03|1957 Chevrolet 150|飾りを削ったからこそ見える、1957 Chevyの基本形

1957 Chevrolet No.03

1957 Chevroletと聞いて、多くの人が思い浮かべるのはBel Airでしょう。

Goldのアクセント。

華やかなSide Trim。

Sport Coupe。

Convertible。

Nomad。

しかし、その1957 Chevroletから装飾を一枚ずつ取り除いていくと、別の魅力を持つChevyが現れます。

One-Fifty。

1957 Chevrolet 150です。

最廉価Seriesだから、MUDIMUでは小さく扱う。

そうはしません。

150にはBel Airにはない、

Utility Sedan。

Sedan Delivery。

があります。

さらに2-Door Sedan、4-Door Sedan、2-Door Handyman Wagonまで揃います。1957 Chevrolet specificationsでも、150 Seriesはこれら5つのFactory Modelとして確認できます。

1957 Chevrolet 150は「安いBel Air」ではない。
Sedan、Wagon、Utility、Deliveryまで揃えた、もう一つの1957 Chevroletである。


目次

ONE-FIFTY|1957 CHEVROLETのBASE SERIES

1957 Passenger ChevroletのSeries構成は、

150

210

Bel Air

の三段階です。

150はそのBase Series。

Series identificationでは1500 SeriesがPassenger One-Fiftyとして整理され、Wheelbaseは他の通常Passenger Chevroletと同じ115 inchesです。Sedan Deliveryの1508はIdentification上、別区分として扱われていますが、こちらも115-inch Wheelbaseです。

つまり150は、小型の廉価版Chevroletではありません。

基本的な1957 ChevroletのPackageを持ちながら、装備やTrim、BODY構成によって実用側へ振ったSeriesです。


1957 150|5つのFACTORY MODEL

まずFactory lineupを整理します。

ModelBODYSeatingFisher Style
15022-Door Sedan61211
15034-Door Sedan61219
15122-Door Utility Sedan31211B
15292-Door Handyman Station Wagon61263F
1508Sedan DeliveryCommercial1271

1957 specificationsではUtility Sedan、Station Wagon、Sedan Deliveryについても、それぞれ独立したBody Interior Dimensionsページが用意されています。つまりFactory資料上でも単なる150 Sedanの装備違いとして一括処理されていません。

この5台を並べるだけで、150の性格が見えてきます。


1502|2-DOOR SEDAN

最も基本的な150の一つが、

1502 2-Door Sedan。

Fisher Styleは、

1211。

6-Passengerです。

固定されたCenter Pillarを持つ、いわゆるPost Sedan。

1957の有名な2-Door Sport CoupeとはBODYが違います。

Sport CoupeのようなPillarless Hardtopではなく、固定B-Pillarを持つSedan BODYです。

だからこそSide Viewを見ると、1957 Chevroletの基本的なRoof、Door、Quarter、Glassの関係が非常に分かりやすい。


150は「装飾の少ない1957」を見せてくれる

Bel AirではSide Trimが非常に強い存在感を持ちます。

1957らしいRear Quarterの造形とDecorationが一体となり、見る人の目を引きます。

150では、そのDecorationが抑えられています。

すると逆に、

Front Fender。

Door。

Rear Quarter。

Fin。

Roofline。

Glass。

というBODYそのものが目に入ります。

これはMUDIMUにとって重要です。

豪華なTrimを見るならBel Air。
1957 Chevroletの素のBODYを見るなら150。

そういう見方ができます。


1503|4-DOOR SEDAN

もう一つの基本BODYが、

1503 4-Door Sedan。

Fisher Styleは、

1219。

こちらも6-Passengerです。

2-Door 1502と同じ150 Sedanでも、Doorが二枚増えるだけではありません。

Front Door length。

Rear Door。

Center Pillar。

Rear Side Glass。

RoofとPassenger compartmentの見え方。

Side Body全体のRhythmが変わります。

だからMUDIMUでは1502と1503を「150 Sedan」で一括して終わらせません。


1502 vs 1503|同じ150でもSIDE VIEWが違う

大まかに整理すると、

1502
2-DOOR SEDAN
│
├─ Long Front Door
├─ Fixed B-Pillar
└─ 2-Door Passenger BODY


1503
4-DOOR SEDAN
│
├─ Front Door
├─ Rear Door
├─ Fixed Center Pillar
└─ 4-Door Passenger BODY

同じ115-inch Wheelbaseでも、Passenger compartmentをどう分割するかによってBODYの印象は大きく変わります。

ここは後の個別記事で寸法とGlassまで追います。


1512|UTILITY SEDAN

そして150が一気に面白くなるのが、

1512 Utility Sedan。

Fisher Styleは、

1211B。

Factory production tableでは3人乗りとして記録されています。

1502のFisher Styleが1211。

1512は1211B。

番号を見ても、この二台が近いBODY Familyにありながら別仕様として扱われていることが分かります。

外から見れば、

「150 2-Door Sedan」

に見えるかもしれません。

しかし中身は違います。


UTILITY SEDAN|後ろの座席より荷物を優先する

通常の1502は6-Passenger Sedan。

1512は3-Passenger Utility Sedan。

つまり1512では、Rear Passenger accommodationよりもUtilityを優先しています。

ここが重要です。

BODY外形が近いからといって、

同じ用途の車ではありません。

1502
2-Door Sedan
人を乗せる


1512
2-Door Utility Sedan
人+荷物ではなく
よりCargo側へ振る

これは1957 Chevroletの中でも、かなりMUDIMUらしい一台です。


「そんな1957 CHEVYまであったのか」

1957 Chevroletについて普通に調べると、

Bel Air。

Sport Coupe。

Convertible。

Fuel Injection。

Nomad。

このあたりが前面に出てきます。

しかしFactory lineupには1512があります。

派手ではない。

Collector Carの代表でもない。

それでもChevroletが1957年にFactory Modelとして作っていた。

こういうChevroletを落とさないためにMUDIMUがある。

1512 Utility Sedanは、その象徴にしていいBODYです。


1529|HANDYMAN 2-DOOR WAGON

150にはStation Wagonもあります。

1529 Handyman。

2-Door。

6-Passenger。

Fisher Styleは、

1263F。

ここで150はSedan Familyから大きく離れます。

RoofはCargo areaまで延びる。

Rear Side Glassが加わる。

Cargo floorがある。

Rear openingがある。

同じ150でも、BODYの目的が完全に変わります。


150 HANDYMAN|一番素朴な1957 WAGON

1957 Chevroletには複数のWagonがあります。

210 Handyman。

210 Townsman。

210 Beauville。

Bel Air Townsman。

Nomad。

その中で150 Handymanは、かなり実用側に立つ2-Door Wagonです。

豪華さではNomadに勝負しない。

Doorも2枚。

しかし6人と荷物を運べる。

MUDIMUでは、この1529をNomadの脇役にはしません。

むしろ、

「普通の2-Door Wagon」とNomadは何が違うのか

を理解するために欠かせないBODYです。


1529と2429|同じ2-DOOR WAGONではない

ここは1957で必ず深掘りします。

1529
150 HANDYMAN
Fisher 1263F

2429
BEL AIR NOMAD
Fisher 1064

どちらも2-Door Station Wagon。

どちらも6-Passengerとして記録されています。

しかしFisher Styleから違う。

Roof。

Pillar。

Glass。

Rear Body。

Trim。

NomadにはNomad独自のBODY characterがあります。

だから、

2-Door Wagon=Nomad

ではありません。


1508|SEDAN DELIVERY

そして150のもう一つの主役。

1508 Sedan Delivery。

Fisher Style、

1271。

1957 specificationsでは、One-Fifty Sedan Deliveryだけで独立したBody Interior Dimensions項目が設けられています。

これはPassenger Wagonではありません。

Commercial useのChevroletです。

人を後ろへ乗せるより、

荷物を運ぶ。

そこへBODYを振っています。


HANDYMANとSEDAN DELIVERY|似ているから面白い

1529 Handymanと1508 Sedan Delivery。

どちらも長いRoofを持つ2-Door系のBODYです。

しかし用途は違います。

1529 HANDYMAN
│
├─ 2-Door Wagon
├─ 6 Passenger
├─ Side Glass
└─ Passenger + Cargo


1508 SEDAN DELIVERY
│
├─ Commercial BODY
├─ Cargo優先
├─ Fisher 1271
└─ Delivery use

遠目のSilhouetteだけで判断してはいけません。

Glass。

Interior。

Cargo area。

Rear Body。

Identification。

そこまで見る必要があります。


1512と1508|150には二つの「荷物側CHEVY」がある

さらに面白い比較があります。

1512 Utility Sedan。

1508 Sedan Delivery。

どちらも通常のPassenger SedanよりCargo側へ振ったChevroletです。

しかし同じではありません。

1512はSedan BODY FamilyからUtilityへ寄せる。

1508はSedan DeliveryというCommercial BODYを持つ。

つまり150には、

Sedanを仕事へ使う方法と、最初からDelivery BODYを選ぶ方法

の両方があった。

これは独立比較記事にしても十分面白いテーマです。


INTERIOR|150には150のTRIMがある

廉価SeriesだからInteriorを無視してはいけません。

1957 Master Parts系資料から整理されたTrim Codeでは、1211・1211B・1219に対してTrim Combination 650、1271 Sedan Deliveryには651、1263F Handymanには652・653など、BODYに応じたInterior Trim設定が確認できます。

つまり150のInteriorも、

「全部同じ安い内装」

ではありません。

Sedan。

Wagon。

Sedan Delivery。

BODY用途によってMaterial構成が変わります。

これは後のInterior & Trim記事で正確に台帳化します。


PRODUCTION|売れた150、珍しい150

現存車の希少性を考えるうえで、生産台数も面白い数字です。

現在参照できるChevrolet production compilationでは1957年について、

ModelProduction
1502 2-Door Sedan70,774
1503 4-Door Sedan52,266
1512 Utility Sedan8,300
1529 Handyman Wagon14,740
1508 Sedan Delivery7,273

と記録されています。

ただしMUDIMUでは、これを最終確定値として無条件に固定しません。

Production Numberは後の専用記事で一次資料との照合を行います。

現段階では有力な集計値として扱います。


UTILITY SEDANとSEDAN DELIVERYの少なさ

上の数字が正しければ、

1512 Utility Sedanは8,300台。

1508 Sedan Deliveryは7,273台。

一方1502 2-Door Sedanは70,774台。

かなり差があります。

だから現在の1957 Chevrolet市場で150 Utility SedanやSedan Deliveryを見かける機会が少ないとしても不思議ではありません。

しかし、

少ない=価値が高い

と単純には言いません。

MUDIMUで重要なのは、

なぜそのBODYが存在したのか。

です。


ENGINE|150だからSIXだけ、ではない

150を廉価Seriesだから、

「直6だけのChevrolet」

と決めつけるのも危険です。

1957 ChevroletではSeriesとBODYに応じたEngine/RPO設定を確認する必要があります。

235 Six。

265 V8。

283 V8。

1957には複数のPowertrainがあります。

ただし、このNo.03ではEngine Specificationを先走りません。

後のBODY × ENGINE記事でFactory applicabilityまで照合します。

MUDIMUでは現存車にV8が載っているだけで、

Factory V8 car

とは判断しません。


150をBEL AIR化した実車にも注意する

1957 Chevroletは長い年月を生きています。

その間に、

Trim追加。

Interior交換。

Engine swap。

Wheel交換。

Bel Air風Side Trim。

Emblem変更。

などが行われた車もあります。

だから現在の外観だけでSeriesを断定しない。

特に150はDecorationが少ないため、後年「豪華にする」Customの対象になりやすい。

実車では、

BODY → Model identification → Fisher Style → Trim → Paint → Engine

の順に確認します。


1957 150 IDENTIFICATION

150を調べるなら、まず次を見ます。

  1. 2-Door / 4-Door / Wagon / Delivery
  2. Passenger BODYかCommercial BODYか
  3. Model Number
  4. Fisher Style
  5. Seat / Cargo configuration
  6. Side Glass
  7. Exterior Trim
  8. Interior Trim
  9. Paint
  10. Engine / Transmission
  11. 後年のModification

特に、

1502と1512。

1529と1508。

この二組は、MUDIMUで重点的に見分けたい組み合わせです。


1955→1956→1957|150のBODYは続いている

ここまで1955・1956を作ってきたから、縦にも見られます。

150には3年間を通じて、

1502。

1503。

1512。

1529。

1508。

という主要Model Numberが続いています。production compilationでも1955・56・57の各年に同じModel Number群を確認できます。

つまり1957だけを見るのではなく、

1955 150
 ↓
1956 150
 ↓
1957 150

と追える。

BODYの基本Familyが続きながら、Exterior Stylingが毎年変化していく。

Tri-Five研究として非常に面白いところです。


MUDIMU VIEW|150は「安いCHEVY」では終わらない

価格Hierarchyだけ見れば、150はBase Seriesです。

しかしBODY図鑑として見ると評価が変わります。

2-Door Sedan。

4-Door Sedan。

Utility Sedan。

2-Door Wagon。

Sedan Delivery。

この5 Modelがあります。

しかもUtility SedanとSedan Deliveryは、上級Seriesを追っているだけでは出会えないChevroletです。

Bel Airが1957 Chevroletの華やかさを見せるなら、
150は1957 Chevroletが実際に何のために使われていたのかを見せてくれる。

そこに150の価値があります。


CONCLUSION|一番下のSERIESに、一番MUDIMUらしいCHEVYがいる

1957 Chevrolet 150。

Base Series。

装飾は少ない。

しかし、その中には5つの異なるFactory Modelがあります。

1502 2-Door Sedan。

1503 4-Door Sedan。

1512 Utility Sedan。

1529 Handyman Wagon。

1508 Sedan Delivery。

特にUtility SedanとSedan Deliveryは、

「そんな1957 Chevroletまであったのか」

と思わせてくれる存在です。

有名だから大きく扱うのではありません。

高価だから残すのでもありません。

Factoryが作った面白いBODYなら、一つたりとも落とさない。

1957 Chevrolet 150は、そのMUDIMUの考え方を最もよく表すSeriesの一つです。

次は中間Series。

しかしBODY Variationは一気に増えます。

MUDIMU Research Note

A|1957 Chevrolet 150 Factory Model
1957 Chevrolet Factory specificationsで、150 Seriesに1502・1503・1512・1529・1508の各Modelを確認。2-Door Sedan、4-Door Sedan、Utility Sedan、2-Door Handyman Wagon、Sedan Deliveryという構成で記録します。

A|150 2-Door Sedan
Model 1502 / Fisher Style 1211として確認。1957 Chevrolet 150の基本となる2-Door Sedan BODYです。

A|150 4-Door Sedan
Model 1503 / Fisher Style 1219として確認。150には2-Doorだけでなく、6-Passengerの4-Door SedanもFactory Modelとして設定されています。

A|150 Utility Sedan
Model 1512 / Fisher Style 1211Bとして確認。通常の150 2-Door Sedan 1502とは別のFactory Model / Fisher Styleとして扱われています。

A|150 Handyman Wagon
Model 1529 / Fisher Style 1263Fとして確認。1957年の150にも2-Door Station Wagonが存在し、210 HandymanやBel Air Nomadとは別Modelとして記録します。

A|150 Sedan Delivery
Model 1508 / Fisher Style 1271として確認。Passenger Car系BODYを基礎とするCommercial用途のChevroletとして、通常の2-Door Wagonとは分けて記録します。

A|150と210・Bel Airの区別
1957 Chevroletには150・210・Bel Airで共通または近似するBODY形式が存在します。MUDIMUでは外観だけでSeriesを推定せず、Factory Model、Fisher Style、Exterior Trim、Interior Trim、Body Tagを順に照合します。

A|BODYとSeriesは別に読む
「2-Door Sedanだから150」「1957 HardtopだからBel Air」のような外観だけによる判定は行いません。まずBODYを特定し、その後にSeriesとFactory specificationを確認することを1957年の基本調査手順とします。

?|Utility SedanのFactory supplied interior
1512が通常の1502とは異なるUtility Sedanとして設定されたことは確認していますが、Rear Seat、Cargo area、Floor、Interior trimなどの正確なFactory仕様は、個別記事でSales literature・Parts Book等との照合を続けます。

?|150各BODYのExterior Trim差
150が210・Bel Airより簡素なSeriesであることだけで判断せず、Side molding、Series identification、Window surround、Wheel treatmentなどの年式・BODY別差異をFactory資料から個別に確認します。

?|150各BODYのProduction Numbers
生産台数は資料によって数字が異なる可能性があります。MUDIMUでは二次資料の数字をそのまま確定値にせず、1957 Production Numbers専用記事でFactory資料との照合結果を記録します。

No.04|1957 Chevrolet 210|Sedan・Hardtop・Wagonまで揃った、1957最大のBODY Variation。

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この記事を書いた人

1959、1960、1962、1968年式Chevroletの所有経験を持つ。現在、当時のChevrolet資料をもとにBODY、COLOR、TRIMを中心とした日本語アーカイブを構築中。

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