1957 Chevrolet No.07
1957 Chevroletの写真を探す。
すると、まず出てくるのはBel Airだ。
2-Door Sport Coupe。
Convertible。
Nomad。
どれも1957 Chevroletを代表する名車である。
しかし、1957年当時のChevroletを知ろうとするなら、それだけを見ていてはいけない。
普通の人が、普通に使ったChevrolet。
そこにも目を向ける必要がある。
1957 Chevrolet 150 4-Door Sedan。
Factory Model 1503。
Fisher Body Style 1219。
6人乗りの4-Door Sedan。
豪華なBel Airでもなければ、特殊なNomadでもない。
HardtopでもConvertibleでもない。
一見すると、1957 Chevroletの中でもかなり地味な存在だ。
だがMUDIMUにとっては重要である。
なぜなら1503には、
「1957年のChevroletが、実用車としてどんな形をしていたのか」
が非常によく残っているからだ。
1503とは何か
1957 Chevrolet Factory specificationsでは、1503は150 Seriesの4-Door Sedanとして確認できる。
同じページには、
1502
1503
2102
2103
2124
2402
2403
がまとめられている。
つまりChevroletは、150・210・Bel AirというSeriesを越えて、基本的なSedan BODYを展開していた。
1503はその中の、
150 Series / 4-Door Sedan
である。
Modelは1503。
Fisher Styleは1219。
6-passenger。
この数字を覚えるだけでも、実車を見る目が変わる。
「1957 Chevroletの4ドア」
ではなく、
「これは1503なのか?」
と考えられるようになるからだ。
1503は「1502にドアを2枚足した車」ではない
No.06で扱った1502は2-Door Sedan。
今回の1503は4-Door Sedan。
簡単に説明するなら、
1502=2ドア
1503=4ドア
で終わってしまう。
しかしMUDIMUでは、それではBODY研究にならない。
ドアが2枚増えるということは、Side Body全体の構成が変わる。
Front Doorの長さ。
Rear Door。
Door opening。
Center Pillar。
Side Glass。
Rear Side Glass。
Roofとの関係。
Passenger compartmentへのアクセス。
これらが変化する。
だから1502と1503は、
同じ150 SeriesのSedanでありながら、別のBODY Styleとして読む。
実際、Fisher Styleも、
1502=1211
1503=1219
と分けられている。
4-Door Sedanだから見える1957年の生活
1503の価値は、造形だけではない。
用途を見るとさらに面白くなる。
2-Door Sedanなら、後席へ乗るためにFront Seatを介して乗り込む必要がある。
4-Door SedanならRear Doorから直接乗れる。
家族。
子供。
高齢者。
仕事仲間。
荷物。
毎日何度も人を乗せ降ろしするなら、4ドアは合理的だ。
つまり1503を見ることは、
1957 ChevroletをCollector Carではなく生活道具として見ること
でもある。
現在のClassic Car市場では2-Doorの方が人気を集めることが多い。
しかし現在の人気順位を、そのまま1957年へ持ち込んではいけない。
1957 Chevroletは、当時は新車だった。
1503もまた、誰かの日常のために販売された新車だったのである。
150 Seriesだからこそ見えるBODY
1503はBel Airほど装飾が多くない。
これはBODY研究では利点になる。
1957 Chevroletの華やかさを語るとき、どうしてもChromeやSide Trim、Two-Tone、Bel Air特有のDecorationへ目が向く。
しかし、それらを少なくすると何が残るのか。
Roof。
Windshield。
Rear Window。
Door。
Quarter Panel。
Fender。
Fin。
Deck。
つまりBODYそのものである。
1503を見ると、
「1957 ChevroletらしさはBel AirのDecorationだけで作られていたわけではない」
ということがよく分かる。
飾りを減らしても1957 Chevroletに見える。
それは、基本造形そのものが強いからだ。
Side Viewが1503研究の中心になる
1503を調べるなら、Frontだけを見てはいけない。
MUDIMUではむしろ真横の写真を重要資料として扱いたい。
4-Door Sedanの性格が最もよく出るからだ。
Front Door。
Rear Door。
B-Pillar。
Front Side Glass。
Rear Side Glass。
Rear Quarter。
Roof。
これらが一枚のSide Viewに収まる。
1502と並べれば、
「同じ150でも、2-Doorと4-DoorではCabinがどう違って見えるか」
が分かる。
さらに2103、2403と並べれば、
「同じ4-Door SedanでもSeriesによって何が違うのか」
を比較できる。
これはMUDIMUが最終的に作るべき重要な比較資料になる。
1503・2103・2403という三つの4-Door Sedan
1957 Chevroletには、4-Door SedanがSeriesごとに存在する。
1503|150 4-Door Sedan
2103|210 4-Door Sedan
2403|Bel Air 4-Door Sedan
Fisher Styleはそれぞれ、
1503=1219
2103=1019
2403=1019D
として整理される。
ここは非常に面白い。
現代の感覚では、
「同じSedanの廉価・中間・上級Trim」
と考えたくなる。
だが、それだけでは不十分だ。
Fisher Style Numberが異なる。
Series treatmentも違う。
Exterior Trimも違う。
Interiorも違う。
だからMUDIMUでは、
同じ4-Door Sedanに見える3台を、どこまで同じBODYとして考えられるのか
まで調べたい。
ただし、ここで推測してはいけない。
Fisher Style Numberが違うからといって、すべてのSheet Metalが違うとは限らない。
逆に外観が似ているからといって、すべて同じとも限らない。
Parts BookとFisher Body資料で、共有部品とSeries固有部品を追う必要がある。
SedanとSport Sedanも別物である
1957 Chevroletの4ドアには、もう一つ注意すべきBODYがある。
Sport Sedan。
210にはModel 2113。
Bel AirにはModel 2413。
これは4-Door Hardtop系BODYである。
したがって、
1503 4-Door Sedan
2103 4-Door Sedan
2403 4-Door Sedan
2113 4-Door Sport Sedan
2413 4-Door Sport Sedan
は、すべて「4ドアChevrolet」と一括りにしてはいけない。
特にSedanとSport Sedanでは、PillarとSide Glassの見え方が大きく違う。
1503は普通の4-Door Sedan構造を理解するための基準車になる。
その基準があるからこそ、Sport Sedanの特殊性が分かる。
150には4-Door Hardtopがない
ここも150 Seriesの性格をよく表している。
1957年の210とBel Airには4-Door Sport Sedanがある。
しかし150には設定されていない。
150のPassenger Sedanは、
1502 2-Door Sedan
1503 4-Door Sedan
という基本的な構成になる。
さらにUtility Sedan、Handyman、Sedan Deliveryへ展開する。
つまり150は、Hardtopの華やかさよりも、
実用的なBODYを中心に構成されたSeries
として見ることができる。
1503は、その性格を最も分かりやすく示す一台である。
FrontだけならSeriesを間違える可能性がある
1957 Chevroletを正面から見ると、Model Yearの特徴は非常に強い。
しかしSeries Identificationとなると話は別だ。
Frontだけで、
「これは1503だ」
と断定するのは危険である。
長い年月の中で、
Grille。
Emblem。
Molding。
Bumper。
Hood ornament。
その他のExterior parts。
が交換されている可能性がある。
RestorationやCustomもある。
だから実車を調べるなら、
1957であること
と、
150 Seriesであること
と、
1503であること
を別々に確認する。
MUDIMUではこの順序を崩さない。
Rearから見る1503
1957 Chevrolet最大のDesign特徴の一つがRearである。
Rear Quarterから鋭く立ち上がるFin。
その下に配置されるTaillamp。
Chrome treatment。
そして左Rear Fin側に隠されたFuel filler access。
こうした特徴はBel Airだけのものではない。
1957 ChevroletというModel Yearそのものに関わるDesignである。
1503を見ると、豪華なBel Air Trimに邪魔されず、
Finそのものの輪郭
を追いやすい。
これは150 Seriesを資料として見る大きな面白さだ。
4-Door SedanのRear DoorとQuarterをもっと調べたい
ここは今後MUDIMUでさらに深掘りしたい。
1503を1502と比較した場合、
Rear Doorが追加される。
その結果、Rear Wheel openingまでのSide Body構成も変わる。
Rear Door後端。
Quarter Window周辺。
C-Pillar。
Roof。
Rear Quarter Panel。
これらの関係を正確に比較したい。
単に写真を見て、
「4ドアだからこうだろう」
とは書かない。
Fisher Body資料。
Parts Book。
Factory illustrations。
Period photographs。
これらを組み合わせる。
最終的には、
1957 Chevrolet Sedan BODY Anatomy
として独立記事にできるレベルまで持っていきたい。
Interiorも1503を理解する重要部分
150は廉価Seriesである。
そのためExteriorだけではなくInteriorにもSeriesの性格が現れる。
しかしInteriorは現存車だけを見て判断するのが特に危険な部分でもある。
Seat upholsteryは交換される。
Door panelも交換される。
Carpet化される。
Steering wheelも変わる。
Gauge周辺もCustomされる。
だからMUDIMUでは、
現在の1503のInterior写真=1957 Factory specification
とはしない。
Factory trim資料と照合する。
実際、現存する1503の一例ではFisher trim tagがStyle 57-1219、Trim 650、Paint 810Eと読まれ、Black/gray系upholsteryとIndia Ivory/Larkspur Blueの組み合わせとして紹介されている。これは「1503の全車がこの仕様だった」という意味ではないが、Body Tagから実車仕様を読む具体例として非常に面白い。
Body Tagが一気に面白くなる
1503のような一見地味なSedanでも、Tagを読むと車が急に具体的になる。
先ほどの現存車では、
STYLE 57-1219
という表示から1957 150 4-Door Sedanとの対応が確認できる。
さらにBody Number。
Trim。
Paint。
と続く。
ここまで来ると、
「青い1957 Chevyの4ドア」
ではなくなる。
何年式か。
何Seriesか。
何BODYか。
どんなInteriorだったのか。
どんなPaint Combinationだったのか。
一台の履歴をFactory configurationへ戻していくことができる。
これこそMUDIMUが将来、実車調査にも使える図鑑を作る意味である。
Factory Colorは現存車の色から決めない
1957 Chevroletには魅力的なFactory Colorsが多数存在する。
Two-Toneも重要だ。
しかし70年近く経過した車の場合、現在のPaintがFactory Originalとは限らない。
だから、
「この1503は青だから、1957年にはこの青があった」
という逆算はしない。
Paint Codeから調べる。
Paint chartへ戻る。
SeriesとBODYへの適用を確認する。
Two-Toneなら境界位置まで確認する。
MUDIMUでは最終的に、
BODY × COLOR × TRIM
をつなげたい。
そうすれば「1957年に存在した色一覧」ではなく、
1503でFactory設定された組み合わせ
まで追える。
1503にもSixとV8がある
150だからSix-cylinderだけ、というわけではない。
現在参照できる1957 production/price tableでも1503についてI-6とV8の両方が記載されている。
二次資料では、
I-6仕様
Factory Price $2,048
V8仕様
Factory Price $2,148
とされる。
ただし、これはBODYを識別する情報とは別だ。
MUDIMUではまず、
1503 / 1219
というBODYを確定する。
その後でEngine、Transmission、RPOへ進む。
現在V8が載っているから、Factory V8車だったとは限らない。
現在Sixだから、必ずOriginalとも限らない。
BODYとPowertrainは別々に証拠を積み上げる。
生産台数は、ここでも資料が割れる
そして1503でも、MUDIMUが重要視している問題が出てくる。
Production Numberである。
OldRideのcompiled tableでは、1503 4-Door Sedanの生産を52,266台としている。
Over-Drive Magazine掲載のproduction sheetも52,266台としている。
ところが別のcompiled sourceでは56,418台という数字が出ている。
さらに一般的な解説資料では56,266台という数字も流通している。
これはまさにMUDIMUが数字を一つ拾って終わってはいけない理由だ。
52,266。
56,266。
56,418。
複数の数字が存在する。
したがって現段階では、
「1503は○台生産された」と確定しない。
Production Numbers専用記事で、GM/Chevroletの一次資料へ戻る。
違う数字があるなら、その違いそのものを記録する。
1502と1503、どちらが「基本形」なのか
これは面白い問いだ。
Stylingを見るなら1502は非常に美しい基本形に見える。
長いFront Door。
すっきりしたSide。
2-Door Sedanらしいまとまり。
一方1503は、より実用的だ。
4枚のDoor。
6人乗り。
家族で使いやすい。
日常のPassenger Carとして非常に自然な構成。
だからMUDIMUでは優劣を付けない。
1502は2-Door Sedanとしての基本形。
1503はFamily Sedanとしての基本形。
両方を見る。
そこから210、Bel Airへ進む。
現在人気が低いBODYほど記録する意味がある
Classic Car市場では、人気のあるBODYから残る。
2-Door。
Hardtop。
Convertible。
Nomad。
希少車。
高価格車。
すると時間が経つほど、
「その時代には、そういう車ばかり走っていた」
ように見えてしまう。
しかし実際には違う。
普通の4-Door Sedanがいた。
Fleet Carがいた。
Wagonがいた。
Deliveryがいた。
毎日働いていたChevroletがいた。
だからMUDIMUは1503を残す。
有名だから記録するのではない。
存在したから記録する。
これがCHEVY図鑑である。
1957 Chevroletを「現在の価値」だけで見ない
現在、1957 Bel Air Sport Coupeには大きな価値がある。
Nomadにもある。
Convertibleにもある。
しかし1957年当時のChevroletという世界を再現するなら、現在のCollector Valueだけで車種を選ぶことはできない。
1503のような車があったからこそ、Chevroletは大量生産のAmerican Carだった。
普通の家庭へ入った。
普通の道路を走った。
普通の生活に使われた。
そしてその「普通の車」にさえ、現在見れば非常に大胆な1957 Stylingが与えられていた。
そこが面白い。
1503から見えてくる1957 Chevrolet
Model 1503。
Fisher Style 1219。
4-Door。
6-passenger。
150 Series。
この一台をきちんと調べるだけで、1957 Chevroletについて多くのことが見えてくる。
SeriesとBODYは別であること。
2-Doorと4-DoorではBODY構成が違うこと。
SedanとSport Sedanは別物であること。
同じ4-Door Sedanが150・210・Bel Airに存在すること。
ExteriorだけでSeriesを決めてはいけないこと。
Body Tagが重要であること。
Production Numberには資料差があること。
そして何より、
1957 ChevroletはBel Airだけではなかった。
ということだ。
MUDIMUは、こういう車を飛ばさない。
1503まで一台ずつ調べるからこそ、最後に1957 Chevrolet全体が見える。
日本で1957 Chevroletを調べるなら、Bel AirやNomadだけではなく、
普通の150 4-Door Sedanまで辿れる図鑑。。
そこまで作る。
それがMUDIMUである。
黒猫タンゴの視線
Bel Air Sport Coupeは完成された華やかさがある。Nomadは別格の存在感がある。でも1503は余計な装飾が少ないぶん、1957年のBODYそのものがむき出しなんですよね。
特にいいのが、4ドアになったことでSideが長く見えて、Roof → Rear Door → Quarter → Finの流れがすごくきれいなこと。そこへ150の簡素なTrimが入る。Bel Airほど視線をDecorationに持っていかれないので、1957独特の鉄板の造形が強く見える。
1957 Chevroletで、いま最も格好よく見えるBODYは何か。
必ずしもBel Air Sport Coupeとは限らない。
今の黒猫タンゴには、150 4-Door Sedanが一番格好よく見える。
MUDIMU Research Note
A|Factory Model 1503
1957 Chevrolet Passenger Car specificationsで、Model 1503をOne-Fifty Seriesの通常Sedan群の一台として確認。Model 1502、2102、2103、2124、2402、2403と同じBody Interior Dimensions区分に収録されています。
A|Fisher Style 1219
Model 1503=4-Door Sedan / Fisher Style 1219 / 6-passengerとして複数資料で一致を確認しています。
A|1502との区別
1502は2-Door Sedan / Style 1211、1503は4-Door Sedan / Style 1219。単なるDoor枚数の表記差として扱わず、それぞれ独立したBODY Styleとして記録します。
A|同年のSeries別4-Door Sedan
1957年には1503 / 1219、2103 / 1019、2403 / 1019DというSeries別4-Door Sedanを確認。MUDIMUでは3台のBODY共有範囲とSeries固有部分を今後さらに比較します。
A|実車Body Tag確認例
現存する1957 Chevrolet 150 4-Door Sedanで、Fisher TagのSTYLE 57-1219が確認された実例があります。同車ではTrim 650、Paint 810Eも記録されており、BODY・Trim・PaintをTagから読む好例です。
B|Factory Price
二次資料では1503の価格をI-6 $2,048、V8 $2,148と記録しています。価格専用記事ではFactory literatureとの再照合を行います。
?|Production Number
1503のProduction Numberは、現在確認した資料で52,266 / 56,266 / 56,418などの差があります。MUDIMUでは現段階で一つの数字に確定せず、GM/Chevrolet一次資料を優先して再調査します。
?|1503・2103・2403のBODY共有範囲
外観が近くても、Fisher Style NumberだけからDoor、Roof、Glass、Quarter、Sheet Metal等の完全な互換性を推定しません。Fisher Body資料およびParts Bookで部位別に確認します。
?|1503 Exterior Trim完全仕様
150 SeriesのSeries treatmentは確認を進めていますが、1503固有のMolding、Emblem、Window surround等についてはPeriod brochure、Engineering Features、Parts資料で追加検証します。
?|BODY × COLOR × TRIM
1957 1503に設定されたFactory Paint、Two-Tone、Interior Trimの全組み合わせはPaint/Trim資料から独立台帳化します。現存車の色からFactory設定を逆算しません。
?|Mid-Year / Fleet仕様
150 Seriesは実用・Fleet用途との関係が深いため、通常Retail specification以外のEquipmentや特殊仕様が確認された場合は、通常1503と混同せず別途記録します。
次に読む記事:08|1957 Chevrolet 150 Utility Sedan
ここから一気にMUDIMUらしくなります。**1512 / Fisher Style 1211B――普通の150 2-Door Sedanによく似ているのに、後席を捨てて実用へ振った「カタログの隅のChevy」**を掘ります。
