1957 Chevrolet No.06
1957 Chevroletを象徴する一台を選べと言われれば、多くの人はBel Air Sport Coupeを挙げるだろう。
あるいはConvertible。
Wagon好きならNomad。
どれも間違いではない。
しかし、1957 ChevroletというBODYそのものを見たいなら、別の一台が非常に面白い。
1957 Chevrolet 150 2-Door Sedan。
Factory Model 1502。
Fisher Body Style 1211。
華やかなBel Airではない。
Hardtopでもない。
Nomadでもない。
Convertibleでもない。
150 Seriesの、普通の2-Door Sedanである。
ところが装飾の少ないこの1502を見ると、逆に1957 Chevroletそのものの形がよく見える。
1957年独特のFront。
大きく変化したRear Quarter。
鋭く立ち上がったFin。
長い2-Door SedanのDoor。
固定Roof。
B-Pillar。
そして、Bel AirほどDecorationに頼らないSide profile。
飾りを外したとき、それでも1957 Chevroletは1957 Chevroletに見えるのか。
1502を見ると、その答えがよく分かる。
1502とは何か
まず番号から整理しよう。
1957 Chevrolet Passenger Car specificationsでは、Model 1502は150 Seriesの2-Door Sedanとして扱われている。
Fisher Body Styleは1211。
6-passengerの2-Door Sedanである。
1957年の150 Seriesには、
1502|2-Door Sedan
1503|4-Door Sedan
1512|Utility Sedan
1529|Handyman Station Wagon
1508|Sedan Delivery
というBODYが存在する。
つまり1502は、150 Seriesの中でも最も基本的なPassenger Carのひとつと考えていい。
ただし「基本的」という言葉を「価値が低い」という意味で使ってはいけない。
MUDIMUではむしろ逆だ。
基本形だからこそ、BODY研究では重要なのである。
1957 Chevroletの「素の形」が見える
1957 ChevroletはDecorationの強い車である。
Bel Airを見ると、それがよく分かる。
Side Trim。
Rear Quarter treatment。
Series identification。
Chrome。
Gold-colored treatment。
Two-Tone。
これらが組み合わさり、非常に華やかな1957 Chevrolet像を作っている。
ところが150では装飾が抑えられる。
その結果、目に入ってくるのはTrimより先にSheet Metalそのものだ。
Hood。
Fender。
Roof。
Door。
Quarter Panel。
Fin。
Deck。
つまり1502は、
1957 ChevroletのDesignを、DecorationではなくBODYから見るための車
なのである。
1956から1957へ、BODYは何が変わったのか
1957 ChevroletはTri-Fiveの最終年だ。
しかし「1955・1956・1957はだいたい同じ車」と考えると、1957の面白さをかなり失う。
1957ではFrontとRearの印象が大きく変化した。
特にRear QuarterからFinにかけての造形は、1957 ChevroletのIdentityそのものになっている。
Hemmingsも1957年の150/210について、1956の基本BODYを引き継ぎながらも、dual hood ornaments、grille、鋭く高くなったquarter-panel finsなど、大きな外観変更があったことを指摘している。
だから1502を見ると面白い。
Bel Airの豪華なQuarter Trimに目を奪われず、
1957年にChevroletが鉄板そのものをどう変えたのか
を追いやすいからだ。
Front|150でも顔は完全に1957 Chevrolet
150は廉価Seriesだからといって、1957年のStylingを失っているわけではない。
Frontから見れば、 unmistakably 1957 Chevroletである。
1957特有のHood treatment。
Headlamp周辺。
Grille。
Bumper。
Front Fender。
これらの基本的な造形は150にも与えられる。
つまりSeries差とModel Year差は別に考えなければならない。
1957年らしさを作るBODY。
その上に、
150らしさを作るTrim。
が乗る。
この順番で見ると、実車のIdentificationも分かりやすくなる。
Side|1502の面白さは横から分かる
1502を研究するなら、正面写真だけでは足りない。
むしろ重要なのはSide viewだ。
2-Door SedanなのでDoorが長い。
そして固定Roofを持つ。
B-Pillarがある。
後席へはFront Doorから乗り込む。
この基本構成が、同じ1957 Chevroletの2-Door Sport Coupeとはまったく違うSide profileを作る。
1957年の150 Side TrimはBel Airより簡素で、Hemmingsは150の水平なSide TrimがRear Quarter側から伸び、2-Door SedanではDoor後端付近まで達する特徴を説明している。
ここはMUDIMUでさらにPeriod literatureとParts資料を照合したい部分だ。
なぜなら、現存する150はHot RodやRestomodのBaseとして使われている例も多く、Trimが交換・撤去されている可能性があるからである。
現存車の写真一台だけをFactory specificationだと思ってはいけない。
1502はHardtopではない
これは当たり前に見えるが、MUDIMUでは重要な区別である。
1502は2-Door Sedan。
Sport Coupeではない。
1957 Chevroletには210とBel Airに2-Door Sport Coupeが存在する。
210 Sport CoupeはModel 2154。
Bel Air Sport CoupeはModel 2454。
1502とは別BODYである。
「2ドアの1957 Chevy」というだけではBODYを特定できない。
まず見るべきなのは、
B-Pillarがあるか。
Rooflineはどうなっているか。
Side Glassの構成はどうか。
Door openingはどう違うか。
そして最終的にはFisher Styleを確認する。
1502は1211。
ここまで確認して、ようやく「150 2-Door Sedan」というBODYが見えてくる。
1502と2102は何が違うのか
さらに面白くなる。
1957 Chevrolet 210にも2-Door Sedanがある。
Model 2102。
そしてBel Airにも、
Model 2402
の2-Door Sedanが存在する。
つまり1957年には、
1502|150 2-Door Sedan
2102|210 2-Door Sedan
2402|Bel Air 2-Door Sedan
という三つの2-Door Sedanが存在した。
ここが1957 Chevrolet BODY研究の重要ポイントだ。
一見するとよく似ている。
しかしFactory ModelもFisher StyleもSeries treatmentも違う。
1502のFisher Styleは1211。
2102は1011。
Bel Air 2402は1011Dとして整理される。
ここでMUDIMUがやるべきことは、
「150は安い、210は中間、Bel Airは豪華」
で終わることではない。
同じ2-Door Sedanというカテゴリーの中で、何が共通し、何がSeries固有なのか。
そこを追うことである。
これは後に、
1957 Chevrolet 2-Door Sedan比較
として独立させる価値がある。
1502と1512 Utility Sedanは、見た目が近くても同じ車ではない
さらに厄介で面白い相手がいる。
150 Utility Sedan。
Model 1512。
Fisher Style 1211B。
1502が1211。
1512が1211B。
非常に近い番号だ。
しかしFactory specificationsではUtility Sedanは通常Sedan群とは別ページで扱われている。
1502は6-passenger 2-Door Sedan。
一方、1512は後席を通常のPassenger Sedanとは異なる用途へ振ったUtility仕様である。
外から見ただけでは混同する可能性がある。
だからMUDIMUでは、
「2-Door 150に見える」
だけでは終わらせない。
Rear Seat。
Rear Window。
Cargo treatment。
Interior。
Body Tag。
Fisher Style。
そこまで確認する。
1512については後の専用記事で徹底的に調べる。
2-Door SedanというBODYを軽く見てはいけない
Classic Carの世界では、HardtopやConvertibleが華やかだ。
そのため普通のSedanは地味に見える。
しかしBODY Variationを研究すると、この「普通」が非常に重要になる。
なぜならSedanが基準になるからだ。
1502を理解すると、
2102との差が見える。
2402との差が見える。
1512 Utility Sedanとの差が見える。
2154や2454 Sport Coupeとの差が見える。
そしてNomadの特殊性まで、逆に理解しやすくなる。
特殊なBODYを理解するには、まず普通のBODYを知る必要がある。
MUDIMUが1502を一記事使って調べる理由はそこにある。
Rear|1957 Chevrolet最大の見せ場
1957 ChevroletをRearから見ると、1955・1956との違いが強烈に現れる。
鋭く伸びたFin。
Taillamp周辺。
Rear Quarter。
Bumper。
そしてFuel fillerの処理。
Hemmingsは1957 Chevroletについて、左Rear Finの後端部を開いてFuel filler neckへアクセスする構造を説明している。
これも1957年を象徴するDesign detailだ。
しかも150ではBel Airのような派手なQuarter treatmentがないため、Finそのものの輪郭を観察しやすい。
1957 ChevroletのFinはBel Airだけのものではない。
150にもある。
210にもある。
BODYとしての1957年型Chevroletに与えられた造形なのである。
150は「安いBel Air」ではない
150を説明するとき、最も簡単なのは、
「Bel Airより安い廉価版」
と言うことだ。
間違いではない。
しかし、それだけでは150というSeriesの存在意義をほとんど説明できない。
150にはUtility Sedanがある。
Sedan Deliveryもある。
Handyman Wagonもある。
そして普通の2-Door / 4-Door Sedanもある。
つまり150には、
Decorationより実用を優先したChevrolet
という性格がある。
その中心にいるPassenger BODYの一つが1502だ。
豪華さを削ったからこそ、Chevroletそのものが残る。
これは「廉価版」という一言よりずっと面白い。
EngineはBODYを決めない
1957 Chevroletでは235 Sixに加え、V8も重要な年になる。
283 Small Block、さらにFuel Injectionまで1957 Chevroletを語る上で欠かせない。
しかしMUDIMUでは、
EngineとBODYを混同しない。
150だから必ずSix。
Bel Airだから必ずV8。
という単純な見方はしない。
BODYはBODY。
EngineはEngine。
Factory ModelとFisher Styleでまず車体を特定し、その後にPowertrainを確認する。
1957 150についてもSix/V8双方の仕様が資料に記録されている。
したがって、V8が載っている1502を見ただけで「Bel Airから移植されたEngineだ」と判断することもできない。
逆に現存車ではEngine swapも多いため、現在載っているEngineだけでFactory configurationを判断することもできない。
1502はHot Rod Baseとしても残った
150 2-Door Sedanには、もう一つ後世の歴史がある。
装飾が少ない。
2ドア。
Tri-Five Chevrolet。
Small Blockとの相性。
こうした要素から、Hot RodやStreet Machine、Drag CarのBaseとして使われてきた。
現在見つかる1502にもModified Carが少なくない。
それ自体はAmerican Car Cultureとして非常に面白い。
ただしMUDIMUのFactory archiveでは、Custom文化とOriginal specificationを混ぜない。
CustomはCustomとして評価する。
FactoryはFactoryとして調べる。
この二つを分けるからこそ、改造された1502を見たときにも、
「元は何だったのか」
を考えることができる。
Black Widowとの関係は慎重に扱う
1957 Chevrolet 150を調べると、必ずと言っていいほど出てくる言葉がある。
Black Widow。
1957年のChevrolet racing historyでは非常に重要な存在である。
しかし、
150 2-Door Sedan=すべてBlack Widow
ではない。
また、Black Widowの呼称、仕様、SEDCOとの関係、Factory/Racing preparationの境界などは、通常の1502の記事に数行書いて終わらせるテーマではない。
MUDIMUでは別記事として一次資料まで追う価値がある。
1502はその土台となったBODYとして重要だが、通常のProduction 1502とCompetition仕様は分けて記録する。
ここを混ぜると資料として弱くなる。
生産台数にはすでに食い違いがある
ここはMUDIMUらしく、数字を誤魔化さずに残しておきたい。
あるproduction compilationでは、1957 150 2-Door Sedanを70,774台としている。
別の資料では70,744台。
さらに別のcompiled sourceでは71,135台としている。
つまり現段階で、
「1957 Chevrolet 1502は○○台生産された」
と一つの数字だけを断定するのは危険だ。
これは非常に良い例である。
ネットで数字を一つ見つけることと、
資料として数字を確定することは違う。
MUDIMUでは、この差を消さない。
Production Numbers専用記事でFactory/period sourceまで遡って整理する。
価格についても同じである
二次資料では1502のFactory Priceとして、Six-cylinder仕様**$1,996**、V8仕様**$2,096**という数字が掲載されている。
これを見ると、1502が1957 Chevroletの比較的手頃なPassenger Carだったことは理解できる。
しかしMUDIMUでは価格についても、
Model。
Engine。
Equipment。
資料の定義。
Factory priceなのかlist priceなのか。
を確認する。
単純に「1957 150は$1,996だった」と全仕様へ広げない。
実車で1502を確認するなら
1957 Chevrolet 150 2-Door Sedanらしい車を見つけたとする。
MUDIMUなら、いきなり「1502だ」と決めない。
まず1957 BODYであることを確認する。
次に2-Door Sedanであること。
Hardtopではないこと。
Utility Sedanとの違いを見る。
Series treatmentを見る。
そしてBody TagからFisher Styleを確認する。
目標は、
Model 1502 / Fisher Style 1211
まで辿り着くことだ。
さらにOriginalityを見るなら、
Trim。
Paint。
Interior。
Engine。
Transmission。
Accessory。
へ進む。
この順序なら、Bel Air化された150やCustomされた個体にも対応できる。
「地味な150」がMUDIMUでは重要になる
普通のClassic Carサイトなら、1957 Chevroletで大きく扱われるのはBel Airだろう。
Nomad。
Convertible。
Fuel Injection。
そこへ話題が集中する。
もちろんMUDIMUでも徹底的に扱う。
しかし、それだけでは1957 Chevrolet図鑑にはならない。
1502のような普通のBODYを一台ずつ記録してこそ、
「Bel Airの何が特別なのか」
「Nomadの何が特殊なのか」
「Utility Sedanは何が違うのか」
が見えてくる。
だからMUDIMUでは、1502を脇役にしない。
1502から1957 Chevroletを読む
1957 Chevrolet 150 2-Door Sedan。
Model 1502。
Fisher Style 1211。
この車にはNomadのような希少性はない。
ConvertibleのようなOpen Airの華やかさもない。
Bel Air Sport Coupeのような象徴性もない。
だが、そこが面白い。
Decorationを減らしても残る1957 Chevroletの形。
2-Door Sedanという基本BODY。
Seriesによる仕上げの違い。
Utility Sedanとの微妙だが重要な差。
Hardtopとはまったく異なるCabin構造。
そして後世のHot Rod文化へつながるSimpleな姿。
1957 ChevroletのBODYを本当に知りたいなら、1502は飛ばしてはいけない一台である。
MUDIMUは、有名なChevyだけを並べる博物館ではない。
カタログに存在した一台を、
Factory Modelまで戻して、
BODYから読み直す。
その積み重ねで1957 Chevrolet全体を復元していく。
MUDIMU Research Note
A|Factory Model 1502
1957 Chevrolet Passenger Car specificationsで、Model 1502をOne-Fifty / 150 Seriesの2-Door Sedanとして確認。通常Sedan群のModelとして1503、2102、2103、2124、2402、2403とともにFactory specificationsに収録されています。
A|Fisher Body Style 1211
複数のModel/Style資料で、1502に対応するFisher Body Styleを1211として確認。2-Door・6-passenger Sedanとして整理します。
A|1502と1512は別Model
通常の2-Door Sedan 1502に対し、Utility Sedanは1512としてFactory specifications上でも別に扱われています。Style表記も1502=1211、1512=1211Bとして区別されます。
A|1502とSport Coupeは別BODY
1502は2-Door Sedan。1957年のSport Coupeは210 Model 2154、Bel Air Model 2454として設定され、1502とは別のBODY分類です。
A|Wheelbase
1957 150/210 Passenger Carのwheelbaseは115 inchesとして資料で確認できます。
B|Factory Price
二次資料では1502 Six-cylinderを**$1,996**、V8を**$2,096**としています。価格記事ではFactory literatureとの再照合を行います。
?|Production Number
1957 150 2-Door Sedanの生産台数は、現在確認できる資料だけでも70,774 / 70,744 / 71,135など差があります。現段階では一つに固定せず、Production Numbers専用調査で一次資料を優先して確定します。
?|1502 Exterior Trim完全仕様
150 Seriesの簡素なSide Trimについて基本的特徴は確認できますが、1502固有のMolding構成・取付位置・各部品のFactory適用範囲はPeriod Sales literatureおよびParts Bookで追加確認します。
?|1502と2102・2402のBODY共有範囲
3 Seriesすべてに2-Door Sedanが存在しますが、Fisher Style Numberの違いだけからSheet Metal・Glass・Door・Interior structureの共有範囲を推測しません。Fisher Body/Parts資料で部位ごとに確認します。
?|Black Widow
1957 150 2-Door SedanとCompetition仕様の関係は重要ですが、通常Production Model 1502とRacing-prepared carを同一視しません。SEDCO、Factory involvement、RPO/Competition equipment等を別途調査し、独立記事で扱います。
?|BODY × COLOR × TRIM
1502に設定されたPaint、Two-Tone、Interior Trimの正確な組み合わせは1957 Factory Color/Trim資料と照合し、専用記事へ記録します。
次に読む記事:07|1957 Chevrolet 150 4-Door Sedan
2-Doorの1502から4-Doorの1503へ進むことで、Door数だけではないRoof・Glass・Door opening・Side profileの違いを追っていきます。
