にTrademaster V8がConventional 3000 / 4000 SeriesへOptional Equipmentとして導入されたことが明記されています。これは1955年のEngine availabilityを年初仕様だけで固定できない重要な証拠です。
したがって個別BODYの「標準Engine / Optional Engine」については、Series全体の設定だけから推定せず、Factory Specifications・Engineering Features・Order Dataを照合して確定します。

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