1957 Chevrolet No.09
1957 Chevrolet 210 2-Door Sedan。
Factory Model 2102。
Fisher Style 1011。
1957 Chevroletを語るとき、どうしてもBel Airへ目が向く。
そして装飾を削ったChevroletを見たければ150がいる。
では、その間に置かれた210とは何だったのか。
No.04で210 Series全体を見たが、ここからは一台ずつBODYを追っていく。
その最初が2102である。
ChevroletのFactory specificationsでは2102は、1502、1503、2103、2124、2402、2403と同じSedan系の寸法資料にまとめられている。つまり2102は1957年のPassenger Chevroletを構成する中心的なSedan BODYの一つだった。
しかし2102には、1502ともBel Air 2402とも違う面白さがある。
BODYを隠しすぎない。けれど、150ほど素っ気なくもない。
1957 Chevroletのデザインを見るには、実はかなり面白い一台なのである。
Model 2102 / Fisher Style 1011
まず番号を固定しておこう。
| Series | Factory Model | BODY | Fisher Style |
|---|---|---|---|
| 150 | 1502 | 2-Door Sedan | 1211 |
| 210 | 2102 | 2-Door Sedan | 1011 |
| Bel Air | 2402 | 2-Door Sedan | 1011D |
2102は6-passenger 2-Door Sedanで、Fisher Styleは1011として記録されている。
この表だけでも面白い。
1502は1211。
2102は1011。
Bel Air 2402は1011D。
つまり「全部2-Door Sedanだから同じ車にTrimだけを付け替えた」と雑に説明してはいけない。
特に2102と2402はStyle Number上でも非常に近いが、どこまでBody shellやGlass、Interior、Exterior部品を共有していたのかは、Fisher BodyやParts資料を使って部品単位で確認する必要がある。
番号が似ていることと、完全に同じBODYであることは別問題だ。
ここはMUDIMUでは推測しない。
2102は「Post」の2-Door Sedan
2102を理解する最初のポイントは、Hardtopではないことだ。
1957 Chevroletには210 Seriesにも2-Door Sport Coupeが存在する。
2102=2-Door Sedan
2154=2-Door Sport Coupe
現在のClassic Chevrolet Parts分類でも2102は「Post Model」、つまり柱を持つSedanとして区別されている。
2102には固定されたB-Pillarがある。
Side Windowを下げても、Hardtopのように前後の窓が一続きに開くわけではない。
一方、2154 Sport CoupeはPillarless Hardtop BODY。
したがって、
2-Door=Coupe
ではない。
ここは中古車広告や現在の会話では非常に曖昧になりやすいところだ。
MUDIMUでは当時のChevroletのBODY名称を優先する。
2102は、
2-Door Sedan。
これで記録する。
Side Viewを見ると2102の性格がよく分かる
2102を見るなら、正面だけでは足りない。
むしろ真横から見たい。
Long Hood。
2枚の大きなDoor。
B-Pillar。
Rear Side Glass。
Roof。
Rear Quarter。
そして1957年特有のFin。
この流れの上に210 SeriesのExterior Trimが走る。
1502ではDecorationが少ないためBODYそのものが前へ出る。
Bel Air 2402では上級SeriesらしいDecorationが視線を引く。
2102はその中間にいる。
1957 ChevroletのBODYとDecorationを、ほぼ同じ強さで見られる。
ここが2102の面白さだと思う。
1502と2102は何が違うのか
見比べる価値が非常に高い。
No.06で扱った1502は、1957 Chevroletの基本形を見るには最高の一台だった。
2102は、その基本形にSeriesとしての装飾と装備を一段加えた車になる。
ただし「Chromeが少し増えただけ」と考えると浅い。
Series差を本気で調べるなら、
Exterior side molding
Front fender treatment
Rear quarter treatment
Emblems
Hubcaps / wheel equipment
Interior upholstery
Door panels
Instrument-area finish
Seat trim
Paint combinations
まで追う必要がある。
1957 ChevroletのFactory specificationには、1500・2100・2400 SeriesそれぞれについてExterior Color Combinationが整理され、Interior Upholstery/Colorについても独立資料が用意されている。
つまりSeries差は単なるBadgeの問題ではない。
BODY × COLOR × TRIM
として調べる必要がある。
210には独自の立ち位置があった
150、210、Bel Airを、
安い
中間
高い
だけで説明することもできる。
しかし、それでは1957 Chevroletの面白さをかなり捨ててしまう。
210 Seriesには1957年、8種類ものFactory Modelが存在した。
Sedan。
Delray。
Sport Coupe。
Sport Sedan。
Handyman。
Townsman。
Beauville。
その中でも2102は、最も基本的な2-Door Sedanだった。
つまり2102は、
210 Seriesの基準点
として見ることができる。
ここからDelray 2124へ行く。
さらにSport Coupe 2154へ行く。
BODYとTrimがどう変化するのか。
2102を先に理解しておけば、その違いが非常に見やすくなる。
2102とDelray 2124は別に調べる
これは重要だ。
210 Seriesには、
2102 2-Door Sedan / Style 1011
だけでなく、
2124 Delray Club Coupe / Style 1011A
が存在する。
この二台は非常に近い存在に見える。
だからこそ雑にまとめたくない。
Delrayは単に「210 2-Door Sedanの愛称」として処理するのではなく、1957年のFactory Model 2124として独立して追う。
Style Numberも、
1011
1011A
と分けられている。
何が「A」を生んだのか。
BODYそのものなのか。
Interior/Trim packageなのか。
Factory資料ではどこまで別扱いだったのか。
これはNo.11で本格的に掘る。
2102を調べることは、Delrayの正体を調べるための基準作りでもある。
Bel Air 2402との比較も面白い
もう一方にはBel Air 2402がいる。
2102|1011
2402|1011D
こちらもStyle Numberが近い。
外から見れば、どちらもPostを持った2-Door Sedan。
しかしSeriesとしては210とBel Airである。
ここで見るべきなのは、
Bel Airに何が加えられたのか。
だけではない。
逆方向から、
2102には何が残され、何が与えられなかったのか。
を見る。
この視点にすると210が単なる廉価Bel Airではなくなる。
Bel Airを基準にして「足りない装備」を数えるのではない。
210という完成したSeriesを、そのまま見る。
これが重要だ。
Bel Airの有名なSide Treatmentだけを基準にしない
1957 Bel Airといえば、Rear Quarterへ入る特徴的なSide Trimが強い印象を残す。
そのため1957 Chevroletそのものが、あの姿だったように記憶されやすい。
しかし150も210も存在した。
つまり1957 ChevroletのBODY DesignとBel AirのDecorationは、本来分けて見る必要がある。
2102を見ると、その境界が分かりやすい。
Finそのもの。
Rear Quarterの鉄板形状。
Roofline。
Glass。
Door。
これらはDecorationとは別に存在する。
1957 Chevroletの形を見る資料として2102はかなり重要なのである。
2102は珍しい車だったのか
ここでProductionを見る。
現在確認できる二次資料には数字の差がある。
OldRideのproduction tableでは、
162,090台
と記録されている。
一方、別のcompiled production dataでは、
162,851台
としている。
差は761台。
したがってMUDIMUでは現段階で、
1957 Chevrolet 2102は約16万台規模で生産されたとみられるが、正確なProduction Numberには資料差がある。
としておく。
ここでも一つの二次資料を選んで「162,090台で確定」とはしない。
約16万台という数字の意味
どちらの数字を採用しても、2102が極端な少量生産車ではなかったことは変わらない。
Nomadのような希少BODYではない。
Utility Sedanのような特殊用途でもない。
当時の道路を普通に走っていたChevroletの側にいる。
ここが大事だ。
Classic Carの歴史は、残存率や現在の市場価格で見ていると歪む。
現在Collectorが欲しがるBODYと、
1957年に実際によく使われたBODY
は必ずしも同じではない。
MUDIMUでは両方を残す。
Factory Priceは$2,122から
現在確認できるproduction/price tableでは、2102について、
6-cylinder|$2,122
V8|$2,222
と記録されている。
Shipping Weightは、
6-cylinder|3,230 lb
V8|3,221 lb
となっている。
V8のShipping Weightが表上でわずかに軽くなっているのは、一見すると不思議に感じるかもしれない。
しかしここで「V8の方が軽い車だった」と単純化してはいけない。
Shipping Weightの定義、Engine/Transmission構成、Factory資料での算出方法を確認する必要がある。
MUDIMUでは数字だけ転記して結論を急がない。
PriceについてもPeriod Factory price資料との再照合対象とする。
2102にはSixもV8もあった
2102というBODYはEngineによって決まるものではない。
Blue-Flame Six。
Small Block V8。
さらに1957年にはChevroletのEngine選択そのものが大きく広がっている。
しかし、
283が載っているからBel Air
ではない。
V8だから210でもない。
BODY IdentificationとEngine Identificationは別に行う。
MUDIMUでは、
YEAR
↓
BODY
↓
SERIES
↓
FISHER STYLE
↓
TRIM / COLOR
↓
ENGINE
↓
IDENTIFICATION
の順序を崩さない。
Engine Swapが非常に多いTri-Five Chevroletでは、特に重要な考え方だ。
現在の2102を見るときは「改造」を疑う
1957 Chevrolet 210 2-Door SedanはHot RodやRestomodのBaseとしても現在まで多く使われてきた。
350 Small Block。
4-speed。
Disc Brake。
Custom Wheels。
Bel Air風Trim。
Interior変更。
Paint変更。
こうした個体が珍しくない。
実際、現在の販売記録にも350 engineとMuncie 4-speedへ変更された210 2-Door Sedanなどが確認できる。
だから現存車の写真だけを集めて、
「1957年の2102はこうだった」
と判断するのは危険である。
BODY Tagから始める
2102候補を調べるなら、まず確認したいのはFactory ModelとBody Style。
Model 2102
Style 1011
ここを基準にする。
その後、
Paint code
Trim code
Assembly plant
VIN
Engine stamping
Transmission
Exterior moldings
Interior
へ進む。
現在Bel Air風に仕上げられていても、元は210だった可能性がある。
逆に現在Decorationを取り外した車を見て、150だと判断することもできない。
Trimは変えられる。BODYの履歴を追う。
これがMUDIMUのIdentificationである。
1957 ChevroletをBel Airだけで覚えないための一台
2102にはNomadのような物語性はないかもしれない。
Fuel Injectionのような技術的Headlineもない。
Convertibleの華やかさもない。
だが、それで価値が低いわけではない。
むしろ1957 Chevroletを歴史として見るなら、
こういう普通のModelこそ重要である。
約16万台規模が作られた2-Door Sedan。
6人が乗れる。
SixもV8も選べる。
150より装備を持つ。
Bel Airほど豪華ではない。
1957年のChevroletを買う人にとって、非常に現実的な選択肢だった。
1502、2102、2402を並べたい
MUDIMUで最終的にやりたいことの一つがこれだ。
同じ1957年。
同じ2-Door Sedan。
同じ角度。
できればFactory photograph。
そして、
1502|2102|2402
を横一列に並べる。
そこでDecorationを一つずつ消したり加えたりするように比較する。
Front Fender。
Door。
Rear Quarter。
Fin。
Molding。
Badge。
Wheel treatment。
Interior。
これができれば、「150・210・Bel Airの違い」という文章だけの説明より圧倒的に分かりやすい。
BODYは似ている。Seriesは違う。
その違いを目で読める図鑑にしたい。
Model 2102を覚える
1957 Chevrolet 210 2-Door Sedan。
Model 2102。
Fisher Style 1011。
6-passenger。
Postを持つ2-Door Sedan。
210 Seriesの基準となる一台。
1502ほど簡素ではない。
2402ほどDecorationを前面に出さない。
そして現在確認できるProduction資料では、およそ16万台規模が作られている。
有名だから残すのではない。
珍しいから残すのでもない。
当時、本当にたくさん走っていたChevroletだから残す。
1957 Chevroletの歴史をBel Airだけにしないためにも、2102は重要な一台である。
MUDIMU Research Note
A|Factory Model 2102
1957 Chevrolet Factory specificationsのSedan groupにModel 2102を確認。1502、1503、2103、2124、2402、2403と同じSedan系寸法資料に掲載されています。
A|Fisher Style 1011
1957 Body/Style資料では2102を2-Door Sedan / Style 1011として確認できます。
A|2102と2154は別BODY
2102は2-Door Sedan、2154は2-Door Sport Coupe。現在のparts classificationでも2102はPost Modelとして区別されています。
A|2102と2124 Delrayは別Factory Model
2102はStyle 1011、2124 Delray Club CoupeはStyle 1011A。似たSedan系2-DoorでもFactory Model / Styleを分けて記録します。
A|2102・2402のStyle Number
2102は1011、Bel Air 2402は1011D。Style Numberの近さは確認できますが、これだけから全BODY部品が共通だったとは断定しません。
A|Factory Color / Interior資料の存在
1957 Chevrolet specificationsには2100 Seriesのone-color / two-color exterior combinations、およびInterior Upholstery and ColorsのFactory資料が存在します。2102のBODY × COLOR × TRIMはこれを基礎に別途完全台帳化します。
B|Factory Price / Shipping Weight
現在確認したcompiled tableでは2102 Sixを$2,122 / 3,230 lb、V8を$2,222 / 3,221 lbとしています。価格・重量ともFactory primary materialで再照合します。
?|Production Number
二次資料で162,090台と162,851台が確認できます。現段階では確定値にせず、Production Numbers記事でprimary sourceを優先して再検証します。
?|1502 / 2102 / 2402のBODY共有範囲
外観上は同じ1957 2-Door Sedan familyですが、Door、Roof、Glass、Quarter、Inner structure等の具体的な共通部品範囲はParts Book / Fisher Body資料による確認を続けます。
?|2102 Exterior Trim完全識別
1502および2402とのExterior molding、emblem、front/rear treatmentの完全比較は、Period brochure・Factory accessories・Parts資料を突き合わせて独立比較記事へ発展させます。
?|Original carの判定
現存2102はEngine、Transmission、Interior、Paint、Exterior Trimの変更例が多いため、現在の外観だけをFactory specificationの証拠には使用しません。
黒猫タンゴの視線
1502を見たあとで2102を見ると面白い。
Bel Airほど「俺を見ろ」とDecorationが前へ出てこない。でも150ほど何もないわけでもない。
1957年のBODYを壊さない程度に、ちょうどよく飾ってある。
個人的には、こういう中間Seriesはかなり気になる。
最高級車でも、最廉価車でもない。当時普通の人が実際に選んだChevroletには、Collector Carとしての希少価値とは別の格好よさがある。
1957 Chevroletを20台並べられるなら、NomadやBel Air Sport Coupeだけではなく、2102を必ず一台その列に置きたい。
それがあることで、1957年のChevroletがずっと立体的に見えてくる。
